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2013.4.01 カテゴリー|その他の治療について
交通事故による痛みに対する治療は、基本的に事故の相手または自分の自動車保険から治療費が支払われるので、自己負担なしで受けられます。
交通事故では、6か月以上治療しても痛みがとれなければ、症状固定と診断され、自動車保険からの支払いは中止されます。
それ以後は、自分の健康保険(国保や社保)で治療を受けることになります。その場合、自己負担(1~3割)が必要になります。
自動車保険での治療が中止になった時点で、痛みなどの症状が強く残っていた場合、後遺症の申請をすることになります。
これまで交通事故で当院に通院していた患者さんで後遺障害の申請をした患者さんは14例です。
そのうち、自動車保険の治療が終了した後も、健康保険で治療に通院した患者さんは3例だけです。
3例のうち、2例は当院の近所の方です。2例とも、健康保険での治療を開始して2か月以内に治療を自己中断しています。
3例のうちの、残りの1例は、保険会社相手に裁判中の方です。
14例とも、後遺症申請をした時点では、強い痛みを訴えていました。強い痛みが残っているなら治療を、その後も続けているはずですが、裁判中の方を除くと全員、治療を中断してます。
なぜでしょう?
痛みは心と密接に関係しています。
自動車保険でタダで治療を受けているうちは、事故の被害者意識もあり、我慢できなかった痛みが、自分でお金を払って治すと思うと、我慢できるようになります。そのうち、だんだん痛みが気にならなくなってきて、いつの間にか痛みがなくなるのです。
交通事故による痛みは、ほとんどの場合、自動車保険の治療を中止するとよくなります。
2013.3.31 カテゴリー|湿潤療法
5歳の女の子
千葉県から、親戚のうちに遊びに来ていて転倒し、顎の下をパックリと切ってしまい。当院を受診しました。
顎の下が約2㎝切れていて、皮膚の緊張により大きく広がっていました。
キシロカインゼリーで表面麻酔をしてから、皮膚を寄せてキズを閉じて、ステリーテープで固定しました。
これは夏井先生と同じ方法です。
頭部・顔面の治療例 ⇒ 裂創はテーピングで治療
http://www.wound-treatment.jp/title_tiryou.htm
痛くない治療をしたので、治療中、騒いだり泣いたりしませんでした。
数日内に千葉に帰るというので、自宅周辺で湿潤療法をやっている医療機関のリストを渡して、紹介状を書きました。
外傷を湿潤療法している医師リスト
http://www.wound-treatment.jp/dr/dr.htm
紹介状を渡すときに、
「必ずこのリストに載っている医療機関に行ってください。それ以外のところに行った場合、テープをはがされて、糸で縫われる可能性が高いです。」
と説明していたら、それを聞いていたそれまでニコニコしていた女の子が
「縫うのはヤダ、縫うのはヤダ」
と急に泣き出しました。
こんな小さな子でも、縫われると痛いってわかっているんだなぁ。
確かに、夏井先生の方法を知るまでの裂傷治療は、子供をみんなで押さえつけて、無理やり局所麻酔を注射して縫ってましたから。
子どもにとっては恐怖でしかないですよね。
2013.3.29 カテゴリー|その他の治療について
交通事故にあった後に、
「どこも痛くない。でも、後で後遺症が出ると困るから診察してください」
といって、整形外科を受診する患者さんがたくさんいます。
どこも痛くない人の、どこを診察したらいいのでしょう?
全身の関節の動きを確認して、全身の筋肉を触診して、全身のレントゲンを撮れというのでしょうか?
もし、事故によって、骨が折れていたり脱臼していたら、事故直後からすごく痛いはずです。
筋肉を損傷している場合でも、3日以内に痛みが出てくるはずです。
(それ以降に出た痛みは、事故とは無関係です。)
人間の体のどこかが損傷されれば、必ず痛みという危険信号を出します。
どこも痛くなければどこも悪くないのです。
どこも悪くなければ後遺症が出るはずありません。
交通事故にあった患者さんに、
「念のため病院で診察を受けてください」
と勧める馬鹿な保険会社や、おせっかいな素人がたくさんいますが、無視してください。
病院での診察は痛みが出てからで十分間に合います。
2013.3.29 カテゴリー|その他
久しぶりに「ふれラジいばらき金曜日」にメッセージを送りました。
友人の梅嶋教信さんが、今日で番組を卒業するので、メッセージを送るのはこれが最後です。
ラジオネーム ぼりぼりぼりいいいいいいいいいいい
今さん 梅島さん
お久しぶりです。お疲れ様でした。
お二人は「ウイナーズサークル」という名の競走馬をご存知でしょうか?
日本のサラブレットのほとんどが北海道で生産されます。
なので、シンボリルドルフやオグリキャップ、ナリタブライアン、ディープインパクトなどの名馬はすべて北海道出身です。
そんな中、「ウイナーズサークル」は数少ない茨城県出身のサラブレットです。
1988年、福島競馬場でデビューしましたが、最初はなかなか勝てず、翌年になって、何とか2勝して、G1「皐月賞」に出走しました。
7番人気とあまり注目されていませんでしたが、最後の直線で激しく追い込み2着に入りました。
そして、競馬の祭典ダービーに出走しました。最後の直線で、リアルバースデーとの激しいたたき合いを制し、茨城県出身の馬として初めて「ダービー」を勝ちました。
その後、「菊花賞」の競争中に骨折してしまい引退をしました。
北海道生産馬以外のダービー馬は、「ウイナーズサークル」だけです。
現在、ウイナーズサークルは、笠間市岩間の東大牧場で余生を送っています。
数年前、東大牧場の一般開放日にウイナーズサークルを見に行きました。だいぶおじいちゃんになっていましたが、ダービー馬としての誇りを目にたたえていました。
「ウイナーズサークル」サイコー 「いばらきサイコー」
梅嶋さんご苦労様でした。
2013.3.27 カテゴリー|湿潤療法
9歳の元気な女の子
ヤカンのお湯を両足にかけてしまい、受傷しました。
救急車で某総合病院救急外来を受診して、ゲーベンクリームとガーゼによる治療を受けました。
翌日、当院を受診しました。
初診時の左足の写真
以後、当院で湿潤療法による治療を行いました。
最初の1週間は穴あきポリ袋とペットシートで治療して、その後はプラスモイストで治療しました。
6週間で治りました。従来の熱傷治療では、受傷後2週間で治癒してなければ植皮手術なので、醜い痕が残ったと思われます。