2016.6.29 カテゴリー|湿潤療法
今日は夏井先生のウェブサイトの症例報告から
http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/1922/index.htm
この症例報告に出てきた。「アクアセルの治療は聞いたことがない」と言い切った医者に対して、同業者として情けない思いでいっぱいです。
私だったら、アクアセルや湿潤療法について知らなくても、同じような創がアクアセルで治ったと聞かされたら、「そりゃすごいね。ちょっと調べてみよう」と思うはずです。
2016.6.26 カテゴリー|トリガーポイント注射
筋膜リリースという新しい治療法がテレビなどのメディアで話題になっています。
筋膜(筋肉を覆っている膜)の癒着や肥厚が痛みの原因であるとして、エコーで確認しながら肥厚している筋膜の生理食塩水を注入して、筋膜の癒着をはがす治療法です。
MPS研究会の中心メンバーである木村ペインクリニックの木村裕明先生などがはじめました。
この筋膜リリースについて、加茂先生が考察を述べているので、読んでみてください。
再度 筋膜リリースついて
http://junk2004.exblog.jp/25951658/
2016.6.17 カテゴリー|トリガーポイント注射
80代女性
半年前から右殿部から脛の外側にかけての痛みが出現しました。
近くの病院で坐骨神経痛と診断され1ヶ月間入院して治療しましたが、痛みはあまり変わりませんでした。
退院後も電気治療とトラムセット、リリカの内服による治療を続けていましたが良くなりませんでした。
近所の人に薦められ、4月に当院を受診しました。
下図の部位(たぶん小殿筋)にトリガーポイントを認めました。
トリガーポイント注射を2回行ったら、痛みはだいぶ楽になりました。
その後も、デマンドタクシー(笠間市が運営する乗り合いバス)を2回乗り継いで、週1回通っています。
注射するたびにどんどん良くなっています。
一般的に坐骨神経痛と言われている痛みは、ほとんどの場合、殿部の中殿筋や小殿筋に出来たトリガーポイントが原因です。
トリガーポイント注射で良くなります。
2016.6.17 カテゴリー|湿潤療法
私が小学生のころはプロレスの全盛期でした。
当時、プロレス中継を見ていて、試合中にあんなに血を流しているのに、翌週の試合では創が完全に治っているのが不思議でしょうがなかった。
だから血糊を使っているんだろうと疑っていました。
しかし、その頃アントニオ猪木選手の奧さんだった倍賞美津子さんがラジオでこんなことをお話ししていました。
「プロレスラーは切り傷や擦り傷に、ゆで卵の薄皮を貼り付ける。そうすると自然とすぐに創がくっついて治ってしまう。」
当時は、ピンと来ませんでしたが、これって湿潤療法だよね。
おそらく薄皮をとったゆで卵はそのまま食べたのでしょうから、タンパク質も補充できるし、もちろんプロテインも飲んでいたでしょう。
そりゃ一般人の常識より早く創が治って当然ですよね。
血糊を使っているとか疑ってごめんなさい。
夏井睦先生が湿潤療法を紹介するウェブサイトを立ち上げたのは15年前です。
それよりもずっと前に、常に怪我と隣り合わせのプロレスラーは、早く創を治す必要性から、湿潤療法にたどり着いていたのですね。
2016.6.16 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
50代の女性
転倒して左手をついて受傷しました。
すぐに当院を受診。レントゲン上、手首の骨折(橈骨遠位端骨折)を認めました。
転位を認めたので、局所麻酔後にテレビレントゲンで確認しながら骨折を整復しました。
その後シーネ(添え木)固定しました。
3週間後、レントゲンで骨癒合がえられたと判断しシーネを外しました。
ところが、その2週間後のレントゲンで、骨癒合が十分でないことが判明しました。
下図のレントゲンの矢印の部分の骨に黒い線が入っているのがわかると思います。
手首の軽度の痛みと、指や手首の動かし難さ(可動域制限)も残っていました。
骨癒合を促すためにテリボン注射を開始しました。
同時に、可動域制限の改善と骨折部の血流を改善させる目的で加圧トレーニングも開始しました。
下図は2ヶ月後のレントゲンです。
骨癒合がえられました。
痛みや可動域制限も改善しました。
骨癒合不全にはテリボンと加圧トレーニングが有効と思われます。
テリボンは骨粗鬆症がない若い人には使えないけどね。