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痛風にも糖質制限 2

2012.11.20 カテゴリー|糖質制限

先日のブログに「痛風と糖質制限」について書きました。

 

痛風と糖質制限 https://nishibori-seikei.com/blog/2012/11/post-120.html

 

本日の新しい創傷治療の更新履歴に、新しい情報が載っていたので転載します。

 

新しい創傷治療 更新履歴 http://www.wound-treatment.jp/title_new.htm


 角田先生から「尿酸と糖質制限」についてのメールです。

 ガイドラインも、ショ糖、炭水化物を減らし、乳製品を増やすという「糖質制限食」を推奨しています。糖尿病のみならず、高尿酸血症・痛風にも有効と考えられているようです。

 グルコース→グルコース-6-リン酸 → リボース-5-リン酸 → イノシン酸 → プリン体とペントース・リン酸経路を通じてプリン体は生成されるので、食餌由来のプリン体の関与は、近年疑問視されているようです

 「プリン体の多い食事を食べると痛風になる」というのはやはり嘘だったようです。


痛風の方であっても、控えるべきはプリン体ではなく、糖質のようです。今後は、自信を持って糖質制限を勧めます!

 

 

炊飯器の蒸気でヤケドした赤ちゃん

2012.11.19 カテゴリー|湿潤療法

11か月の女の子

 

炊飯器の蒸気でヤケドをしました。お母さんがすぐにネットで検索して、湿潤療法の第一人者夏井先生が3月までいた石岡第〇病院を受診しました。最初に当直で診てくれた外科医に、穴あきポリ袋で湿潤療法してもらいました。次に診てくれた非常勤の形成外科医に転院を勧められ、阿見町の某医療センターに通院することになりましたが、そこで受けた治療が、湿潤療法ではなく、従来の消毒とガーゼを使う治療であり、日に日にヤケドが悪化していくので、不安になり、湿潤療法をやっている某クリニックを受診しました。そこで穴あきポリ袋による湿潤療法を受けましたが、それでも、ヤケドが悪化していき、ヤケドの周辺も腫れてきたため、当院を受診しました。

 

受診時、右手は穴あきポリ袋とペットシートで覆われていました。ただ、穴あきポリ袋を二重に巻いていたため、浸出液がドレナージされておらず、周囲の皮膚は白くふやけていて、ヤケドの表面には膿苔びっちりくっついていて、ヤケドの周りが腫れて熱を持っていました。

 

過湿潤状態なので、被覆材を、プラスモイストDCに変更して、抗生剤の内服を始めました。上の写真が、その翌日の写真です、1日でキズの状態がかなり良くなったため、お母さんも安心しました。

 

そのままプラスモイストDCによる治療を続け、2週間で皮膚がきれいにできました。

H24.11.19 2週間後.jpg

今後は、ワセリンで皮膚の乾燥を防ぎながら、お風呂でストレッチをしてもらって、屈曲拘縮の予防をしてもらいます。

 

湿潤療法をするにあたっては、創部を適切な湿潤環境に保つことが一番大切で、創部の状態に応じて被覆材を変更する必要があります。そこが意外と難しくて、経験が必要です。

「インフルエンザの予防接種をすると風邪をひきにくくなる」は迷信

2012.11.16 カテゴリー|医療に関する迷信

先月からインフルエンザの予防接種が始まりました。

 

予防接種を受けにくる方の中に、「インフルエンザの予防接種をすれば、普通の風邪にもかかりにくくなる」と勘違いしている人がいます。しかし、インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスにしか効果を発揮しませんから、それ以外のウイルスが原因の普通の風邪を予防する効果や風邪の症状を軽くする効果は全然ありません。

 

でも、病は気からとも言いますし、「予防接種したから、自分は風邪をひかない!」と思い込んでいれば、案外風邪をひかないものかもしれませんが・・・・

 

「インフルエンザの予防接種をすると風邪をひきにくくなる」というのは迷信です。

「風邪薬を早く飲めば、風邪は早く治る」は迷信

2012.11.16 カテゴリー|医療に関する迷信

テレビCMで「早めにパブ〇ン」なんてキャッチコピーが喧伝されているので、「風邪薬を早く飲めば、風邪が早く治る」と思っている方がたくさんいますが、これは迷信です。

 

皆さんも、ご存知だとは思いますが、風邪の原因はウイルスです。風邪薬を飲んでもウイルスは死にもしなければ減りもしません。風邪のウイルスを殺したり減らしたりする薬はこの世に存在しないのです。風邪薬は、風邪に伴う「せき」「たん」「鼻水」「のどの痛み」「熱」などの諸症状を押さえる効果しかありません。なので、風邪薬を早く飲んでも、風邪が早く治ることはありません。

 

体の中で風邪のウイルスに対する免疫反応が起きて、ウイルスに対する抗体が作成され、抗体がウイルスをやっつけてくれなけば、風邪は治りません。抗体がウイルスをやっつけてくれるまで、数日から数週間かかるので、その間は、薬を飲んでも、風邪は治りません。

 

免疫力を高めると、抗体が早くできて、風邪が早く治ります。免疫力を高めるには、布団にくるまって体を温めて、安静にして、消化の良いものを食べることです。体温をつくるためのエネルギーや、運動や労働で筋肉を動かすためのエネルギー、食物を消化するためのエネルギーをなるべく節約して、その分のエネルギーを免疫反応のまわすことで、抗体が早く作られるのです。

 

市販の風邪薬は「総合感冒薬」といって、咳止め薬・たんを切る薬・鼻水を止める薬・のどの痛みをとる薬・熱を下げる薬など、たくさんの薬が配合されています。風邪の症状が、「せき」と「のどの痛み」だけなのに、総合感冒薬を飲むと、不必要な「たんを切る薬や、熱を下げる薬」を飲むことになります。不必要な薬を飲むことは体にとって有害でしかありませんから、市販の風邪薬を飲むことはあまりお勧めしません。

 

当院では、風邪の患者さんに対しては、それぞれの症状にあわせてお薬を処方しています。「せき」には「咳止め薬」、「熱」には「解熱薬」、「寒気」には「葛根湯」などです。でも、一番と治療は布団にくるまって寝ていることです。

 

「風邪薬を早く飲めば、風邪は早く治る」というのは迷信です。

痛風にも糖質制限

2012.11.16 カテゴリー|糖質制限

痛風の患者さんに糖質制限を勧めてよいのかどうか悩んでいたので、糖質制限の第一人者江部康二先生のブログに質問をしました。

 

ドクター江部の糖尿病徒然日記 http://koujiebe.blog95.fc2.com/?no=1221

 

以下、ブログのコメント欄より抜粋

 

茨城県笠間市で整形外科医院を開業している にしぼり整形外科 院長 西堀靖広ともうします。

夏井先生のHPをきっかけに糖質制限を知り、7㎏のダイエットに成功しました。

不躾ながら、先生に教えていただきたいことがあり、コメントいたしました。

当院は整形外科なので、痛風の患者さんがけっこうたくさん来ます。
それで、痛風の患者さんにも糖質制限を勧めるべきかどうか悩んでいます。

江部先生はブログに

糖質制限で尿酸が上がる人と下がる人、変わらない人といると書かれています。

また、尿酸値を上げる原因は
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ

とも書かれています。

肥満があり、中性脂肪やコレステロールも高い、いわゆるメタボの人には糖質制限を勧めてもいいのかなと思っていますが、
やせていて、飲酒もあまりしていない人に、糖質制限をさせると、プリン体の摂りすぎで、かえって尿酸値が上昇してしまうのではないかと不安もあります。

痛風患者に糖質制限を勧めるべきか否か、先生のご意見をお聞かせいただければ幸甚です。
 
 
 
西堀靖広 先生

糖質制限食を奨められて大丈夫と思います。
肥満改善も、高尿酸血症には、良いです。

注意がいるのは、カロリー制限し過ぎで尿酸値が上昇することです。
例えば、断食ではかなり高値となります。

過去痛風発作を起こしてない痛風患者は、薬物療法の目安は9mg/dlです。
過去痛風発作を起こしたことがある患者は、適宜投薬も考慮です
 
 
今後は痛風患者さんにも糖質制限を勧めたいと思います。

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