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2018.12.19 カテゴリー|トリガーポイント注射
60代の女性
5月にゴルフの練習をしてから左殿部が痛くなりました。
近所の整形外科を受診してMRIを撮り「軽い椎間板ヘルニア」といわれてブロック注射を受けましたが良くなりませんでした。
そのあと某総合病院を受診して、またMRIを撮り「軽い椎間板ヘルニアだけど手術するほどじゃない」といわれトラムセットとリリカが処方されました。
それでも良くならないので、インターネットで調べて名古屋の病院でPLDD(椎間板ヘルニアのレーザー治療)を受けました。
「最新医療だから保険がきかないので1回45万円かかる。」と言われ、PLDDを2回受け90万円払いましたが、良くなりませんでした。
その後で当院を受診しました。
下図の位置にトリガーポイントを認めました。
「ヘルニアは痛みと関係ないよ。ゴルフの練習中におしりの筋肉を痛めただけだよ。トリガーポイント注射を続ければ良くなるよ」
「PLDDに保険がきかないのは、最新医療だからじゃないよ。効果がないからだよ。だって、PLDDは実際は20年以上前からやられているんだから、効果が認められればとっくに保険適応になってるはずだよ。だまされちゃったね。」
と説明しました。
週2回ほどトリガーポイント注射に通ってもらって、1ヶ月後には薬も必要なくなり、ゴルフのラウンドも出来るようになりました。
椎間板ヘルニアとは椎間板の中にある髄核が椎間板の外にはみ出して神経を圧迫する病気です。
PLDDはヘルニアになっている椎間板に、太い針を刺して針先からレーザーを出してなかの髄核を灼いて消失させてはみ出したヘルニアをへっこませるという手術です。
でも考えても見てください。あんパンをつぶして、あんこがはみ出たとき。アンパンの中に残っているあんこを取り除いてもはみ出たあんこは元に戻りませんよね。ヘルニアだって同じですよ。
だからPLDDなんて効くわけないんです。中にはPLDDで治った人もいるでしょう。それはヘルニアが引っ込んだからではなく「こんなに高い金を払ったんだから良くなるはずだ」という思い込みで痛みが良くなったのです。99.9%プラセボ効果です。
そもそも椎間板ヘルニアは痛みと無関係だからね。PLDDなんて効くわけないのよ。
椎間板ヘルニアは腰痛の原因ではない
https://nishibori-seikei.com/blog/2016/10/post-638.html
2018.12.14 カテゴリー|タバコの害について
「タバコと同じく将来絶滅する」 暴力団を見届けるライター鈴木智彦の覚悟
https://blogos.com/article/345125/
今どきは暴力団事務所も禁煙なんだってよ。
これから禁煙を勧めるときには「今は、ヤクザでさえタバコ吸ってないんだぞ!」って言ってみよう。
2018.12.10 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
中学生の男子
自転車で転んで受傷しました。
某総合病院の救急外来を受診してレントゲンを撮り、大きく転位した橈骨遠位部骨折を認めました。救急医が同院の整形外科医に電話で問合せをしたところ、「シーネ固定をして、明日近くの整形外科を受診するように説明してください。」と指示をうけました。
救急医は指示通りシーネ固定して当院宛の紹介状を書いてくれました。
翌日当院を受診しました。私は持参したレントゲンのコピーを見てびっくり!
「すげぇずれてんじゃん。」
「骨折がすごくずれているので、局所麻酔をしてから整復します。うまく戻ればそのまま外固定で治療しますが、うまく戻らないときや、すぐにずれちゃうときは、手術が必要なのでもう一度某総合病院に紹介します。」と説明しました。
血腫内ブロック(骨折部の内出血部に局所麻酔薬を注入して麻酔をかける方法)で麻酔をしてから、テレビレントゲンで確認しながら骨折を整復しました。
それなりにうまく整復できたのでシーネ固定しました。
経過中、再転位することもなく3週間後のレントゲンで仮骨(骨折をくっつける新しい骨)が十分に形成されていたのでシーネを外しました。
私の腕がいいおかげでうまく治ったからいいけど、私が勤務医だったころにこんなひどい骨折を開業医に紹介したことは一度もないなぁ。
というか、救急外来に骨折の患者さんが来たと当直医から相談を受けて、電話で済ませたことは一度もなかったと思います。必ず、病院に駆けつけて自分で治療しました。当時はそれが当たり前だと思っていたし、自分がすぐに駆けつけることで、自分自身が困ったときに、内科や外科の先生にすぐに来てもらえるからです。
某総合病院のような大きな病院の救急外来の仕組みは、私がいたような中規模の病院とは違うのでしょうね。
2018.12.07 カテゴリー|その他の治療について
1年くらい前に以下のような問合せメールが届きました。
2018.12.06 カテゴリー|その他の治療について
80歳の女性
もう10年近く、腰痛や骨粗鬆症で当院に通院している患者さんです。
2週間くらい前から自然と左手にしびれが出現しました。若い人にインターネットで調べてもらったら、神経内科を受けたほうがいいと書いてあったので、某総合病院の神経内科を受けにいきました。ところが、その病院の新患受付で相談したら「その症状なら整形外科を受診したほうがいい」と言われ、整形外科外来に案内されました。
そこで若い医師の診察を受け、首のレントゲンを撮り、首の骨が神経にさわってしびれが出ていると診断され、リリカが処方されました。
ちなみに、紹介状なしで総合病院を受診したので、健康保険の自己負担の他に5,000円払わされました。
それなのに薬を飲んでもちょっとも良くならないので、1週間後に当院を受診しました。
私は手のしびれの患者さんはまず最初に手根管症候群を疑うことにしています。
案の定、正中神経の神経支配に一致した知覚異常と母指対立筋の軽度の麻痺を認め、典型的な手根管症候群でした。
「馬鹿だなぁ。何で最初に俺に相談しないんだよ。首は変形は関係ないからね。手首のところで神経が圧迫されているせいのしびれだよ。神経や腱の腫れをひかせる注射を手首に打てば良くなるよ。」
と説明して、正中神経ブロックを行いました。1週間後にはしびれはほとんど消えていました。
この患者さんの例からわかる教訓をあげます。
① 何か症状が出たら、最初にかかりつけ医に相談しましょう。
② 紹介状なしに大病院を受診するとよけいなお金(5,000円)を払わされます。
③ 大病院は若い医師の教育機関でもあるので、紹介状なしで受診すると若い医師の練習台にされます。
④ 手のしびれは、まず手根管症候群や肘部管症候群などの末梢神経障害を疑います。最初に首を疑うのはヤ○医者です。