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2013.7.08 カテゴリー|トリガーポイント注射
シンスプリントは、下腿内側に位置する脛骨の下方1/3に痛みが発生する症状です。骨折した時のような激しい痛みではなく、鈍痛なのが特徴です。脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん)ともいいます。
中学生の長距離ランナーがかかることが多いです。
一般的に、ランニングのやりすぎによる脛骨の骨膜の炎症と考えられていますが、私は炎症ではなく、骨膜やその上にある筋肉に出来たトリガーポイントが原因だと考えています。
実際にトリガーポイント注射をすると痛みが改善します。
シンスプリントはランニングのやりすぎが原因なので、本来は休ませるべきなのですが、長期間休ませて一時的に痛みが消えても、また走り出すと痛みが再発することが良くあります。長期間休ませたからといって治る保証はないのです。
それなら、トリガーポイント注射を打ちながら、トレーニングを続けさせてあげたほうがいいんじゃないかなと思っています。
2013.7.07 カテゴリー|その他の治療について
当院で行っている事務用のゼムクリップを使った巻き爪の治療についてご紹介します。
60代女性
① ヤスリを使って爪を少し薄くします。
② 事務用のクリップをニッパーで切り、曲がっている爪の間に挟み込みます。
(この時、クリップは爪の湾曲より2~3㎜長く切ります。)
③ 瞬間接着剤でクリップを爪に固定します。
④ 2週間に1回くらい、ゼムクリップを徐々に長くしながら交換します。
2か月後、患者本人がこのくらいで十分といったので治療終了
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ゼムクリップを使った巻き爪治療
2013.7.05 カテゴリー|糖質制限
10年以上も前から糖質制限をしている茨城県内で薬剤師をしている方からメールをいただきました。
西堀先生、初めまして。
薬剤師の〇〇と申します。
貴院のホームページ、先生のblogを読ませていただきました。
茨城県にも「胸を張って紹介できるドクターがいたんだ。ほんとにうれしい。」というのが、私の感想です。
今後も、「患者さんの利益のために」ご活躍くださいますようお願い申し上げます。
私は、糖尿病ではないのですが、10年ほど前から糖質制限をしてきました。当時の体重は、0.1t近くありました。
現在は、ラグビーをしていた高校時代の体重に戻り、70kg±1kg(H:172cm)で、快調です。
きっかけは、たくさんのDM患者さんがちっとも治らない・・・
薬をしっかり飲んで、ひもじい思いまでして、ひたすらカロリー制限をして、言われるままに、やりたくもない運動をして
・・・でもなんで少しづつ悪くなるんだろう・・・。
特に、肥満傾向の方は、減量、減量で苦労している。
毎日、そんなことを思いながら仕事(患者さんに薬を飲め飲めというだけのヘンな仕事)をしていました。
そんなころ(10数年前)、某国立病院のある管理栄養士の方が、指導しておられたダイエットが、私の人生を変えるきっかけになりました(大袈裟失礼)。
その内容は「ゆで卵ダイエット」。3食をゆで卵と葉野菜だけで2週間過ごすというものでした。
当時私は半信半疑。私を慕ってくれる患者さん達にうさんくさいことはさせられないと真剣に思ったことが懐かしい・・・。
そこで私がおこなったことは、患者さん達とやったことは・・・。毎食前と毎食後2時間に血糖値を測ること。
当時は今ほど血糖測定は気楽にできるものではありませんでした。測定器は、インスリンを使う人しか持ってなかったし。
お彼岸におはぎを食べたときなんかは、みんなでびっくりしたりしてました。
不思議だったのは、ゆで卵とレタスとキャベツでは、DMの皆さんも、私も食後血糖値がほんの少ししか上がらない・・・。
それから、みんなおもしろくなって、内緒でがっつり出前のカツ丼を食べて測ったり・・・がーんと上がって驚いちゃって。
当時は、「糖質制限」と言う言葉を知らなかったので、うまく表現できず・・・、風当たりが強くて、たいへんでした。
ロジックがなかったので、ただただ、私の仲間が、次の採血でいい結果を出してHbA1cについて、先生に怒られないようにするために、血糖値の上がらない食事をみんなで考えました・・。
当時の私の心配は、毎日6~12個くらいゆで卵を食べるために、コレステロールはどうなっちゃうんだろう・・・ということでした。
今でこそ、だいじょぶだから・・・って言ってあげられますが(苦笑)。
ただ、その頃、私は、島泰三先生の
・アイアイの謎 どうぶつ社, 2002.4.
・親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る 2003.8. 中公新書
に感銘を受けて、私たちの祖先の主食は「動物の骨だ」ということを信じ切ったので、米食わなくてもだいじょぶなんだよ・・といってました。
変人扱いされましたけど(大笑い)。
さらに、糖質吸収を遅らせる植物を見つけてきて、食前に煎じて飲んでもらったり(αーG.I.効果が認められたもの)。
これで、下がればだんだん薬も減ると思うよ・・。合併症にもならなくて済むじゃんか・・。が、口癖みたいでした。
決して、保健医療を否定するどこぞの民間療法みたいのを始めたのではなくて、食事療法の変形というスタンスでした。
そんなこんなで、みんなでいろんなことをしていたら、ある病院の理事長から文書で医療の妨害をするな・・・という内容の脅しを受けて・・・、
医師会・薬剤師会経由で総轄したいと思う・・・みたいなお言葉をいただきました。
好結果に、医師が患者に理由を尋ねたら、患者さんは、「前の薬局でいろいろ教えてもらってるから・・・」と話したようなんです。
常々、お医者さんには内緒で、食事を工夫しようね、と言っていたんですが、悪いことをしているなんて、みんな思わなかったせいか、平然と話してくれたみたいで・・。
私は、食事療法の新しいスタンスですからという説明にうかがったのですが、
「ろくに勉強もしない薬剤師ふぜいが何をしている。うちには栄養士がいるんだから、余計なことするな。」
と言うニュアンスのことを、回りくどい言い方で言われました。
私の方にも悪いところはあったのかなあと考えたりもしましたが、これ以上は、歩み寄ろうとしても無駄だな・・・と強く感じました。
糖質制限という言葉が歩き出してくれて、ほんとによかったなあと心から思います。
「まず言葉ありき・・・」というのを実感しています。
「いいものはいい」と言ってのけられる医師が増えてくれそうで、これからの医療に期待する私です。
西堀先生を始め、江部先生、夏井先生しかり・・・、患者にとっては、光明です。
お忙しい中、このような拙文をお読みくださいまして、感謝いたします。
これから、日々、先生のことを皆さんに紹介させていただきます。
今でも糖質制限に対する糖尿病専門医の抵抗が強いのに、10年前ではさぞかし大変なご苦労をしたと思います。
しかし、いずれ糖尿病治療はカロリー制限から糖質制限にパラダイムシフトすることは間違いありません。
その時には、脅しを入れてきたごじゃっぺ理事長を、心の底から見下してやりましょう。
2013.7.04 カテゴリー|トリガーポイント注射
先日、以下のようなメールをいただきました。
診察していただいたお礼です。
昨日、〇〇市から受診に伺いました〇〇の姉です。お忙しいのに膝の注射をしていただいて、ありがとうございました。昨夜は痛みなく久しぶりに目が覚めずに眠れたと喜んでおります。本当にありがとうございました。今週また伺いますので、宜しくお願い致します。
患者さんは50代の女性です。
2か月ほど前から、両ひざ痛と両手のこわばりが出現しました。
近くの整形外科で、リウマチを疑い血液検査を行いましたが、異常がなく、痛み止めだけ処方されました。
両ひざの痛みがひどく、夜も眠れないため、トリガーポイント注射を希望して当院を受診しました。
内側広筋と外側広筋にトリガーポイント注射を行いました。
注射の結果、メールにあるように劇的に痛みが改善したようです。
1週間後に再診した際には、なぜか手のこわばりもよくなっていました。
膝の痛みがとれたことで、自律神経の働きがよくなり、手の浮腫みがなくなったのかもしれません。
患者さんが良くなって、喜んでもらえる。
こういう時は、「医師になって本当に良かった」とうれしくなります。
2013.7.03 カテゴリー|トリガーポイント注射
7月2日のNHKクローズアップ現在 で腰痛についての特集番組が放送されました。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3374.html
・腰痛の8割は原因不明
・急性腰痛に対し安静は有効な治療法とは言えない
・腰痛の原因は心理的・社会的ストレス
・心療内科医と整形外科医がチームを組んで集学的な治療が行われ始めている
これらが腰痛の新しい常識として紹介されていたようです。
しかし、これらの話は、私の所属していた福島県立医大整形外科学講座では15年前以上から常識でした。
当時の教授は、腰痛の研究で世界的権威の菊地臣一先生だったので、私が若手医師だったのころから、週に1回、心療内科の先生方と患者さんの心理状態をもとに今後の治療方針を決める「リエゾンカンファランス」を行っていました。
そんなわけで、福島県の整形外科医の中では「腰痛の原因はストレス」というのが常識でした。
6年前に茨城県に移ってきて際、茨城県の整形外科の先生方には、この常識がほとんど浸透していないことに、少なからず驚きました。
実は、私はこの番組を見ていなかったのですが、実際に見た患者さんの話では、
「筋肉の痛みについて、まったく触れていなかったので、がっかりした。」
とのことです。
8割の原因不明の腰痛のほとんどが筋筋膜性疼痛症候群です。
ストレスが原因で、自律神経の働きが狂い、筋肉にトリガーポイントが出来てしまうのです。
心療内科を受診する前に、トリガーポイント注射を受けてみてください。
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