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2018.1.01 カテゴリー|その他
あけましておめでとうございます。
年末に高校の同級生と忘年会をしたとき、漫画家をやっている大和田秀樹から
「こいつは、ブログに患者の悪口ばかり書いてんだよ。」
と言われたので、
「患者の悪口じゃねえよ、医者の本音だよ、誰も書かないから俺が代わりに書いてんだよ。」
と言い返しました。
ケンカしているわけじゃないよ。
大和田とは高校の頃からの親友で、酒飲むといつもこんな感じの掛け合いをして周りの友達を笑わせてます。
今年も、このブログでなるべく皆さんのお役に立つような情報を発信していきたいと思っています。
たまに毒を吐くことがあると思いますが、ご容赦のほどお願いいたします。
では今年もよろしくお願いします。
2017.12.26 カテゴリー|その他
貴乃花親方「大変憤慨」文書の内容一部判明
http://www.news24.jp/articles/2017/12/25/07381369.html
また、傷害事件の発覚後に協会側が、貴ノ岩の診断書にある『頭蓋底骨折、髄液漏の疑い』などの記載について医師に聞き取りを行い、公表したことに対しては、患者である貴ノ岩本人の許可なく行われており、「大変憤慨している」などと強く抗議する内容が書かれていたという。
守秘義務とは医師などのその職務の特性上、秘密と個人情報の保持が必要とされる職業について、それぞれ法律により定められています。これらの法律上の守秘義務を課された者が、正当な理由(令状による強制捜査など)がなく、職務上知り得た秘密を(故意または過失、若しくは窃用)で、内容を漏らした場合、各法令で処罰の対象となります。医師の場合、6ヶ月以内の懲役か10万円以下の罰金となります。
医師以外にも、公務員、弁護士、看護師など個人の秘密を知り得る立場にある人にはみんな守秘義務が課せられています。
だから当院にも電話で患者の病状を聞いてくる人がたまにいますが、絶対に教えません。
患者本人が同席しているか、患者本人の承諾書を持参した場合のみ病状の説明を行います。
日馬富士の暴行事件が発覚して数日もしないうちに、被害者である患者本人が不利になるような医師の証言がマスコミに流れたとき、私は非常に違和感を感じました。
もし、貴乃花親方の主張通り、貴ノ岩本人の許可なく医師が第三者に病状の説明を行ったとしたら、明らかに守秘義務違反です。
貴乃花親方にはブレーンとして弁護士がついているようなので、今頃このお医者さん、訴えられるんじゃないかとガクガク震えているかもしれませんね。
2017.12.19 カテゴリー|トリガーポイント注射
再三このブログで、「痛みは速やかに取ったほうがいいので、痛み止めは我慢せずにすぐに飲みましょう。」と訴えていますが、時には痛み止めの処方を躊躇するときがあります。
それは他の病院からたくさん薬をもらっている時です。
6種類以上飲んでいたら躊躇します。10種類以上飲んでいたら基本、当院からは薬の処方をせず、注射と湿布で治療をします。
先日来院したおじいちゃんに「痛み止めを出したいけど、たくさん薬飲んでいるからなぁ」と言ったら、「んだな。あまりたくさん飲むとクスリとクスリがケンカすっかんな」と答えました。
そうなんですよ、あまりたくさんクスリを飲むとクスリとクスリがケンカしていろんな副作用が出るんですよ。
それで、その副作用を抑えるためにクスリが出て、またクスリとクスリがケンカするという悪循環です。
整形外科でもやたらたくさんクスリ出す先生がいます。
例えば、殿部から下肢の痛みとしびれの患者さんに対して、ロキソニン、トラムセット、サインバルタ、リリカ、メチコバール、ユベラN、オパルモン ムコスタ プリンペランと、知ってるクスリで全部だしてんじゃねぇの?と思うような処方をする先生がいます。
私だったら、急性痛の場合、まずロキソニン(痛み止め)を出します。ロキソニンが効かなければロキソニンを止めて、トラムセット(弱オピオイド)を出します。
慢性痛ならサインバルタ(慢性痛治療薬)を出して、症状と副作用を見ながら漸増をしていきます。
寝ているときの痛みや、朝起きたときの痛みがあるときはリボトリール(抗てんかん薬)を追加します。
リリカ(神経障害性疼痛治療薬)は、帯状疱疹後神経痛にはすごく良く効きますが、それ以外の痛みにはそれほど効かない印象です。
メチコバール、ユベラN(ビタミン剤)とかオパルモン(弱い血管拡張薬)とか屁の役にも立たないクスリは出しません。
ムコスタ(胃粘膜保護薬)は、ロキソニンの副作用である胃炎や胃潰瘍を防ぐために処方していましたが、ほとんど役に立ってないことがわかってきたので、最近はほとんどだしてません。
プリンペラン(吐き気止め)はトラムセットの副作用である吐き気を抑えるためのクスリですが、吐き気は内服開始5日間くらいで落ち着くので最初の1週間しか処方しません。
トリガーポイント注射などを併用して、なるべく少ない種類のクスリで痛みをコントロールをするのが整形外科医の腕の見せ所だと思っています。
おまけ
先月、東京に住んでいる甥っ子が、風邪を引いて近所の内科にかかったら、最初から10種類もクスリを処方されました。
そのお医者さん、馬鹿なのか、それとも金儲けに走っているのか、どちらにしろ患者にとっては厄災でしかありません。普段全然薬を飲んでない人がいきなり10種類も薬を飲んだら、体がおかしくなっちゃいますよ。
風邪はウイルス性感染症なので、クスリでは治りません。風邪薬は、あくまでクスリの症状を緩和するためだけのものです。咳がひどければ咳止めを、痰がひどければ痰切りを、熱が高ければ解熱薬を、必要最小限処方すればいいのです。
安静にして布団にくるまって体を温めて、免疫力をアップすることが一番の治療です。それが難しい人は、ネックウォーマーとホッカイロで喉を温めてください。それだけでウイルスの増殖をかなり抑えることができます。
2017.12.08 カテゴリー|湿潤療法
今朝、夏井先生がウェブサイトで乳幼児の熱傷の原因についてまとめてくれたので紹介します。
http://www.wound-treatment.jp/new.htm#1208-3
小さなこどもは好奇心旺盛で怖いもの知らずなので、何でも手を出してしまいます。
だから「熱いものを家におかない」が小さい子供のやけどの予防の基本です。
味噌汁やコーヒーや紅茶は飲まなくても生きていけるので、こどもが小さいうちは家で飲まない。
炊飯器や加湿器は1メートル以上高いところにおく。
ティファールの電気ケトルは使わない。
ウォーターサーバーの冷水だけにして熱湯は出ないように設定する。
ヘアアイロンは使い終わったらすぐにコードを抜いて高いところにしまう。
アイロンも使用中は絶対に目を離さず、使い終わったらすぐにコードを抜いて高いところにしまう。
とにかく、小さなこどもにとっては「熱いものはすべて危険物」です。
ばあちゃんちに遊びに来ていてやけどするこどももよくいます。
正月に孫が遊びに来る前に、熱いものをなくす工夫をしましょう。
2017.12.04 カテゴリー|その他の治療について
前回のブログで紹介した患者さんにたいする某病院からのお返事が届きました。
https://nishibori-seikei.com/blog/2017/11/post-722.html
こちらこそお世話になっております。
右肩関節周囲炎にてご紹介いただいた方です。
MRIでは明らかな腱板損傷は認めませんでした。
当科にて経過観察いたします。
ほらね。ただの四十肩(肩関節周囲炎)だったでしょ。
早期に注射や薬できちんと治療してればとっくに治っていたはずですよ。
「経過観察いたします。」というのは痛み止めの薬や湿布をだして定期的に通院してもらうということです。
某病院は平日の午前中しか外来をやってないので、週1回だか月1回だかはわかりませんが、通院のたびに仕事を休まなきゃいけないでしょうね。
当院だったら日曜日もやっているのにね。
よくわかってない系のひとはこういうところで損をするよね。
でもよくわかってない系だから損していることにも気がつかないんだよね。