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院長BLOG

粉瘤の治療

2013.1.16 カテゴリー|その他の治療について

当院に粉瘤の疑いがある患者さんが来た場合の診察と治療について説明します。

 

まず、超音波検査を行いガングリオンや脂肪腫などのその他の腫瘍と鑑別します。

(視診と触診で明らかに粉瘤と診断できる場合は除きます。)

 

上の図が、粉瘤の超音波検査の画像です。

皮下組織の中に全体的に黒くて内部に不均一に白い部分がある楕円形の腫瘤があります。

 

痛みがあり、周囲が赤く腫れて熱を持っている場合は、すでに感染を起こしているので、すぐに夏井先生の方法で手術をします。

http://www.wound-treatment.jp/next/case/954.htm

 

感染を起こしていない場合は、

「悪性腫瘍ではなく、感染していない状態で手術した場合、再発率が30%くらいあり、感染してから手術したほうが傷が小さくて済み、再発する可能性も低くなるので、感染するまで様子を見て、それから手術をしたほうがいいでしょう。」

と説明します。

 

それでも手術を希望する場合は、後日に手術を行います。

 

手術をした場合は、数日間、創の処置のために通院してもらう必要があります。

 

夏井先生と同じ方法で粉瘤の治療をしています。

2013.1.16 カテゴリー|湿潤療法

湿潤療法の第一人者である夏井先生のホームページの「筆者(夏井先生)と同じ方法で粉瘤の治療をしている医師リスト」に当院も載せてもらいました。

http://www.wound-treatment.jp/dr/atheroma.htm

 

夏井先生の粉瘤の治療法はこちら↓

http://www.wound-treatment.jp/next/case/954.htm

 

  粉瘤はできもの一種ですが、中央に小さな穴があり、そこを押すと臭くて白い粥状の物が出るのが特徴です。この粥状の物はよく脂肪のカタマリと言われますが、実は垢のカタマリです。外傷や何らかの原因で表皮細胞(皮膚の一番表の細胞。最終的には垢になって剥がれ落ちます)が皮膚の深いところ(真皮)に入り込んでしまうためにできるものです。真皮層に入り込んだ表皮細胞は袋状の壁を形成します。本来なら垢となってはがれ落ちてなくなるはずが、袋の外に出られずにどんどん蓄積され、少しずつ大きくなってシコリとして触れるようになります。


  粉瘤はすべてに穴が開いているわけではありません。毛根や脂腺・汗腺などにある表皮細胞が袋を作るもととなった場合は、穴を生じません。

  粉瘤で問題となるのは、主に粉瘤が次第に大きくなることと、化膿して赤く腫れ上がり強い痛みが生じることです。

手あれにハンドクリームを使ってはダメ!

2013.1.10 カテゴリー|医療に関する迷信

手あれに対して、ハンドクリームは使ってはいけないと思います。

 

  理由は,クリームの成分が界面活性剤だからです。界面活性剤,つまり中性洗剤と本質的に同じです。こんなものを皮膚に塗る方が異常です。この点,乳液も同様に界面活性剤を含み,同等に危険な物質でしょう。


 クリームは水と油が溶け合ったものです。皮膚に塗るとスベスベするし,ツルツルになります。しかし,クリームを洗い落とすとなぜか皮膚はゴワゴワ,シワシワになっていませんか? これは恐らく,クリームに含まれる界面活性剤が皮膚の油を分解してしまったためです。皮膚の油(皮脂)は人間を感染から守ってくれている皮膚常在菌の生存になくてはならない栄養源です。それを洗い落とすのはとんでもない愚行です。


 クリームに含まれる界面活性剤の疎水基は細胞膜の蛋白質に結合し,細胞膜を破壊します。皮膚科の教科書に「クリーム製剤は健常の皮膚にのみ用いること」と明記されているのは,健常の皮膚は角化層で守られているからクリームを塗っても大丈夫だよ,という意味でしょう。逆に言えば,角化層が正常でない皮膚(傷ついている皮膚,乾燥肌,アトピーの創部など)にクリームを塗ると,そこに含まれる界面活性剤が牙をむいて傷口に襲い掛かるわけです。

 

 女性に手あれが多い理由は、女性が食器洗いや洗濯などで、男性より多く界面活性剤を含む洗剤を使う機会が多いからです。界面活性剤のせいで、手あれになったのに、同じ界面活性剤であるクリームで治療するなんて、火に油を注ぐのと同じことです。

 

 ハンドクリームがどのくらい強力な界面活性剤かを、簡単に実験する方法があります。

 

 手に油性ペンで落書きをしてください。油性ペンの落書きは石鹸やハンドソープではなかなか消えません。そこにハンドクリームを塗ってみてください。魔法のように油性ペンの落書きが消えてしまいます。ハンドクリームは石鹸や油性ペンより強力な界面活性剤なのです。こんな恐ろしいものを塗ってはいけません。

 

「手あれにはハンドクリームがきく」というのは迷信です。

乾燥肌の治療

2013.1.09 カテゴリー|湿潤療法

 冬になると空気が乾燥するため、皮膚も乾燥してカサカサになり痒くなります。特に高齢者は皮膚の乾燥を防いでくれる皮膚の油(皮脂)の分泌が少ないためひどくなります。

 

 この乾燥肌も手荒れと同様にワセリンを塗って皮膚の乾燥を防ぐことで治すことができます。起床時とお風呂上りなどに、乾燥している部分にワセリンをたっぷり塗りこんでください。ベタベタして気持ち悪い時は、バスタオルなどで拭きとってしまっても大丈夫です。

 

 また、お風呂で体を洗う時に石鹸やボディーソープつかわないようにしましょう

 

 垢などの体の汚れは湯船につかるだけで90%以上落ちます。

 

 ボディーソープなどで体を洗うと大切な皮膚の油(皮脂)が洗い落とされてしまうため皮膚がより乾燥するようになります。

 

 石鹸は陰部や腋の下など臭いの強い部分のみに使用して、後の部分はタオルでやさしく拭くだけにしましょう。

踵のひび割れの治療

2013.1.09 カテゴリー|湿潤療法

踵のひび割れは、厚くなった角質が乾燥により硬くなり割れてしまうことが原因です。

 

前回のブログで紹介した「手あれの治療」と同様に、ワセリンを1日数回塗りこむことでよくなります。

 

手あれの治療

https://nishibori-seikei.com/blog/2013/01/post-164.html

 

角質が、すごく固くなっていて、ひびわれもひどい場合は、踵にワセリンを塗った後に「穴あきポリ袋」を適度な大きさに切ったものを貼り付けて、その上から靴下をはいて、半日ぐらいそのままにしておくと、かなり柔らかくなります。

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