2012.12.18 カテゴリー|その他の治療について
以前、「禁煙治療に対する補助金に反対」という記事を書きました。
https://nishibori-seikei.com/blog/2012/11/post-132.html
安易に補助金を出すと、本気で禁煙する気がない、ひやかし半分の人が禁煙治療を受けに来て迷惑だと書きました。
でも、禁煙治療に成功した人だけになら補助金を出してもいいのかなと思います。
禁煙治療は全部で5回通院する必要があるので、最後の5回目の診察の際に禁煙に成功している人に、医師が証明書を出して、それを役場に持っていけば、補助金がもらえるようにすればいいのではないでしょうか。
この方法なら、ひやかし半分の人に無駄な税金を渡さなくて済みます。
笠間市の担当の方、もしこのブログを読んでいたら検討をお願いします。
2012.12.17 カテゴリー|トリガーポイント注射
71歳男性
今年1月に急に右下肢に力が入らなくなり、某総合病院を受診しました。椎間板ヘルニアと診断され、2月に手術を受けました。術後、一時的に力が入るようになりましたが、1か月後に再び力が入らなくなり、4月に再手術を受けました。
手術後、力は入るようになりましたが、右臀部から足にかけての痛みが残りました。長く歩くと、痛みがひどくなり、また右足にむくみもありました。
手術をした医師に、痛みが残った理由を尋ねると、
MRIやレントゲン検査を行い、どこにも異常が見つからなかったので、
「リハビリのやりすぎでしょう。どこも悪くないから、2年後にまた来てください」
と言われました。
痛みが残っているのに、医者に見放されたと感じた患者さんは、いろいろ調べて、当院を受診しました。
上の図のように、右小殿筋にトリガーポイントを認めました。
トリガーポイント注射を行った結果、2日間は痛みが軽減しました。
今後、注射を続ければ痛みが軽減できると思います。
痛みの原因はヘルニアではなく、筋肉に出来たトリガーポイントです。
しかし、手術をしても、痛みが残っている患者さんに対して、2年後に来いというのは、何とも無責任な話です。
痛みの原因がわからないので、患者さんの相手をするのが嫌で、逃げたのです。
逃げないで勉強しましょうよ。ネットで簡単に学べますよ!
加茂整形外科 http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/
MPS研究会 http://www.jmps.jp/
2012.12.12 カテゴリー|トリガーポイント注射
湿潤療法のパイオニア夏井睦先生のHP「新しい創傷治療」で、僕が出したメールが紹介されました。
http://www.wound-treatment.jp/title_new.htm
整形外科医です。
慢性頭痛で悩んでいる患者さんについてですが、やはり、最初は、頭痛専門外来、もしくは脳外科に行って、本当に偏頭痛なのかどうか診てもらった方がいいと思います。偏頭痛ならトリプタン製剤などを処方してもらうといいと思います。
市販されているセデ○などの頭痛薬を乱用すると、薬剤性頭痛になって、かえって頭痛が治りにくくなりますから、市販の頭痛薬はあまり使うべきではありません。
しかし、痛みを我慢すると「痛みの悪循環」に陥ってしまい、痛みが治りにくくなってしまいます。そういった意味でも、なるべく早く医療機関を受診することをお勧めします。
頭痛の9割は、筋緊張性頭痛です。筋緊張性頭痛なら、頸部へのトリガーポイント注射が著効することがあります。以下のHPのリストを参考にしていただいて、トリガーポイント注射を行っている医療機関を受診したらいかがでしょうか?
このリストには載ってませんが、当院でもトリガーポイント注射を行っています。
話は変わります。糖質制限の効果についてです。
僕は糖質制限で7㎏痩せました。
僕は12年くらい前から、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)があり、季節の変わり目に風邪をひくと副鼻腔炎が再燃してつらい思いをしていました。ところが、糖質制限をして痩せてからは、風邪をひいても軽く済み、副鼻腔炎が再燃しなくなりました。痩せたことで、副鼻腔の開口部が広がったのか?理由はわかりませんが、助かっています。
筋緊張性頭痛の患者さんは、図のように胸鎖乳突筋にトリガーポイントを認める方が多いです。
その他、首の後ろから肩にかけての筋肉にトリガーポイントを認めます。
トリガーポイント注射を打つことで、良くなる人がたくさんいます。
2012.12.12 カテゴリー|トリガーポイント注射
痛みを我慢するなどして、長期間に痛みが持続すると、痛みの悪循環に陥ってしまい、難治性の慢性疼痛になります。
痛みの悪循環とはどういうことでしょう。
手術や外傷など、痛みの原因になる刺激が加わると、皮膚や筋肉にある侵害受容器から電気信号が発生します。
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電気信号は、末梢神経や脊髄を通って、脳に到達します。
↓
脳は、電気信号を痛みの信号として認識します。
↓
この時同時に、交感神経も刺激され、交感神経が興奮します。
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交感神経が興奮すると、筋痙攣や血管の収縮が起こります。
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その結果、痛みを感じている領域に酸素欠乏や炎症が起こります。
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その結果、細胞でブラジキニンやカリウムなどの発痛物質が生成され、分泌されます。
↓
発痛物質を侵害受容器が感知して、電気信号が発生します。
↓
2.に戻り、同じことが繰り返される。
これが痛みの悪循環です。
痛みの悪循環に陥ってしまうと、原因となった怪我や損傷が治っても痛みが残ってしまいます。
痛みの悪循環に陥らないためには、痛みは我慢せず、あらゆる手段を使って早く痛みを消すことです。
痛みの悪循環に陥ってしまった場合は、トリガーポイント注射や内服薬などで、痛みの悪循環を止めます。
2012.12.11 カテゴリー|湿潤療法
6か月の男の子の赤ちゃん
アイロンをつかんでしまって、受傷しました。某病院救急外来を受診して、「手術が必要だろう」と言われ、某総合病院の形成外科を紹介されました。そこで、1週間、ガーゼと軟膏(ゲーベン軟膏?)による治療を受けました。担当医から、「2週間たたないとわからないけど、(植皮)手術が必要だろう」と言われ、不安になり当院に逃げてきました。
上の写真が、初診時の左手のひらです。母指球から母指にかけて水疱ができていて、水泡膜は除去されておらず、その下に膿苔がびっしりついていました。中指の基部にあるヤケドは水疱膜はなくなていましたが、やはり膿苔がはりついていました。
水泡膜を除去して、膿苔をそっとふきとり、プラスモイストで覆いました。
下が、1週間後の写真です。
やけどの表面がきれいになって、面積もかなり小さくなっています。
しかし、この時点では治癒していません。形成外科の教科書には、「2週間治療して治らなかったら植皮手術が必要」と書かれているので、教科書に書いてあることを、頭から信じている形成外科医かかっていたら、この時点で植皮手術をされてしまいます。
こんなきれいに治ってきている、皮膚に切開を入れて、手術をするなんて残酷なこと、僕にはできません。というか、する必要がありません。
2週間後の写真です。
きれいに皮膚が出来ました。
手術なんかしなくても治りました。
今後は、屈曲拘縮を予防するために、ワセリンを塗布して皮膚を柔らかくしてもらって、ストレッチをしてもらいます。
ヤケドは植皮手術をしなくても治ります。植皮手術を勧められたら、逃げてください。
ヤケドを消毒と軟膏とガーゼで治療している医者は、2週間たっても治らないと、必ず植皮手術を勧めてきます。
ヤケドを消毒と軟膏で治療されたら、その時点で逃げてください。