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トリガーポイント注射をした後の反応はいろいろ

2019.4.08 カテゴリー|トリガーポイント注射

 トリガーポイント注射をした後の反応はいろいろです。

 ①注射したとたんに痛みが消えてしまうパターン

 ②注射した直後は痛みが楽になったけど、その後数時間つっぱるような痛みが出現して、翌日くらいに痛みが消えるパターン

 ③注射した直後はほとんど変わらないけど、2日後くらいに楽になるパターン

 ④一度楽になっても、数日後にまた痛みが戻ってしまうパターン

 ⑤全然効かないパターン

 

 同じ薬を同じように注射しているのにどうして反応がいろいろなのかはわかっていません。

 私自身にトリガーポイント注射をした場合、腰は①のパターン、肩こりやふくらはぎは②のパターンになることが多いです。

 ①~③のパターンの場合はトリガーポイント注射を続けていけばだんだん良くなっていきます。

 ④のパターンの場合は週に3回くらい通院してもらって、痛みが戻る前にトリガーポイント注射を打ち続ければだんだん良くなっていきます。

 ⑤のパターンは滅多にありませんが、痛みがこじれて慢性痛になっている場合はサインバルタが有効です。診断が間違っている可能性がある場合は、大きな病院で再検査を受けてもらいます。精神的な問題(身体症状症)の場合は心療内科での治療が必要です。

 

 トリガーポイント注射をした後の反応はいろいろなので、すぐに良くならなくてもあきらめないで通院を続けてください。

 

寒いときや疲れたときに痛くなるのは筋肉だよね

2019.3.15 カテゴリー|トリガーポイント注射

 40代の男性

 2年前から、寒いときや疲れたときに左大腿後面に痛みが出るようになりました。

 某病院の整形外科を受診して椎間板ヘルニアと診断され、神経根ブロックを受けトラムセットとリリカが処方されましたが全然良くなりませんでした。

 1ヶ月くらい前に当院を受診しました。

 太ももの後ろの筋肉(ハムストリング筋)にトリガーポイントを認めたのでトリガーポイント注射をしたら1回で良くなりました。

 

 普通に考えて、寒いときや疲れたときは痛くなるのは筋肉だよね。

 寒かったり疲れたりすると筋肉の血の巡りが悪くなって筋肉がこるから痛くなるんだよね。

 寒かったり疲れたりしたら椎間板ヘルニアが出っ張ったりするのげ、そんなわけないでしょ。

 

 下肢痛=椎間板ヘルニアor腰部脊柱管狭窄症 

 って思考停止していて患者さんの症状をよく聞かないから、こんなごじゃっぺな診断しちゃうんだよ。

 

トリガーポイント注射は筋肉のこりをほぐす注射です。

2019.3.07 カテゴリー|トリガーポイント注射

 最近は、初めてトリガーポイント注射を受ける人にはこのように説明しています。

 トリガーポイントを押しながら、「痛みの原因はここの筋肉のこりです。この筋肉がこっているところに筋肉のこりをほぐす注射をすれば良くなりますよ。」

 この説明でだいたいみんな納得してくれます。

 「痛み止めの注射です。」なんて言うと「痛み止めの注射は一時的にしか効かないんじゃないか?」とか聞かれて、「一時的に痛みをとめることで痛みの悪循環が止まって、どうのこうと・・・・」と難しい説明をしなければいけなくなります。

 説明はなるべくシンプルなほうが伝わります。

 なので、サインバルタを処方するときも、「長く続く痛みのために、脊髄の下行抑制系という痛みを制御する機能の働きが悪くなっているので、その働きを改善する薬を出します。」なんて説明しても伝わらないので、「痛みがずっと続いていて慢性痛になっているから慢性痛によく効く薬を出しますね。」とシンプルに説明した方が伝わります。

 

民放の健康番組は嘘ばかり

2019.2.26 カテゴリー|医療に関する迷信

 民放の健康番組は嘘ばっかりなのでほとんど見ませんが、昨日リビングのソファーでスマホをいじりながら、何となくテレビをかけていたら、これまた嘘ばかりの健康番組をやっていてました。

「名医のTHE太鼓判」https://www.tbs.co.jp/the-taikoban/archive/

 番組に出ていた客員教授という先生が、「足の冷えはおしりのコリからきている」といっていました。

 「おしりにある梨状筋が凝るとその隣にある坐骨神経が圧迫されて下肢の血流が悪くなり足が冷える」というのです。

 つっこみ① 筋肉が凝ったくらいで神経が圧迫されることはないよ!筋肉がどんなに凝っても骨や靱帯みたいに固くなることはないから神経を圧迫することはありえません。本当に神経が圧迫されているなら、手根管症候群のように知覚障害や運動麻痺がおこるはずです。

 つっこみ② 坐骨神経が圧迫されると下肢の血流が悪くなるという生理現象は存在しません。神経には2種類あります。脳の命令を筋肉に伝えたり痛みなどの情報を脳に伝える体性神経と、内臓や血管の働きを自動調節している自律神経です。坐骨神経は体性神経です。自律神経じゃないのでいくら圧迫されても足の血流障害をおこすことはありません。

 番組でも、坐骨神経が圧迫されると下肢の血流が悪くなる理由については全く説明してませんでした。

 

 それで、足の冷えを治すための治療として梨状筋をソフトボールでマッサージすることを勧めていました。

 「あれれれ、それってトリガーポイントマッサージじゃないの?」

 梨状筋じゃなくて小殿筋にトリガーポイントが出来ると下肢がしびれます。(なせそうなるかはわかっていません。)おしりをマッサージしたら小殿筋のトリガーポイントが良くなって、足のしびれが改善して冷えが良くなったように感じるのでしょう。

 

 それにしても「足の冷えはおしりのコリからきている」は言い過ぎだよね。

 足の冷えは、タバコによる動脈硬化や、糖尿病による末梢循環障害、運動不足による筋力低下、自律神経失調などいろんな理由でおこるのに、全部おしりのコリのせいにしちゃダメでしょ。

 「足に冷えはおしりのコリが原因の場合があるかもしれない」くらいが医学的に正確な表現でしょう。

 

 民放の健康番組は全部こんな感じです。嘘ばかりで馬鹿らしくて見てられません。

やんないほうがいい手術、やったほうがいい手術

2019.2.13 カテゴリー|その他の治療について

 整形外科の手術にはいろいろあります。

 やんないほうがいい手術もやったほうがいい手術もあります。

 

 腰痛の手術は基本的にやらないほうがいいです。(骨折や腫瘍や感染は除きます。)

 一般的に腰痛の原因は骨の変形や椎間板ヘルニアが神経を圧迫しているから痛いと説明されていますが、その考えが間違っているからです。

 だから、腰の手術を受けた直後はプラセボ効果でしばらく痛みが取れてもまたしばらくいすると痛くなってしまう人がたくさんいるのです。

 中には手術をした後で余計に痛くなってしまった人もけっこういますね。

 腰痛の原因は腰の周りの筋肉の痛みなので手術などしないでトリガーポイント注射やサインバルタの内服などで根気よく治療した方が結果的には良くなります。

 

 やったほうがいい手術は、変形性膝関節症や変形性股関節症に対する人工膝関節置換術や人工股関節置換術です。

 一般的に変形性膝関節症や変形性股関節症は、軟骨が減って変形した骨がぶつかるから痛いと説明されていますがその考えは間違いです。

 膝や股関節の痛みも関節周囲の筋肉の痛みが原因です。

 しかし、腰と違って、変形した関節を手術でもとの形にもどすことで筋肉にかかる負荷が減って、筋肉の痛みが取れるのです。

 人工関節手術の成功率は十年前よりはるかに良くなっています。

 それは医師の技術が進歩したからではなく科学技術が進歩したからです。

 人工関節置換術は、変形した骨を切除して機械の関節を入れる手術です。

 昔は、骨を切除する範囲も、人工関節を設置する場所も医師の経験とカンで行っていましたから、医師の腕の違いで手術成績にばらつきがありました。

 しかし今は、科学技術の進歩でナビゲーションシステムが導入され、ある程度の経験がある医師なら正しい位置に人工関節を設置することが可能になりました。

 また、人工関節そのものの素材や形状も進化したため、昔は10年で壊れるいわれた人工関節が30年以上もつようになりました。

 電話が黒電話からスマートフォンに著しく進化したように、人工関節も著しく進化しているのです。

 30年もつのだから、70歳で手術しても100歳までもちます。

 80歳以上になって体力が低下してからではリハビリが大変なので、まだ体力がある70代くらいが手術のベストタイミングです。

 「人工関節手術をいつやるの?今でしょ!」です。

 

 もちろん私はもう手術をしてませんので、人工関節をしたほうがよい患者さんは、茨城県立中央病院の林宏先生など信用できる先生に紹介しています。

 

 

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