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天気が悪くなると痛くなる理由もトリガーポイント

2020.5.19 カテゴリー|トリガーポイント注射

「天気が悪くなると痛くなる。」と訴える患者さんがたくさんいます。

私も、天気が悪くなる前などに、肩こりがひどくなったり、頭痛が出たりすることがあります。

天気が悪くなると痛みがひどくなる理由は今のところ科学的には解明されていません。

しかし、私はこのような訴えをする患者さんに、以下のように説明しています。

「気圧や気温が急に下がると、筋肉にあるトリガーポイントの血の巡りが悪くなって筋肉が緊張するから痛くなるのです。」

実際にトリガーポイント注射をして筋肉の緊張をほぐしてやると、症状が改善します。

だから、私の説明は間違っていないと思っています。

もっと早くサインバルタを使うんだった。

2020.4.14 カテゴリー|トリガーポイント注射

 60代の女性

 12月頃から両膝に痛みが出現しました。

 2月に当院を受診しました。

 レントゲン上、初期から中期の変形性膝関節症でした。

 右膝には水も貯まっていたので、セレコックスを処方して水を抜いてケナコルトを関節内注射しました。

 でも痛みはあまり取れませんでした。

 その後も、ヒアルロン酸注射やトリガーポイント注射などを行いましたが、どれも効果が今ひとつでした。

 1ヶ月治療して、これは慢性痛になっていると説明して、「サインバルタ」を処方したら、すぐに痛みが改善しました。

 

 こんなことならもっと早くサインバルタを使うんだった。とちょっと後悔しました。

 この患者さんは12月から2ヶ月間も痛みを我慢していたせいで慢性痛になってしまっていたのです。

 

 痛みを我慢していると、痛みに対して敏感になり、痛みが悪化する慢性痛という状態になってしまいます。

 小難しい説明ははしょりますが、サインバルタには痛みに敏感になっている神経の働きを正常に戻す作用があります。

 

 私はサインバルタを処方するときに以下のように説明しています。

 「○○さんの痛みは、慢性痛になってしまっているので、普通の痛み止めがあまり効かないのようです。慢性痛に効く薬を出します。副作用で吐き気が出る人がいるので吐き気止めの薬も出します。吐き気や眠気が出ても3日くらいで落ち着きますから、軽い副作用なら我慢して飲んでください。副作用が落ち着いたら薬を徐々に増やしていきます。最大量まで増やした人はほとんどみんな良くなりますから、がんばって飲みましょう。」

ぎっくり腰を脊椎麻酔で治療した貴重な症例

2020.4.09 カテゴリー|トリガーポイント注射

 私のゴルフ仲間で産婦人科の大ベテラン先生から若い頃にぎっくり腰になったときの話を聞きました。

 ぎっくり腰になり動けなくなったので、同僚医師に頼んで脊椎麻酔をかけてもらったら、すぐに良くなったとそうです。

 脊椎麻酔とは背骨の中を通っている脊髄(せきずい)という太い神経の入っている袋(脊髄腔)に針を入れ、その中に局所麻酔薬を入れることによって下半身(下腹部、下肢、足)の痛みを取る麻酔法です。脊髄くも膜下麻酔によって下半身(概ね臍から下)は感覚がなくなり、足を動かすこともできなくなります。患者さんの全身状態によっては血圧や呼吸に大きな影響をあたえることがあるので、全身管理が出来る環境(手術室など)で行います。

 脊椎麻酔は手術のための麻酔なので、ぎっくり腰の治療に施行することは健康保険上、認められていません。なので整形外科医にはぎっくり腰を脊椎麻酔で治療するという発想自体ありません。もしかしたら、ぎっくり腰に脊椎麻酔をかけた世界で唯一の貴重な症例なのではないかと興味深く話を聞きました。

 ぎっくり腰の原因は、腰やお尻にある筋肉の急激な痙攣です。脊椎麻酔をかければ腰から下の神経がすべて麻痺します。筋肉も完全に麻痺して弛緩するため激痛の原因である筋肉の痙攣は止まります。これがぎっくり腰に脊椎麻酔が効いたメカニズムだと思います。

 トリガーポイント注射のパイオニアである加茂淳先生は「椎間板ヘルニアの手術で一時的に痛みがよくなるのは、(手術によるプラセボ効果と)全身麻酔の時に使う筋弛緩剤で筋肉の痙攣がなくなり、トリガーポイントが一時的に改善するからだろう。」と言っています。

 今回の症例の結果から、加茂先生の仮説が裏付けられたと思います。

 

 ぎっくり腰の激痛の原因は筋肉の痙攣です。なので筋肉の痙攣を止めれば痛みは止まります。

 でも脊椎麻酔は健康保険上行うことは出来ません。自由診療でやるとしてもリスクが高すぎて外来で行うことは出来ません。

 その代わりに、トリガーポイント注射を打ちます。トリガーポイント注射で痙攣している筋肉に直接麻酔をかけることで激痛を和らげることが出来ます。

肩から手のしびれには棘下筋へのトリガーポイント注射が効くよ

2020.2.14 カテゴリー|トリガーポイント入門

 50代の男性

 1年くらい前に肩から腕の痛みとしびれが出現しました。

 あちこちで検査を受けましたが、特に異常は見つかりませんでした。

 ペインクリニックを紹介され、定期的に星状神経節ブロックを受けていました。

 ブロック後は一時的に症状が改善しますが、なかなか良くならないため、先月に当院を受診しました。

 

 棘下筋にトリガーポイント注射をしたら、すぐに痛みもしびれも消えたそうです。

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 1ヶ月後に痛みが少し再発したため、もう一度トリガーポイント注射をしました。

 その際に「なんでここに注射するとしびれと痛みが消えるの?」と聞かれました。

 正直に「わかんないんだ。わかんないけど良くなるんだ。ツボみたいなものだと思ってちょうだい。」と答えました。

 

 棘下筋にトリガーポイントがあると肩から手の痛みやしびれがでます。

 小殿筋にトリガーポイントがあると太ももから脛の外側に痛みやしびれが出ます。

 このようなトリガーポイントとは別のところにでる痛みやしびれを関連痛といいます。

 どうして関連痛が出るかは、今のところわかっていません。

 わかってないけど、トリガーポイント注射をすると良くなるのです。

 

 ペインクリニックで行っていた星状神経節ブロックは、首の付け根の奥の方にある星状神経節という交換神経の塊に局所麻酔薬で麻酔をかける治療法です。

 交感神経に麻酔をかけるので、副交感神経が優位になり血管が広がり一時的に血の巡りが良くなります。

 私もやって出来ないことはありませんが、反回神経麻痺や腕神経叢麻痺、気胸や血管損傷などのリスクがあるので、あまりやりたくないです。

 

 その点、トリガーポイント注射は上記のようなリスクがほとんど無いので、安心して出来ます。

 特に、棘下筋のトリガーポイント注射は、肩甲骨の上を指でぐりぐりして、圧痛があるしこりを見つけて、そこに針を刺すだけなので簡単です。

 深く刺しすぎても肩甲骨に当たるだけから、気胸になるリスクもないので安心です。

 

 星状神経節ブロックする前に棘下筋へのトリガーポイント注射を試した方がいいと思うけどね。

 みんな知らないんだよね。

 医大や学会で教えてくれないからね。

薬が効かなかったら手術と言われたけど注射一発で良くなりました

2020.1.20 カテゴリー|トリガーポイント注射

 60代の男性

 12月初めに左殿部(おしり)痛が出現しました。

 T整形外科で注射をしてもらって一度良くなりましたが、12月中旬に症状が悪化したためK整形外科を受診しました。

 そこで、坐骨神経痛と診断されリリカとセレコックスが処方され、電気治療を受けましたが症状が改善しないため、1月中旬にS総合病院の整形外科に紹介されました。

 MRIをして、腰部脊柱管狭窄症と診断され、オパルモンとセレコックスが処方され「この薬で良くならなかったら手術をしましょう。」と説明されました。

 その説明にビックリして、調剤薬局の薬剤師に相談したら、当院を受診した方がいいと勧められ、翌日に当院を受診しました。

 

 小殿筋に強い圧痛としこりを認めたのでトリガーポイント注射を打ちました。

 注射した直後に痛みが取れたので、よろこんで薬剤師にお礼を言いにいったそうです。

 

 しかし、オパルモンなんて世界一効かない薬を処方しといて、「この薬が効かなかったら手術」ってひどくね。

 知識や技術が無くてトリガーポイント注射が出来ないとしても、硬膜外ブロックや神経根ブロックは出来るでしょ。

 オパルモンやリリカじゃなくて、トラムセットとかサインバルタとかもっと効く薬があるでしょう。

 そういう治療(保存的治療)を全部やってもよくならなかったら手術をするんじゃないの。

 治療の引き出しが少なすぎるだろ。まさか金儲けのために手術を勧めたんじゃないべな。

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