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痛風にも糖質制限

2012.11.16 カテゴリー|糖質制限

痛風の患者さんに糖質制限を勧めてよいのかどうか悩んでいたので、糖質制限の第一人者江部康二先生のブログに質問をしました。

 

ドクター江部の糖尿病徒然日記 http://koujiebe.blog95.fc2.com/?no=1221

 

以下、ブログのコメント欄より抜粋

 

茨城県笠間市で整形外科医院を開業している にしぼり整形外科 院長 西堀靖広ともうします。

夏井先生のHPをきっかけに糖質制限を知り、7㎏のダイエットに成功しました。

不躾ながら、先生に教えていただきたいことがあり、コメントいたしました。

当院は整形外科なので、痛風の患者さんがけっこうたくさん来ます。
それで、痛風の患者さんにも糖質制限を勧めるべきかどうか悩んでいます。

江部先生はブログに

糖質制限で尿酸が上がる人と下がる人、変わらない人といると書かれています。

また、尿酸値を上げる原因は
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ

とも書かれています。

肥満があり、中性脂肪やコレステロールも高い、いわゆるメタボの人には糖質制限を勧めてもいいのかなと思っていますが、
やせていて、飲酒もあまりしていない人に、糖質制限をさせると、プリン体の摂りすぎで、かえって尿酸値が上昇してしまうのではないかと不安もあります。

痛風患者に糖質制限を勧めるべきか否か、先生のご意見をお聞かせいただければ幸甚です。
 
 
 
西堀靖広 先生

糖質制限食を奨められて大丈夫と思います。
肥満改善も、高尿酸血症には、良いです。

注意がいるのは、カロリー制限し過ぎで尿酸値が上昇することです。
例えば、断食ではかなり高値となります。

過去痛風発作を起こしてない痛風患者は、薬物療法の目安は9mg/dlです。
過去痛風発作を起こしたことがある患者は、適宜投薬も考慮です
 
 
今後は痛風患者さんにも糖質制限を勧めたいと思います。

掌蹠膿疱症の皮膚炎に穴あきポリ袋が効果的だった一例

2012.11.15 カテゴリー|ビオチン療法

32歳の女性

 

6月ごろから、右手のひらと右足底に皮疹が出来ました。某総合病院に通院してステロイド外用による治療を受けていましたが、皮疹は徐々に悪化して、8月ごろに掌蹠膿疱症と言われました。9月に別の皮膚科を受診して、クラリス(抗生剤)の内服と、オキサロール(角化症・乾癬治療薬)の外用による治療を受けましたが、よくなりませんでした。6月ごろには、前胸部の痛み(胸鎖関節炎の症状)もあったようです。

 

10月に当院を受診しました。掌蹠膿疱症と診断し、ビオチン療法を開始、皮膚炎にはワセリンを塗ってもらうことにしました。

 

ビオチン療法  https://nishibori-seikei.com/biotin/index.html

 

1か月後に再診した際には、まだ皮疹はよくなっておらず、特に右足の皮疹はひどく、痛みのためビッコをひいている状態でした。右手足以外に乾癬を疑われる皮膚炎も認めました。

 

そこで、皮膚炎に対してステロイド軟こうを塗ってもらい、右足は穴あきポリ袋で覆い、その上に靴下をはくようにしてもらいました。

 

2週間後の写真です。右足底は劇的に良くなっています。その他の部位の皮膚炎もよくなりました。

H24.11.14 穴あきポリ2週間後.jpg

 前々医の治療で、ステロイド外用だけでは良くならなかったので、ステロイドだけではなく、穴あきポリ袋とビオチンが効果的だったのだと思います。

オクラの根っこを抜いて背中を痛めた女性

2012.11.13 カテゴリー|トリガーポイント注射

72歳の女性

 

オクラの根っこを抜きをした2日後くらいから、首から背中に激痛が出現しました。接骨院で4日間治療を受けましたが、痛みが改善しないため、当院に紹介になりました。

 

高齢女性なので、脊椎圧迫骨折を疑い、頸椎と胸椎のレントゲンを撮りましたが、骨折は認めませんでした。

 

触診で、肩甲骨周囲の筋肉にトリガーポイントを認めたので、トリガーポイント注射を行いました。

 

1回の注射で、痛みは半減しました。

2回の注射で、痛みはほぼ消えました。

 

急性期のトリガーポイントの痛みは、注射ですぐに治すことができますが、痛みを我慢して慢性化した痛みは、なかなか良くなりません。この方の場合、痛みが出てから、早い時期に、トリガーポイント注射をしたので、すぐに良くなりました。

 

オクラの根っこは、土に深く拡がっていて、抜くのにものすごく力が要るそうです。その根っこを無理やり抜いたので、肩甲骨の周りにトリガーポイントが出来てしまったのでしょう。

 

「苦労するわりに、ちっとも儲からないから、来年はオクラをやらない!」と言っていました。

 

交通事故の治療に長期間通う人

2012.11.13 カテゴリー|その他の治療について

上のグラフは、以前に書いたブログ記事『「交通事故の治療は長くかかる」は迷信』という記事で提示したグラフです。

 

「交通事故の治療は長くかかる」は迷信 https://nishibori-seikei.com/blog/2012/11/post-108.html

 

グラフでもわかるとおり、8%くらいの人は6か月以上治療に通っています。交通事故の治療に長期間通院する人は、3種類に分けられます。

 

  1. 骨折や脱臼、脊髄損傷などの大けがをした人
  2. 事故の衝撃で筋肉にトリガーポイントが出来てしまった人
  3. 保険金目的で通院している人

 

交通事故の怪我で、当院に長期間通院している人のほとんどが、上の2.事故の衝撃で筋肉にトリガーポイントが出来てしまった人です。

 

トリガーポイントによる痛みなら、早期にトリガーポイント注射をすればよくなるはずですが、交通事故でけがした人のほとんどの人が、注射による治療を拒否します。他人に負わされた痛みの治療のために、注射という痛い治療を受けることが、精神的に受け入れられないのだと思います。

 

トリガーポイント注射 https://nishibori-seikei.com/trigger/index.html

 

この、他人に負わされた痛というのがくせ者で、次のような痛みの悪循環に陥ってしまいます。

 

【事故にさえ合わなければ、こんな痛くつらい思いをしなくて良かったのに】

【加害者や痛みに対する怒りとストレス】 

 ↓

【自律神経の調子が悪くなり、筋肉の血流が悪くなる】

【トリガーポイントの痛みがさらに悪化する】

【事故にさえ合わなければ、こんな痛くつらい思いをしなくて良かったのに】

 

この痛みの悪循環に入ってしまうと、どんな治療をしても痛みはなかなか良くなりません。

 

それでも、保険会社から治療を打ち切られると、ほとんどの人の痛みがよくなります。治療を打ち切られたことによって、痛みの悪循環が止まるのだと思います。

 

「コラーゲンやヒアルロン酸を飲むと肌のハリがよくなる」は迷信

2012.11.13 カテゴリー|医療に関する迷信

  コラーゲンやヒアルロン酸が皮膚から吸収されないなら、飲んだらいいのではないか?と思う人もいると思いますが、残念ながら、飲んでも意味はありません。

 

 先ほど書いたように、コラーゲンもヒアルロン酸も非常に大きな高分子の物質なので、消化管でもそのままでは吸収されません。一度、糖やアミノ酸にバラバラに分解されてから、吸収されます。バラバラに分解されて吸収された糖やアミノ酸は、体の中でいろいろなことに利用されます。コラーゲンを飲んだら、それがそのまま皮膚のコラーゲンになったり、ヒアルロン酸を飲んだら、それがそのまま関節内のヒアルロン酸になる。なんてことは、100%ありません。

 

 コラーゲンを飲んだら、皮膚のコラーゲンが増えるなら、髪の毛を食べれば髪の毛が生えてくるはずです。そんなわけありません。

 

 そんなわけで、飲むコラーゲンも飲むヒアルロン酸も、なんの役にもたちません。ついでに言えば、グルコサミンやコンドロイチンにも、関節の軟骨を増やす効果や痛みをとる効果はありません。

 

 お肌をきれいに保つには、タバコを吸わないこと、日焼けをしないこと、化粧をしないこと、そして加圧トレーニングをすることです。当院で行っている加圧トレーニングをすれば、皮膚の再生を促す成長ホルモンが、通常の290倍も分泌されます。また、適度に筋肉がつくことで、肌のハリがよくなります。高い化粧品やサプリメントを買うくらいなら、加圧トレーニングしてみてください。

 

加圧トレーニングhttps://nishibori-seikei.com/kaatsu/index.html

 

「コラーゲンやヒアルロン酸を飲むと肌のハリがよくなる」というのは迷信です。

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