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2013.6.03 カテゴリー|ビオチン療法
50代の女性
3年前に掌蹠膿疱症にかかりました。
昨年秋より当院でビオチン療法を受けていて、症状は改善傾向にあります。
掌蹠膿疱症は、ビオチンというビタミンが不足することが原因で発症します。本来、ビオチンは腸内細菌が産生してくれるので、あえて補給する必要がないビタミンです。しかし喫煙などが原因で、腸内細菌が乱れるとビオチンが産生されなくなり、ビオチン不足に陥り、掌蹠膿疱症になってしまうと考えられています。
しかし、この患者さんに喫煙歴はなく、また受動喫煙に長時間さらされたこともありませんでした。ただ、発症する数か月前に、大腸ポリープの検査と治療のため大腸内視鏡を3回受けていました。
大腸内視鏡検査では、大腸内をきれいにするために検査の前に強力な下剤を飲まなくてはいけません。その下剤が腸内細菌を乱してしまった可能性があります。
他にも胃の中のピロリ菌の除菌のために数か月間抗生剤を飲み続けたために掌蹠膿疱症になってしまった患者さんもいました。このケースでは、抗生剤の長期内服が腸内細菌を乱したと考えられます。
掌蹠膿疱症の原因は、ほとんどの場合は喫煙ですが、医療行為が原因になることもあるようです。
2013.5.31 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
78歳の女性
5月上旬に重いものを持ってから腰が痛くなりました。動けないほどの激痛です。
最初は鍼灸院に通いましたが、痛みがとれませんでした。
2週間後に某総合病院の整形外科を受診しました。そこで、 レントゲンを撮り「腰椎すべり症」と診断され、痛み止めのお薬を処方されました。
しかし、それでも痛みがとれないため、その3日後に当院を受診しました。
レントゲン上、第3腰椎圧迫骨折を認めました。(腰椎すべり症も認めますが、これは痛みとは無関係です。)
骨粗しょう症治療薬テリボン皮下注射と、骨折部周辺の筋肉に対するトリガーポイント注射を開始しました。
1週間後には、杖をついて歩ける程度に回復しました。
若い人が重いものを持って、急に腰が痛くなった場合は「ぎっくり腰」です。ぎっくり腰は、腰や臀部の筋肉の痙攣なので、鍼灸やマッサージなどの筋肉に対する治療でも良くなります。(トリガーポイント注射のほうが効きますが、)
しかし、高齢の女性が急に腰が痛くなった場合は「圧迫骨折」です。筋肉に対する治療だけでは良くなりません。
安静と骨粗しょう症に対する治療が必要です。
2年前に発売された骨粗しょう症治療薬テリボン皮下注射は圧迫骨折の痛みに対して劇的に効きます。
高齢の女性が急に腰を痛めた場合は、鍼灸院やマッサージ、接骨院に行かず、すぐに整形外科を受診してレントゲンを撮ってもらいましょう。
関連ブログ
ぎっくり腰の治療
https://nishibori-seikei.com/blog/2012/12/post-145.html
圧迫骨折による腰痛に対するテリボンの効果
2013.5.31 カテゴリー|その他
診療所の玄関に巣を作っていたツバメの赤ちゃんが生まれました。
お父さんツバメとお母さんツバメが、一生懸命に餌を運んでいます。
2013.5.31 カテゴリー|糖質制限
77歳の男性
7年前から両ひざ痛があり、2か月くらい前から当院に2週間に1回くらい通院している方です。
先日来院した時に、こんなことを言われました。
「数日前から体がふらふらして心配だ。実をいうと、娘に『膝の痛いのは太ってきたせいだ。痩せるために肉を食べるのを止めなさい』と言われ、1週間前から肉を食べていない。自分は元々は養豚業をやっていて、肉が大好きで、1日三食とも肉を食べていた。男の一人暮らしであまり料理を作らないし、魚は嫌いだから、肉を食べない分、米ばかり食べていた。」
急に、肉を食べなくなったので、筋力が低下したこと、米ばかり食べていたせいで、ビタミン不足になったことがふらつきの原因と診断しました。
「肉を食べると太るというのは迷信です。肉を食べないと筋肉が減ってよけい太りやすくなるし、ビタミンも不足します。今日から元通り肉を食べてください。」
と説明しました。
肉を食べると太るというのは迷信です。太る原因は米や小麦、砂糖などに含まれる炭水化物です。痩せるためには肉ではなく米を止めるべきでした。
肉に多く含まれるたんぱく質は、骨や筋肉を作るために必要な栄養素です。高齢者は何もしなくても、筋肉量も骨量も減っていきます。肉を食べないと、それが加速してしまいます。
高齢者こそ肉を食べなければいけません!
2013.5.30 カテゴリー|その他
私の父が、40年以上、丹精込めて育てたサツキです。
診療所の玄関前に飾ってあります。
みごとでしょう。