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2014.5.09 カテゴリー|湿潤療法
9カ月の女の子
ポットを倒してヤケドしました。近くの病院を受診しましたが、湿潤療法をやってくれなかったので、翌日当院を受診しました。
水疱をやさしく剥がして、ハイドロコロイドを貼りました。
週2回ほど通院してもらい、6日後には上皮化したので、ハイドロコロイドをやめて、乾燥しないようにプロペトを塗ってもらいました。
16日後、きれいに治りました。将来的にはよく見ないとわからに程度のあとしか残らないと思います。
2014.5.09 カテゴリー|湿潤療法
40代男性 理髪師
チェーンソーで家の木を切っていて、うっかり刃に触ってしまい、左薬指を切ってしまいました。その日は〇〇大学付属病院で応急処置を受け、その後□□病院で消毒と軟膏とガーゼによる治療を受けていたが、治りが悪いため受傷16日後に当院を受診した。
初診時の画像です、薬指の曲げる方の皮膚が大きくえぐれていますが、幸い屈筋腱は切れていませんでした。
プラスモイストを自宅で交換してもらうことにしました。仕事もできる範囲でやってもらいました。
8日後
15日後
上皮化が進み、浸出液がほとんどなくなったのでハイドロコロイドを自宅で交換してもらうことにしました。
25日後
伸ばした時に少し突っ張るくらいで、可動域障害はなく、機能的な支障なく治りました。
2014.5.02 カテゴリー|湿潤療法
3歳の男の子
幼稚園で遊んでいて、転んで顔を擦りむいた。幼稚園の近くのクリニックでイソジン消毒とガーゼの処置を受け、「キズが残る」と言われ不安になり、翌日当院を受診した。
初診時の状態
キシロカインゼリーで表面麻酔をしてから、創をについた泥をぬぐいっとって、ハイドロコロイドで覆った。
翌日キズの状態を確認し、以後は自宅でハイドロコロイドを交換してもらって、週1回通院してもらった。
2週間後の状態
きれいに治った。鼻頭の傷跡も遮光していれば半年くらいでほとんど目立たなくなると思う。
2014.4.24 カテゴリー|トリガーポイント注射
70代の男性
15年以上前からある、左手小指側のしびれを主訴に来院しました。15年前、某総合病院で頸椎症性神経根症と診断され、頸椎牽引を受けるように指示され、近所のクリニックで頸椎牽引を数年受けていましたが、そのクリニックが代替わりして頸椎牽引の機械を捨ててしまったので、以後はずっと治療を受けずに様子を見ていました。治療中もその後も症状に変化はありませんでした。
先日、頸椎牽引をして欲しいと当院を受診しました。以前にもブログに書きましたが、当院には頸椎牽引の機械はありません。そのことを告げ、そもそも首のせいの症状かどうかも怪しいので、詳しく診察させていただきました。
症状をよく効くと、左手がしびれているのではなく、時々左の小指と薬指が痙攣するというのです。案の定、前腕の指屈筋群にトリガーポイントを認めました。
「筋肉にできたしこりが原因の症状だから、トリガーポイント注射をすればよくなること、頸椎が原因の症状ではないから頸椎牽引をしても無駄であること」を説明しましたが、いまいち納得がいかない顔をしておられたので、注射はせず湿布だけ処方しておかえりいただきました。きっと、心の中で「某総合病院の先生の診断が間違っているわけないだろう。なにわけのわからないこと言ってんだ」と思っていたのではないでしょうか?
神経生理学的事実として、頸椎で神経が圧迫された場合、筋肉の麻痺が出ることはあっても、痙攣が出ることはありません。なので、頸椎牽引をしても治るはずがありません。
2014.4.18 カテゴリー|医療に関する迷信
先日来た患者さん
1日3回で出していた痛み止めを、1日1回朝だけしか飲んでいませんでした。痛みが続いているのに、なぜそのような飲み方をしているのか尋ねたら、「ひとに、痛み止めを飲むと骨が溶けると言われた」というのです。
あまりにごじゃっぺなアドバイスに、正直怒りを覚えました。一般的な痛みどめ「非ステロイド性消炎鎮痛薬」には骨を溶かすような副作用はありません。おそらく骨粗しょう症の副作用があるステロイドと混同してしまっているのでしょう。
「一般的な痛みどめとステロイドの区別もつかないような素人が、知ったかぶりしてアドバイスすんじゃねぇよ」と心の中でつぶやきました。
それよりなにより、患者さんたちはなぜ、医療のプロである医師の話より、医療について何も勉強していない、噂話程度の知識しかない、近所の知り合いの話を信じてしまうのでしょう。数年前までマスコミが盛大に行っていた医療バッシングのせいなのでしょうか。不思議でなりません。
何度もこのブログで書いていますが、痛みを我慢していると慢性痛になり、ますます痛みが治りにくくなります。痛みが出たら、痛み止めをきちんと飲んで、トリガーポイント注射を受けて、すみやかに痛みを消してしまうのが一番です。そうすることで、ずるずる治療するより、かえって薬を使用する量が減り、副作用が出る可能性も低くすることが出来ます。
「痛み止めを飲むと骨が溶ける」というのは迷信です。