2020.4.28 カテゴリー|その他の治療について
60代の女性
転んで左肩を打って痛みが出て、近くのK整形外科を受診しました。
レントゲンを撮って異常なしで打撲と言われ、湿布と痛み止めをもらいましたが、痛みが取れませんでした。
その後は通院をせず、2ヶ月間痛みに耐えて様子をみていましたが、痛みが取れないため当院を受診しました。
診察の結果、五十肩だったので、SABブロック注射を行いました。
でもね、当院にくる前にもう3回くらいはK整形外科に行くべきでした。
1回の診察で完璧に診断して、1回の治療で完全に良くする。なんてことは不可能です。
診断とは、何度も診察して、いろんな治療を試してみて、その結果を踏まえてだんだんと決まっていくものです。
K整形外科の先生だって、痛み止めが効かなければ、別の病気の可能性を考えて検査をしたり、治療法を変えたりしたはずです。
そうすれば2ヶ月も痛みに耐える必要は無かったのです。
1回の診察で完璧に診断して、1回の治療で完全に良くするなんて無理です。
なので私は診察の後で「良くならなかったら、またすぐに来てください。」と声をかけています。
1回かかって良くならないと、すぐまた別の医者にかかってしまう患者さんがいますが、そういう行為をドクターショッピングと言って、一番ダメな医者のかかり方です。
1回目の治療で良くならなくても3回くらいは同じ医者に通いましょう。
2020.2.18 カテゴリー|その他の治療について
70代後半の男性
2日前の朝から右手が動かなくなったと当院を受診しました。
右手首と指が伸ばせなくなっていて、右手の甲に知覚障害がありました。
典型的な橈骨神経麻痺でした。
朝起きたときに動かなくなったので、寝ている間に二の腕のところで橈骨神経が圧迫されていたと思われます。
「お酒をたくさん飲んで酔っ払って、変な格好で寝ちゃったんじゃないですか?」と聞いたら
「酒はビール1本しか飲んでないから酔っ払ってない。でも、そういえば、テレビで痛いところをソフトボールでマッサージするといいってやってたから、腕のところにソフトボールを当ててそのまま寝ちゃった。」と答えました。
「それが原因の麻痺だよ。神経が自然と回復するのを待つしか無いよ。テレビの健康番組なんて嘘ばかりだからあんまり見ない方がいいよ。」と説明しました。
痛いところをソフトボールでマッサージするって、もしかしてトリガーポイントマッサージのことだったのかな?
それ自体は間違ってないけど、テレビの健康番組では面白おかしくするために誰でも出来る簡単な方法でものすごい効果があるように演出しています。そのため、細かい注意点やコツについてはあえてちょこっとしか説明しません。
なので、「テレビの健康番組でやっている治療や運動をやって余計に痛くなった。」という患者さんがたくさん来ます。
テレビの健康番組は嘘ばかりというのはちょっと言い過ぎですが、しょせんバラエティー番組なのであんまり信用しない方がいいですよ。
2020.1.10 カテゴリー|その他の治療について
60代の女性、半年前に両手首に小さな湿疹が出来たため、自宅にあったオロナインH軟膏を塗っていました。
その後、湿疹はだんだん広がっていき、手の甲から肘の近くまで広がってしまったため、当院を受診しました。
「最初の湿疹の原因はわからないけど、今の状態はオロナインによる接触性皮膚炎だから、オロナインを塗るのを止めましょう。」と説明して、タリオン(かゆみ止めの飲み薬)とマイザー軟膏(ステロイド軟膏)を処方しました。
オロナインH軟膏は、消毒薬のクロルヘキシジンをクリームに溶かしてある外用薬です。
消毒薬とクリームという皮膚や皮下組織に有害な物質のダブルコンボです。
有害無益のクソ薬です。
オロナインを万能薬のように思っている人がたくさんいますが、オロナインの説明書には以下のように書かれています。
薬効分類 化膿性疾患用薬
効能・効果 にきび,吹出物,はたけ,火傷(かるいもの),ひび,しもやけ,あかぎれ,きず,水虫(じゅくじゅくしていないもの),たむし,いんきん,しらくも
次の部位には使用しないでください。(1)湿疹(ただれ,かぶれ)(2)化粧下(3)虫さされ
オロナインH軟膏は有害無益のクソ薬なので、使ってはいけません。
特に湿疹(ただれ、かぶれ)には使ってはいけません。
市販薬を使うときもちゃんと説明書を読みましょう。これ大事。
2019.11.11 カテゴリー|その他の治療について
60代の女性
半年前から左肩から腕にかけての痛みが出現しました。
近くの整形外科を受診して、首と肩のMRIを撮り、頚椎に軽いヘルニアがあると診断され、首の牽引と電気治療を受けていましたが、ちっとも良くならず、痛みで夜も眠れなくなりました。主治医にそのことを相談すると「頚椎の影響って言ったでしょ」と言われロキソニンが処方されただけで、何もしてもらえず、困ってしまってメールで相談後、車で2時間かけて当院を受診しました。
ちなみに、メールの相談に対する返事はこんな感じです。
2019.10.25 カテゴリー|その他の治療について
私が使用経験がある痛み止め内服薬に着いて、超個人的な評価をまとめたいと思います。
あくまで個人的な感想で、エビデンスとかありませんから、文句言われても返答しませんよ。
ロキソニン けっこう効く。頭痛にも効く。胃粘膜障害や腎機能障害、顔や手足の浮腫みなどの副作用あり。
セレコックス ロキソニンと同じくら効く。胃粘膜障害などの副作用は少ない。使いやすい
ハイペン ロキソニンよりは効き目が弱い。胃粘膜障害などの副作用は少ない。なぜか腰椎圧迫骨折の痛みにだけすごくよく効く
ボルタレン かなり切れ味良く効く。胃粘膜障害の副作用がめちゃめちゃ多い。なので、内服薬より座薬の方が安全。インフルエンザ脳症の原因になるので座薬を含めて小児には使用しません。
ロルカム 効き目はハイペンくらい。副作用はボルタレンくらい。今は使ってない。
モービック あまり効かない分、副作用も少ない。今は使ってない。
上記の薬はNSAIDという痛み止めの種類で、すべて高齢者に使用すると腎機能障害から腎不全になることがあるので要注意です。
カロナール けっこう効く。副作用はほとんどない。年齢や体重で用量を変えられるので、適正な量を処方すればちゃんと効く。副作用が少ないので子供や高齢者にも使いやすい。錠剤がでかいのが難点。
トラムセット かなり切れ味良く効く。吐き気や眠気などの副作用があるが、胃粘膜障害はほとんど出ない。麻薬系の弱オピオイドとカロナールの配合剤
トラマール・ワントラム トラムセットからカロナールを抜いたもの。トラムセットより切れ味が落ちる。最近あまり使ってない。
サインバルタ 慢性痛に対して劇的に効くときがある。吐き気などの副作用がひどくて飲めない人が4人に1人くらいいる。副作用を抑えるため低用量20mgから開始して徐々に増量する。副作用をなく最大用量の60mgまで増やせればほとんどの人が良くなる。
リリカ 帯状疱疹後神経痛にはすごく効くけど、その他の痛みにはあまり効かない。ふらつきなどの副作用あり。
タリージェ 効き目はリリカと同じ。副作用は少し少ない。
オパルモン 腰部脊柱管狭窄症に対してよく処方されるが、これでよくなった患者さんを見たことがない。
リボトリール 抗てんかん薬だけど、慢性痛によく効く。五十肩の夜間痛とか、朝起きたときの痛みに特に効く。