2012.10.03 カテゴリー|トリガーポイント注射
https://nishibori-seikei.com/blog/2012/10/post-84.html にちらっと、書きましたが、当院ではトリガーポイント注射の際に、基本的に皮膚の消毒をしていません。
前回のブログ「トリガーポイント注射の危険性」
皮膚を消毒しないは、消毒してもしなくても、トリガーポイント注射で感染を起こす危険性はほとんどないと考えているからです。
健康な皮膚の表面には皮膚常在菌という善玉菌が無数に繁殖してます。注射をした際、これらの細菌が針の先について、筋肉まで運ばれます。しかし、皮膚常在菌は、皮膚表面でしか生きられない菌なので、筋肉内ですぐに死滅してしまいます。だから、消毒しなくても感染症を起こす可能性はほとんどないのです。
キズがあったり、湿疹になっていたりする不健康な皮膚には、皮膚常在菌ではなく黄色ブドウ球菌が繁殖しています。この黄色ブドウ球菌は筋肉の中でも繁殖することが可能です。なので、キズや湿疹がある不健康な皮膚のところからは注射をすると、感染症を起こす危険性がすごく高くなります。消毒しても、キズの中にいる黄色ブドウ球菌をゼロにすることは出来ませんから、感染症を起こす危険性はあまり変わりません。当院では、キズや湿疹があるところには注射をしないことにしています。
また、アルコールなどで消毒してから注射すると、針を刺したところにアルコールが滲みるので、消毒しない場合より、注射の痛みが強くなります。これは自分自身で人体実験して確認しています。消毒しないほうが、注射の痛みが少なくなるのです。
当院ではこの4年間で、トリガーポイント注射を10万カ所以上打っていますが、感染症を起こしたことは一度もありません。その事実からも、トリガーポイント注射の際の消毒は不要といえると思います。
当院でも、関節内注射や腱鞘内注射をする際は皮膚を消毒しています。これは、関節内や腱鞘内は、筋肉内と違って、細菌が繁殖しやすい環境だからです。
2012.10.03 カテゴリー|トリガーポイント注射
今回はトリガーポイント注射の危険性について考察します。
当院では約4年前から、加茂先生式のトリガーポイント注射を行っています。その間、重篤な合併症として、気胸が1例、迷走神経反射による失神が1例、発生しています。その他、軽い合併症として、注射後の一時的な神経麻痺が100件くらい発生しています。当院ではトリガーポイント注射をする際に、基本的に皮膚の消毒をしていませんが、感染症は1例も発生していません。
では、合併症の発生確率はどのくらいか計算してみました。先週(9月24日~30日)に当院でトリガーポイント注射を受けた患者さんはのべ123人、1人の患者さんに対して1~30カ所注射しました。注射カ所は、のべ551カ所、一人平均4.5カ所です。1年間を50週とすると、1年間で6,150人に対し27,550カ所に注射したことになり、4年間では、24,600人に対し110,200カ所の注射をしたことになります。
気胸や、失神などの重篤な合併症の発生率はそれぞれ11万分の1(0.0009%)です。神経麻痺の発生率は1,100分の1(0.09%)です。感染症の発生率は今のところ0%です。
トリガーポイント注射の危険性はゼロではありません。が、重篤な合併症を起こす危険性はかなり低い安全な治療といえます。
2012.10.02 カテゴリー|糖質制限
急激にダイエットをすると、3~4か月後に「休止期脱毛」という現象が起き
詳しくはこちらのサイトを参考にしてください。⇒ http://低糖質.com/review/cat1/
休止期脱毛(telogen effluvium)の原因としては、ダイエット以外にも、身体的、精神的な強いストレスが考えられています。
で、この休止期脱毛ですが、心配しなくても大丈夫なんです。
そういえば、自分も7年前に加圧トレーニングをして2か月で9㎏
ダイエットによる急激な体重減少だけでなく、大きな外傷、外科手術、すごく心を痛めたこと(たとえば家族との死別)などの強いストレスがかかることがこの状況を生み出すと考えられています。
しかも、そのストレスに直面してから3~4か月程たってから、この症状が始まるのだということでした。
(なぜそのようにタイムラグを伴って起こるのかのメカニズムはよく分かっていません。)
一斉にたくさんの毛が抜けてしまいますが、その後、その毛穴から新しい毛がまた一斉に生えてくるそうです。
新人さんの髪の毛ですから、生えそろうのには数か月を要しますが、確実に復活してくるとのことです。
「休止期脱毛」なら、プロペシアを飲む必要なかったのか・・・や
でも、母方の親戚は全員「つるっぱげ」だからなぁ・・・やっぱり
2012.10.01 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
12歳の女の子
地元のドッジボールチームのエースとして活躍していました。1か月くらい前から、投げるとき右上腕に痛みを感じていました。7月のある日、ドッジボールを投げたときにバキッという音がして、腕が動かなくなりました。当日、当院を受診しました。レントゲン上、上腕骨骨幹部の骨折を認めました。投球骨折です。投球骨折は野球選手に多く、ドッジボール選手の投球骨折は非常に珍しいです。
転位が大きかったので、手術が必要と判断しました。当院では対応不可能なので、水戸医療センター病院に紹介しました。3日後に水戸医療センターで経皮的鋼線固定術をうけ、その3日後には退院して、当院に再紹介されました。下の写真が、手術後の写真です。すごく上手な手術をしてもらえたと思います。
経過は良好で、手術後2週でギプスを外し、手術後4週で仮骨が出来たことを確認して、鋼線を抜去しました。
鋼線を抜去した直後は、肘はほとんど動きませんでしたが、リハビリはせず、自宅のお風呂で自分で動かす練習をするように指導しました。4週間後にはほぼ元通り動くようになりました。(子供の場合、乱暴なリハビリをすると、骨化性筋炎になり、かえって重篤な後遺症を残すことがあります。)
実は、僕も大学時代に投球骨折になっています。当時、野球部に所属していましたが、運動音痴のため、完全に戦力外でした。でも、少しはチームに貢献したいと思い、毎日バッティングピッチャーをしていました。多いときには300球くらい投げていました。そのうち、上腕に痛みがでたので、大学病院の整形外科を受診しましたが、異常なしといわれたので、そのままバッティングピッチャーを続けていました。ある日、バキッという音とともに上腕骨が折れました。すぐに大学病院の救急外来を受診して、整復操作を受けました。整復操作を受けたときの痛さといったら、「なんでも白状するから許してください」と思うほどでした。1時間近く整復操作を受けても結局整復できなかったため、そのまま入院しました。1晩入院したら、自然と整復されたため、手術はせず、機能的装具で治療を受け、3週間後には退院しました。
2012.10.01 カテゴリー|トリガーポイント注射
77歳の男性
60歳ごろから両ひざ痛があり、近くの整形外科で変形性膝関節症と診断され、治療を受けていました。ヒアルロン酸の関節内注射や、痛み止めの点滴、運動療法などの治療を受けていましたが、症状が改善しないため、知人の紹介で、当院を受診しました。
診察の結果、内側広筋と膝窩筋にトリガーポイントを認めたため、同部にトリガーポイント注射を行いました。
3日後に再診した時の患者さんの感想
「すごく良くなった。嘘みたいに楽になった。今までの注射とは効果が全然違う。妻にも歩き方がよくなったと褒められた。」
この患者さんの場合、レントゲンでは確かに老化による骨の変形(変形性膝関節症)を認めます。しかし、骨の変形と痛みは直接は関係ありません。実際、レントゲンで、ものすごい変形をみとめても、全然痛くない人もたくさんいますし、レントゲンやMRIでまったく異常がなくても、ものすごく痛がっている患者さんもいます。
痛みの原因は、筋肉に出来たトリガーポイントです。トリガーポイント注射をすることで、痛みを楽にすることができます。