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2013.7.02 カテゴリー|トリガーポイント注射
オスグット病とは
脛骨結節(お皿の下の骨)が徐々に突出してきて、痛がります。時には、赤く腫れたり、熱を持ったりします。休んでいると痛みが無くなりますが、スポーツを始めると痛みが再発します。
発育期のスポーツ少年に起こりやすいのが特徴です。
http://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/osgood_schlatter.html
急性のオスグット病は、筋肉の牽引力により、脛骨結節の骨端線が損傷されることが原因です。
2週間ほど安静にすれば、痛みがとれます。
痛いのに我慢して運動を続けていると、痛みが慢性化します。
私は、慢性化したオスグット病は膝蓋腱の筋筋膜性疼痛症候群(MPS)だと思っています。
実際に、慢性化したオスグット病の子供の膝蓋腱の圧痛部にトリガーポイント注射をしてあげると、痛みが改善します。
スポーツを続けていると3か月後くらいにまた痛くなりますが、再度トリガーポイント注射をしてあげればまたよくなります。
注射などせずに、半年くらいスポーツを休んで完全に治したほうがいい、という考え方もあると思います。
しかし、中学校の部活は実質2年しかありません。
半年も休んだら、一緒に入った仲間から大きく遅れを取ってしまい、取り戻すことが出来なくなってしまいます。
オスグットの痛みはほとんどの場合、部活を引退したら治るのだから、それまでの間は注射をしながら、みんなと一緒に部活を楽しんだほうがいいと、私は思います。
関連ブログ
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)とは?
2013.7.02 カテゴリー|湿潤療法
50代女性
夕食の準備中に左人差し指にフライパンの油をかけてしまい受傷しました。
受傷直後から強い痛みが出現しました。
氷水につけていれば、痛みは落ち着きますが、氷水から出すと激痛がでました。
痛みがひどいので、笠間市立病院の夜間救急外来を受診しました。
その時の当番医がたまたま私でした。
受傷直後だったので、皮膚は赤くなっていただけで、腫脹や水疱はありませんでした。
でも、すごく痛がっていました。
「ヤケドが痛むのは、空気で皮膚が乾燥するからです」
と説明して、フィルム剤でヤケドの部位を覆ってあげました。
その直後から痛みは改善しました。
翌日、当院を受診しました。
「おかげさまで痛みがとれて、眠れました。」
と感謝されました。
その日の写真です。前日にはなかった水疱が形成されています。
水疱を除去して、ハイドロサイトで覆いました。
治療開始から11日後に皮膚が再生されました。
ヤケドの痛みは皮膚の乾燥が原因です。
だから、水につけていると痛みが落ち着くのです。
患部に食品用のラップを巻くだけで、皮膚の乾燥を防いで痛みを楽にできます。
ワセリンを塗ってからラップを巻くとより効果的です。
関連ブログ
軽いやけどの応急処置(最新版)
https://nishibori-seikei.com/blog/2013/03/post-208.html
2013.7.02 カテゴリー|湿潤療法
60代女性
料理中にお湯をこぼして、おなかに火傷をして、すぐに当院を受診しました。
腹部に10×6㎝くらいの水疱が形成されたⅡ度の熱傷を認めました。
水疱膜を除去して、プラスモイストを当て、自宅で交換してもらい、3日に1回程度通院してもらいました。
治療開始、5日目の写真です。ヤケドの中の毛穴から皮膚が再生されてきているのがわかります。
さらに3日後の写真です。毛穴から再生されてきた皮膚がつながって、皮膚がほぼ再生されました。
浸出液がほとんどなくなったので、被覆材料をプラスモイストからハイドロコロイドに変更しました。
さらに3日後の写真です。(治療開始11日後)きれいに治りました。
わずかに残っている黒ずみも、半年くらいで目立たなくなるでしょう。
湿潤療法なら、Ⅱ度の熱傷も、こんなに早くきれいに、痛みなく治ります。
かつて、消毒と軟膏とガーゼで治療していたころは、このような毛穴から皮膚が再生される状態を見たことがありませんでした。
なぜなら、消毒も、抗菌剤入り軟膏も、ガーゼによる乾燥も強い組織障害性があり、毛穴から再生された新しい皮膚を殺してしまうからです。
だから、治りが悪く、痛いのです。そして、2週間たっても治らなかったら植皮術をされ、醜い傷跡を残します。
2013.7.01 カテゴリー|トリガーポイント注射
30代男性
3か月前から、左臀部から左下腿にかけての痛みが出現しました。
某病院で、MRIを撮り、L4/5のヘルニアと診断され、ロキソニンとリリカを処方されましたが、痛みがとれませんでした。
手術を勧められ、不安になり当院を受診しました。
初診時、下図のように、小臀筋、中臀筋、腓腹筋にトリガーポイントを認めました。
1回目のトリガーポイント注射で、痛みは半減し、薬を飲まなくても済むようになりました。
2回目のトリガーポイント注射で、痛みはほとんど消えました。
痛みの原因はヘルニアじゃなくトリガーポイントだったのです。
ヘルニアはMRIにたまたま映っただけで、痛みとは無関係でした。
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筋筋膜性疼痛症候群(MPS)とは?
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2013.7.01 カテゴリー|湿潤療法
20代男性
2か月前に仕事中に機械の輻射熱で右人差し指のこぶしにやけどを負いました。
某皮膚科を受診し、消毒とガーゼとステロイド軟膏と抗生剤の内服による治療を受けましたが、だんだんとヤケドが深くなっていきました。
心配になり、1か月後に某総合病院の形成外科を受診しました。
そこで、湿潤療法を希望したら、担当医から
「軟膏の治療でも湿潤療法でも治る期間は同じだ。」
と説明され、湿潤療法をやってもらえませんでした。
仕方がないので、ネットで調べて当院を受診しました。
初診時、右人差し指のこぶしの部分の皮膚が欠損していて、指を伸ばす腱(伸筋腱)が露出していました。(白く見える部分が伸筋腱です。)
ただちに湿潤療法を開始しました。
自宅で、入浴後にプラスモイストを交換してもらい、週に1回通院してもらいました。
1週間後、すでに伸筋腱は新しくできた組織に覆われています。
2週間後、創周囲から皮膚が出来てキズが小さくなってきています。
3週間後、治りました。
軟膏の治療を1か月うけても治らず、むしろ悪化していたヤケドが、湿潤療法を始めたら3週間で治りました。
従来の軟膏の治療を受けていたら、おそらく今でも腱が見えていて、手術を勧められていたと思われます。
某総合病院の形成外科医が言ったセリフ
「軟膏の治療でも湿潤療法でも治る期間は同じ」なんて、実際に湿潤療法をやったことがある医師なら絶対に言わないセリフです。
湿潤療法をやったことがないなら、「やったことがないからわからない」と正直に言うべきです。
わからないのに、適当なことを言って取り繕うから、素人にも笑われるような恥をかくのです。