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味噌汁でやけどした男の子

2017.10.17 カテゴリー|湿潤療法

 朝ご飯の味噌汁のお椀をひっくり返して、受傷しました。

 家の近くの○○メディカルセンターで処置をしてもらい、ネットでググって2日後に当院を受診しました。

 

 初診時

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 胸からお腹にかけて2度の熱傷を認めました。

 浸出液が多かったのでモイスキンパッドを当てました。

 

 治療開始1日後

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 やはり浸出液が多かったので、自宅でモイスキンパッドを交換するように説明しました。

 

 治療開始4日後

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 上皮化してきて、浸出液がほとんどなくなったので、ハイドロコロイドに変更しました。

 

 治療開始7日後

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 かなり良くなっています。引き続きハイドロコロイドを貼ってもらいました。

 

 治療開始10日後

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 完全に上皮化しました。創の赤みは3~6ヶ月くらいで目立たなくなり、将来的にはほとんどわからなくなることを説明して、治療を終了しました。

 

 味噌汁でやけどする小さい子がたくさんいます。

 日本人だからって、毎朝味噌汁を飲まなきゃいけないわけじゃないからね。

 だから小さい子がいるおうちは、味噌汁を作らないほうがいいと思うよ。

 ちなみに私は、そもそも朝飯を食ってないので、味噌汁はほとんど飲まないよ。

スタチン系抗コレステロール薬は飲むのを止めてもらいたい

2017.10.12 カテゴリー|その他の治療について

 70代の女性、以前から骨粗鬆症で当院に通院していました。

 6月に受診した際に、2ヶ月前から両手のしびれが出て10日前から両足のしびれが出現したと訴えました。

 しびれの部位は末梢神経障害によくあるグローブ・ストッキング型でしたが、念ため頚椎症性脊髄症も疑い、診察と検査を行いました。

 巧緻障害と歩行障害なし、深部腱反射は正常、病的反射なし、頚椎レントゲンでも異常なし。

 やはり末梢神経障害のようです。

 末梢神経障害といえば一番多いのは糖尿病性神経障害ですが、糖尿病はありません。

 その代わり、高脂血症があり、数ヶ月前からスタチン系抗コレステロール薬が処方されていました。

 その薬の副作用だろうと診断し、内服を止めてもらいました。

 2ヶ月後に再診したときにはしびれは消失していました。

 やはり、スタチン系抗コレステロール薬の副作用だったようです。

 

 以前にも書きましたが、コレステロールは薬を使ってまで下げる必要はありません。

 コレステロールが高いと血管が詰まると考えている人が多いようですが、それは原因と結果をはき違えています。

 まず、老化や喫煙(受動喫煙も含む)や糖質のとりすぎによる高血糖などが原因で血管の内壁が傷つきます。

 内壁が傷つくと血管が破れてしまうので、コレステロールがその穴を塞ぎます。

 血管損傷がひどいと、コレステロールがたくさん必要になり、肝臓がコレステロールを大量生産するため、高コレステロール血症になります。

 

 つまり、コレステロールが高いから血管が詰まるのではなく、血管が傷ついているからコレステロールが高くなるのです。

 血管損傷を火事だとすると、コレステロールは消防士です。

 薬でコレステロールを下げるということは、

 「火事が多いところに消防士がたくさんいるから、消防士が火事の原因だろう。消防士を減らせば火事が減るに違いない。」

 といっているのと同じことです。

 バカげた話です。

 

 難治性の慢性疼痛患者さんの中には、このスタチン系抗コレステロール薬を飲んでいる人がたくさんいます。

 本当は飲むのを止めてもらいたいのですが、痛みの原因はそればかりじゃないし、内科の先生ともめるのも嫌なのでなかなか言い出せません。

慢性痛は考え方が9割

2017.10.09 カテゴリー|トリガーポイント注射

「ゴルフは考え方が9割」という漫画があります。

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 これすごくためになる本です。

 「(ゴルフは球を飛ばす競技じゃなく、)いかに狙ったところに球を運ぶかという競技だもんな」

 「大切なのは常にチャンスを残すこと」

 「どきどきするショットは選ばない」

 など、ゴルフプレー中の考え方で参考になる言葉がたくさん散りばめられています。

 ゴルフの技術を向上させるのは大変でも、考え方を変えるのは今すぐにでもできます。

 だから、考え方を変えたほうがスコアアップが早いのです。

 

 で、「慢性痛も考え方が9割」だと思います。

 先週もブログで書いたように、希望は痛みを癒やし、絶望は痛みを悪化させます。

 「痛みは骨や軟骨の変形じゃなく、筋肉の緊張が原因だもんな」

 「大切なのは常に治療に希望をもつこと」

 「どきどきするようの余計な心配はしない」

 慢性痛の原因である筋肉の緊張をなくすのは大変でも、考え方は今すぐにでも変えられます。

 だから、考え方を変えたほうが痛みの改善が早いのです。

 

   

 

糖質の摂取増加で死亡率上昇

2017.10.03 カテゴリー|糖質制限

「糖質制限」論争に幕?一流医学雑誌に衝撃の論文 「炭水化物は危険、脂質は安全」の波紋

http://toyokeizai.net/articles/-/190605

『ランセット』といえば、医学界では知らない人のいない権威ある医学雑誌である。そのオンライン版に掲載された論文が話題を呼んでいる。
要点をいうと、「炭水化物の摂取量が多いほど死亡リスクが高まり、脂質の摂取が多いほど死亡率が低下する」という内容。「脂質をなるべく減らしましょう」という日本の従来の健康常識を真っ向から覆す研究報告であり、波紋を呼んでいるのだ。
 
論文の要旨は下記のとおりです。
 
①炭水化物摂取量の多さは全死亡リスク上昇と関連
②総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連
③総脂質および脂質の種類は、心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連していない
④飽和脂肪酸は脳卒中と逆相関している

 

 「炭水化物は危険、脂質は安全」なんだって、

 やっぱそうなんだ。

 ずっと前から知ってたけどね。

 

 私も糖質制限続けてますよ・・・一応

 でもねぇ、たまに炭水化物食べちゃうよね。

 だってうまいもんね。

 明太子おにぎりとか、納豆ご飯とか、お寿司とか、鰻重とか・・・

 しゃあないよね。

希望は痛みを癒やし、絶望は痛みを悪化させる

2017.10.03 カテゴリー|トリガーポイント注射

 昔から「病は気から」と言われています。医者がそんなことを言うと「医者のくせに非科学的なことを言うな!」と叱られそうですが、近年の医学研究で、腰痛や肩こりなどの痛みやシビレは気(心)と密接な関係があることが証明されています。
 
 肩こりや腰痛、膝や肩、肘などの痛みのほとんどは、筋肉の緊張(トリガーポイント)が原因です。疲労や、ストレス、運動不足、使いすぎなどが原因で筋線維の一部の血の巡りが悪くなり、筋肉が緊張して痛みが発生します。
 
 痛みがあると、痛み自体が不安やストレスとなり、交感神経の働きを過剰にして、筋肉をさらに緊張させ、痛みをもっと強くするという悪循環におちいってしまうことがあります。
 
 心配性で痛みを過度に心配する人や、神経質で痛みを過度に気にする人、痛みのために欝(うつ)になってしまう人などは、治りが悪くなる傾向があります。逆に楽天的で、痛みをあまり心配しない人や、気にしない人、治療に前向きな人は早く良くなる傾向があります。
 
 ここで、誤解をされては困るのですが、患者さんがなかなか良くならないことを、患者さんの性格のせいにしているわけではありません。また、痛みは気のせいだから我慢して自分で治せと言っているわけでもありません。
 
 痛みの中には、癌や感染、骨折などが原因の重篤なものもありますから、医師の診察や検査を必ず受けるべきです。
 
 しかし、それらの重篤な疾患ではなく、筋肉の緊張が原因の痛みであった場合は、痛みに対する考え方やとらえ方を変えるだけで、痛みを早く治すことが出来るということを、知ってもらいたいのです。
 
 具体的には、痛みの治療を受けて、ほんの少しでも痛みが楽になったときは、「痛みがいくらかは楽になった。」と喜び、「このまま治療を続ければ、だんだん良くなるだろう。」と希望を持つことです。これだけで痛みの治りが早くなります。
 
 希望を持つと自律神経のはたらきがよくなり、筋肉の血の巡りが良くなり緊張がほぐれ、痛みが楽になるのです。
 
 逆に、少しは痛みが良くなっているのに、残っている痛みを苦にして、「いくら治療しても痛みが取れない。」と落胆していると、自律神経のはたらきが悪くなり、痛みが治りにくくなります。
 
 治療に対して希望を持つには、痛みを我慢せずになるべく早くに、医師の診察を受け、飲み薬でも、注射でもやれることは何でもやって、“痛みが楽になった”という実感を持つことが大切です。
 
 そしてもっと重要なことは、医師への信頼です。実際に、知人に勧められて当院を受診した患者さんは、最初からある程度、私の治療を信頼してくれているので、他の患者さんに比べて治りが早い傾向があります。
 
 今後も皆様の信頼が得られるように努力を続けていきますので、よろしくお願いいたします。
 

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