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プロテインを飲むと創が早く治るんじゃないかな?

2014.1.20 カテゴリー|湿潤療法

40代女性

11月初めに右臀部を電気あんかで低温やけどをしました。自分でマキロンと市販の抗生剤軟膏で治療していましたが、だんだん悪化してきたため、近所の皮膚科を受診しました。そこで、これは手術をしないと治らないと言われ、某総合病院に紹介されましたが、手術が嫌なので当院を受診しました。

 

右臀部にかなり深い熱傷を認め、創内は悪臭を伴う膿と壊死組織で充満していました。壊死組織を優しく除去して、膿を拭い去った後の画像です。

9845a.jpg穴あきポリ袋とペットシートを使用した湿潤療法と抗生剤の内服を開始しました。4日後には悪臭と膿は無くなったので、抗生剤は中止しました。創がとても深いため、治るまでに3~6か月かかるだろうと説明したところ、何か早く治す方法はないかと聞かれたので、「アスリートなどで日ごろからプロテインを飲んでいる人は創が早く治る傾向があります。試しにプロテインを飲んでみてください。」と答えました。患者さんはその日からプロテインを飲み始めました。

1週間後の画像です。壊死組織はきれいになくなり、新しい肉が出来ています。

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1か月後の画像です。創が小さくなってきています。

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2か月後の画像です。新しい皮膚が出来て治癒しました。

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最初の予想よりかなり早く治癒しました。もともと2か月で治る熱傷だったのかもしれませんが、私はプロテインが効いたのだと思います。

 

 

関連ブログ

プロテインは創傷治療を促進させるか?

https://nishibori-seikei.com/blog/2012/08/post-61.html

 

 

 

高齢者の慢性湿疹が3日で治った

2014.1.20 カテゴリー|湿潤療法

87歳の男性

4ヶ月くらい前から両足首周辺に皮膚炎が出来ました。近所の皮膚科を受診しまして、軟膏を処方されましたが、ちょっとも良くならなかったためすぐに通院を止めてしまいました。しばらく様子をみていましたが、徐々に悪化してきたため当院を受診しました。

受診時の画像です。左足首の前がひどくただれています。右足首周囲にも湿疹があります。

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慢性の湿疹と、掻き崩したことによる創と診断し、1日1回マイザー軟膏を塗ってもらって、その上からプラスモイストを巻きつけて、さらにその上に靴下を寝ているときもはいてもらうことにしました。

3日後の写真です。びっくりするほど良くなりました。

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ケロイドと肥厚性瘢痕は違うがんね

2014.1.15 カテゴリー|湿潤療法

8か月の赤ちゃん

12月に加湿器のお湯でヤケドしました。近所の皮膚科で消毒と軟膏とガーゼによる治療を受けましたが、「ケロイドになりやすい場所だ」と言われて心配になり、受傷3日後に当院を受診しました。

初診時の写真です。

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膝の内側に2度の熱傷を認めました。そこで私は次のように説明しました。

「膝にケロイドは出来ません。ケロイドとは傷跡に出来る治療困難な増殖性の病変のことを言います。ケロイドができやすいのは下腹部と前胸部と肩の周辺と耳たぶなどです。膝に出来ることはめったにありません。膝に出来るとしたら肥厚性瘢痕です。肥厚性瘢痕はケロイドとは違い治療可能です。しかし、湿潤療法をすればほとんどの場合、良く見ないとわからないくらいの傷になると思います。」

この説明に両親はとても安心してくれました。

モイスキンパッドやプラスモイストで治療して2週間でヤケドはきれいに治りました。

「権威」「保守的」が普及妨げ 湿潤治療記事に反響

2014.1.15 カテゴリー|湿潤療法

先月このブログで紹介した湿潤療法に関する東京中日新聞の記事の続編が掲載されたので紹介します。

 

先月の記事 「軟膏・ガーゼ」での治療 湿潤療法との比較を

https://nishibori-seikei.com/blog/2013/12/post-347.html

今回の記事 「権威」「保守的」が普及の妨げ 湿潤治療記事に反響

http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2014011402000006.html

 

実は、私も担当の林記者から意見を求められたのですが、なにを書いても夏井先生の受け売りみたいになっちゃうので、書けませんでした。自分のブログで適当なことを書くのはわりと得意なんだけど、権威ある学会に対して学術的に正論を述べるのは苦手なんですよね。

 

「軟膏・ガーゼ」での治療より、湿潤療法のほうがすぐれているのは、誰の目にも明らかです。でも、多くの医師がいまだに従来の消毒と軟膏とガーゼの治療を続けています。それはたぶん、今までの常識を捨てて、新しい方法を学び実践することが面倒くさいからじゃないかなと思います。自分の頭で考えず、学会が推奨する従来の治療をただ機械的に実施しているほうが、ずっと楽ですからね。

 

湿潤療法や、糖質制限、トリガーポイント注射、ビオチン療法、こうのメソッドなどの画期的な新しい治療法が、いまいち普及しない背景には、新しい治療を学び取り入れることを面倒くさいと思うような人材が医師の中にも意外とたくさんいるということがあるのではないでしょうか。

 

皮膚移植が必要と言われた下腿挫創

2014.1.06 カテゴリー|湿潤療法

60代女性

昨年9月に階段から滑り落ちて、左下腿に大きな傷を負いました。

近くの総合病院で皮膚縫合を受けましたが、その後創が化膿し、創が開き、皮膚が壊死してしまいました。

担当医から「皮膚移植が必要だ」と言われて、ネットで調べて当院に逃げてきました。

「時間はかかりますが皮膚移植しなくても治ります。」と説明したあと、穴あきポリ袋を使った湿潤療法のやり方について説明し、2週間に1回程度通院してもらいました。

初診時

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4週間後

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12週間後

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皮膚移植術をしなくてもちゃんと治りました。

この患者さんの場合、皮膚移植術をうけたらおそらく手術代だけで28万2100円かかります。自己負担は8万4630円。その他に入院費用や薬代などもかかります。

当院には合計7回通院しました。湿潤療法にかかった自己負担はトータルで4000円以下です。

もちろんこの患者さんは、手術が不安だから当院に逃げてきたのであって、お金がかかることを心配して、逃げてきたわけではありません。

しかし、湿潤療法が普及することで医療費が削減できることは間違いありません。

 

関連ブログ

医療費38.5兆円 1人あたり30万円突破 11年度

https://nishibori-seikei.com/blog/2013/11/post-339.html

 

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