2021.3.15 カテゴリー|トリガーポイント注射
11歳の男の子
3歳の頃から左膝に痛みがあり、7歳くらいから痛みがひどくなりました。某大学病院でいろいろ検査を受けましたが原因がわからず、ナイキサン内服で経過を診られていました。
先月、車で1時間かけて当院を受診しました。
内側広筋にトリガーポイントを認めたので、「ここに注射すれば痛みが取れるかもしれないよ。どうする?」と本人に聞きました。
一緒に来たお母さんは「是非打ってください。」と希望しましたが、「無理矢理注射しても効かないから、本人の意思が大事です。」と話して、本人の返事を待ちました。
しばらく躊躇していましたが、「注射して欲しい。」と希望したので、ネオビタカインでトリガーポイント注射を打ちました。
1週間後、再診しました。
「痛みがだいぶ取れて、階段も上がれるようになったので、もう一度注射して欲しい。」ということでしたので、喜んでもう一度トリガーポイント注射をしてあげました。
ここからは私の推測です。
3歳頃の痛みはいわゆる成長痛だったのだと思います。
ところが、病院に行っても医者は画像診断ばかりして患部に触れないため成長痛と診断できず、原因不明と診断されました。
原因不明の痛みに本人も家族も不安になります。不安が痛みを増幅し慢性痛になってしまったのでしょう。
まあ、大学病院で成長痛を診る機会はないからね。仕方ないけどね。
成長痛 https://nishibori-seikei.com/blog/2012/10/post-98.html
2021.2.25 カテゴリー|トリガーポイント注射
骨折や感染や癌の転移などがなければ、腰痛の原因は腰の周りの筋肉の緊張です。
筋肉の緊張の原因は、精神的なストレス、疲労、運動不足、タバコ、肥満などです。
精神的ストレスが高まると心が緊張します。心が緊張すると筋肉も緊張します。
精神的ストレスをなくすことは難しいですね。社会生活を送っていれば多かれ少なかれ精神的ストレスが溜まります。
ストレス解消のためには、ストレスのない楽しいことをすることです。
私の場合、ゴルフが最強のストレス解消法です。
腰痛があるときに「癌じゃないかとか、ヘルニアじゃないかとか」余計な心配をして精神的ストレスを増やしてはいけません。
逆に「この腰痛は、精神的ストレスのせいだ。上司のせいだ。取引先のせいだ。あいつのせいだ。」と考えれば、精神的ストレスが減って腰痛が少し改善します。
筋肉に疲労物質が溜まると筋肉の血流が悪くなり筋肉が緊張します。
疲労解消には寝るしかありません。1日8時間以上寝ること、それだけです。
運動不足で筋肉量が減るとその分だけ筋肉に負担がかかるようになり筋肉が緊張しやすくなります。
運動不足解消には運動をするしかありません。腕立て伏せ10回とスクワット10回を1日交代でやる。これだけでもかなり運動不足を解消できます。継続できればの話ですが・・・
タバコは筋肉の血流を悪くします。
タバコは体に悪いです。すぐに止めましょう。タバコを吸ってもストレス解消にはなりません。ニコチン切れのイライラが解消される感覚を、ストレスが解消されたように錯覚しているだけです。
肥満は脂肪という余計な荷物を常に運んでいるようなものです。筋肉に負担がかかり腰痛の原因になります。
とはいえ、痩せるのは簡単じゃないですよね。なるべく炭水化物をとらない(糖質制限)が一番良い方法ですが、続けるのはなかなか大変です。せめてこれ以上太らないように、ちょっとだけ食事に気を使いましょう。
トリガーポイント注射はストレスがあっても疲れていても運動不足でもタバコを吸っていても太っていても効きますから、腰痛で困っているときは受診してくださいね。
2021.1.22 カテゴリー|トリガーポイント注射
当院のGoogleレビューの評価は平均2.5と非常に低いです。
低評価は私の態度に対するものです。これは仕方ないです。私は相手の態度が悪いときは、それに合わせた態度をとりますので、お客様(患者様)は神様だと勘違いしている人にとってはおもしろくないのでしょう。まあ、そんな人はこっちから願い下げなので、全然かまいません。
でもね、嘘を書かれるとさすがにちょっと頭にきますよね。
この患者さんのことはよく覚えています。自分の都合がいいように嘘を書いているので頭にきます。
まず。治療には1回か来ていません。そのときトリガーポイント注射をして、半年後に再診してきて「半年経っても痛みが取れないからMRIをとれる病院に紹介してくれ。」と言われたのです。
「治らないのは治療もしないで半年もほっといたからでしょう。普通は何度も治療してそれでも良くならなければ、他の治療をいろいろ試して、それでも良くならなければ他の病気を疑ってMRIを撮るんだよ。MRIが必要かどうかは医者が決めること。1回しか治療してないでいきなりMRI撮ってたら、医療費がいくらあっても足りなくなる。医療費の無駄!」的なことを説明しました。
「馬鹿が勉強してないでテスト受けるのと同じ、治療費の無駄!」なんて意味不明なことは言ってないと思います。
話をしてもいまいち通じなかったので、仕方なく県立中央病院の整形外科に「MRIによる精査を希望しています。」と書いて紹介状を出しました。
県立中央病院ではたまたま私が一番信頼する林宏先生が診てくれて、すぐ状況を理解してくれたようで、MRIは撮らずエコーを使ったトリガーポイント注射をしてくれました。
林先生と私がやった治療は同じです。違いは林先生は総合病院の部長で、私は町医者、林先生はエコーを使って、私は触診で注射をしたことです。総合病院とエコーのプラセボ効果で良くなったのでしょう。
それより、あれほど撮ってほしがっていたMRIはどうしたのよ。総合病院でもMRIを撮ってもらえなかったって文句を言えよ。
こっちは名前も住所も電話番号も職場も知っているんだよ。ネットだと思って適当な嘘を書いていると名誉毀損で訴えちゃうよ。
2020.11.13 カテゴリー|トリガーポイント注射
当院はトリガーポイント注射にネオビタカイン注シリンジ5mLを使用しています。
その使用量が、今年度の上半期で全国8位でした。
これは、大学病院などのでっかい病院も含めての順位なので、田舎の開業医としてはなかなかすごいことだと思います。
それだけたくさんトリガーポイント注射をしているということです。
ゴルフだってなんだって、時々やる人よりたくさんやっている人の方が上手ですよね。
そんなわけでトリガーポイント注射には自信があります。
2020.10.20 カテゴリー|トリガーポイント注射
40代の男性
1週間前に腰痛が出現しました。近くの整形外科でレントゲンを撮り骨には異常なしと言われてセレコックスを処方されました。痛みが取れないため1週間後、同院を再診しました。その際にサインバルタとボルタレン座薬を処方されました。トリガーポイント注射について院長に質問したら、「適応はない」と言われたそうです。
ネットで調べて当院を受診しました。腰と臀部にトリガーポイントを見つけたのでトリガーポイント注射を打ちました。そして、「サインバルタは急性痛には全然効かないから飲むのを止めてください。痛い時は我慢しないで座薬を使ってください。」とアドバイスしました。
慢性痛とは、痛みをずっと我慢していたせいで痛みの閾値(しきいち)が下がってしまい、たいしたことない痛みも激痛に感じるようになってしまっている状態です。サインバルタには下がってしまった閾値を元に戻す作用があります。なので慢性痛にサインバルタを処方すると劇的に効くことがしばしばあります。逆に言えば、慢性痛になっていない急性の痛みには全く効かないので有害無益な薬です。
最近、精神科医がツイッターでサインバルタの安易な使用に注意を促すツイートをしました。サインバルタは元々は抗うつ薬なので整形外科医が処方したサインバルタにより双極性障害(昔の躁うつ病)の患者さんの症状が悪化することがけっこうあるそうです。
私は精神科に通院中の患者さんにはサインバルタは出しませんし、また精神科に通院していない患者さんでも何度も診察して精神疾患の可能性がないと判断した場合にのみしかサインバルタを処方していません。
痛みが長く続くと、痛みのせいでうつ状態になることがあります。「こんなに痛いなら死んだ方がましだ。」とか「死にたいと思うことがある。」などと訴えてくるうつ状態の明らかな患者さんには、安易にサインバルタを処方せずに、精神科(心療内科)に紹介しています。ほとんどの場合、精神科で「うつ状態、疼痛性障害」と診断され、精神科の治療が開始され、紹介以降当院に通院することはありません。
サインバルタが効くのは精神疾患のない慢性痛の患者さんだけです。急性期の2回くらいしか診察してない患者さんに処方していい薬じゃありません。整形外科医なのに慢性痛と急性痛の区別もつかないのかねぇ。もうちょっと勉強した方がいいと思うよ。急性腰痛にサインバルタを出しちゃダメでしょ。