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鎖骨遠位端骨折の治療 銀行員の場合

2015.7.23 カテゴリー|骨折・捻挫の治療

20代の男性銀行員

 フットサルをしていて転倒して受傷しました。救急病院に搬送され、手術を勧められましたが、銀行員で仕事は休めないし、奥さんが臨月で入院もできないということで、保存療法を希望して当院に紹介されました。

 受診時のレントゲンです。

レントゲン1.jpg

 鎖骨遠位端骨折(タイプ2)です。鎖骨バンドと弾性包帯を使った保存療法を行いました。

 整復後のレントゲンです。

レントゲン2.jpg

 2ミリくらいずれていますが、まあまあの位置に整復されています。鎖骨バンドと弾性包帯をワイシャツで隠して、翌日から銀行業務に復帰しました。痛くない範囲で肩や腕を動かしていいと説明しました。

 2週間後のレントゲンです。

レントゲン3jpg.jpg

 かなりいい形で整復されています。鎖骨バンドをきちんと着けていると、肩を動かしている間に自然と整復されていきます。骨折部が動かなくなったことを確認して、弾性包帯を外しました。

 6週間後のレントゲンです。

レントゲン4.jpg

 きれいについたので鎖骨バンドも外しました。職場にも臨月の奥さんにも迷惑をあまりかけないですみました。

依頼先の名称を間違っちゃダメでしょ

2015.7.21 カテゴリー|その他

 昨日、岩間中学校から2年生の職場体験の依頼状が届きました。

 その宛名が、「にしぼり整形外科」ではなく「西堀整形外科医院」になっていました。

 依頼先の名称を間違っちゃダメでしょう。ビジネスマナーとして絶対にやっちゃいけないミスだよね。もし、製薬会社の営業が講演依頼でこんなミスをしたら、講演を断るだけじゃなく、取引中止だよね。所長が来て謝ったって許してやらないよ。

 でも、今回の相手は製薬会社の営業じゃなくて、学校の先生だから、学校の先生のビジネスマナーなんてそんなもんだろうから、「まあいいか」と不問に処するつもりでしたが、「待てよ」と、「うちの名称を間違っているとしたら、他の依頼先の名称も間違っているのではあるまいか?それはめちゃくちゃまずいんじゃないか。」と思ったわけです。

 そこで、担当の先生に電話してこういいました。

「うちの名称は、『にしぼり整形外科』です。西堀は漢字じゃなくてひらがな、それに医院はつきません。」

「ああ、そうでしたか、どうもすみません。」

「まあ、うちのことは別にいいんですけど、他の依頼先の名称は間違ってないですよね。企業というのは自社の名称にプライドを持っているので、名称を間違えられると、すごく怒ります。大丈夫ですか?」

「他の所は、インターネットで調べたりしているので大丈夫です。」

「そうですか、それならいいです。」

ガチャ(電話を切る音)

 

・・・・・・って、それならいいわけあるか~~~い。

よりによって、PTA会長の所だけ適当に書いたんか~~~い。

失礼しちゃうわ。まったく。

 

後医は名医

2015.7.21 カテゴリー|その他の治療について

 60代の男性です。

 2月頃、急に左小指の先が腫れて痛くなり近所の整形外科を受診しました。そこで切開排膿を受けて、そのあとずっとイソジン消毒を続けていましたが、2ヶ月たっても痛みが取れないため、T大附属病院に紹介されました。大学病院でレントゲン検査と血液検査を受けましたが、何も異常がなかったため、治療は特にないから様子をみるようにいわれました。

 様子をみていても痛みが取れないため、親戚の紹介で当院を受診しました。

 左小指が赤黒く変色していて、浮腫と関節拘縮を認めたので、軽いCRPS(複合局所疼痛症候群)と診断し、ノイロトロピンを処方して様子をみることにしました。

 1ヶ月くらいして少し浮腫がひいたら、患者さん本人が小指のつけ根にしこりがあることに気がつきました。エコー検査でガングリオンと腱鞘の肥厚を認めました。

 あれ、もしかして腱鞘炎かもと思って、ケナコルトの注射をしたら劇的に痛みが消えました。

 すっかり痛みが取れた患者さんから「先生はやっぱり評判通りの名医だと」と褒められました。

 

 しかし、これは私一人の手柄じゃないんですよね。

 医学界には昔から「後医は名医」という言葉があります。最初に診た医者より後から診た医者の方が情報が多いのでその分診断や治療がしやすいのです。

 今回の症例も大学病院で検査をして何も異常がなかったということが大きなヒントになっています。私が名医だから診断できたわけじゃないんですよ。

保健室の先生相手に湿潤療法の講演をしてきました。

2015.7.11 カテゴリー|湿潤療法

 先月の話になりますが、笠間市内の小中学校の保健室の先生に湿潤療法の講演をしてきました。

 講演に先立って、「湿潤療法について知っている先生はますか?」と尋ねたらほぼ全員が手をあげました。しかし、続いて「では、湿潤療法を実践している先生はいますか?」と尋ねたら、私がPTA会長をやっている岩間中の先生がそっと手を挙げただけでした。

 湿潤療法につてい30分ほど講演をした後、質問を受け付けました。すると、一人の先生が「以前に私は(石岡第一病院にいた)夏井先生から直接講演を受けて、湿潤療法をしていました。しかし、子供も父兄も傷は消毒するものだと思っていて消毒しないで帰すと、『なんで消毒しないんだ』と文句を言われることがあったので、湿潤療法がやりたくてもやれなくなってしまいました。こういう場合どうしたらいいでしょう?」と聞かれました。

 その質問に対して、私はこう答えました。

「本来は、文句を言ってきた親に、消毒が毒であることを丁寧に説明するべきでしょうが、そんなことしていたら先生たちの仕事が増えて大変だし、もともと頭が固い人には、理解させること自体が無理でしょう。だから、生徒たちに湿潤療法を押し付ける必要はないと思います。しかし、今はインターネットが普及しているので、湿潤療法についてググったことがある人や、あるいは私や夏井先生の治療を受けたことがある人などは『消毒をしてはいけないこと』を知っています。だから、保健室に来た子供に直接、消毒を受けるか、水で洗うだけにするか聞いて、消毒を希望した子供にだけ消毒したらいいと思います。」

 

 消毒されたら痛いし、キズの治りも悪くなるし、いいこと何もないけど、本人が消毒を希望した場合は仕方ないよね。

 でもこれは、学校の保健室の話であって、当院を受診した患者さんは、そういうわけにはいかないよ。

 今でもたまに、「消毒しないんですか?」と聞いてくる患者さんがいるけど、そういう時はこう答えています。「最新医学では、消毒は傷の治りを悪くするだけで、化膿の予防にはならないことがわかっています。だから消毒はしません。今でも、創を消毒しているのは勉強不足のやぶ医者だけです。」

長女に傷心(ハートブレイク)

2015.7.08 カテゴリー|その他

 私はかれこれ10年以上加圧トレーニングを続けています。だから脱ぐとそこそこマッチョです。特に加圧トレーニングをした直後は、筋肉がパンプアップしているので、なかなかのマッチョです。

 2年前のことです。加圧トレーニングをした直後に、上腕二頭筋を膨らませて当時小学校3年生だった三女に見せました。

私「どうだ、お父さんマッチョだろう!」

三女「すごい!すごい!」

 

 それを横で見ていた当時中学校3年生だった長女がポツリと

「(同級生の)男子の方がもっとすごいよ・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

そりゃ、そうかもしれないけど、そんなこと言わなくてもいいじゃん。

お父さん傷ついちゃったよ。

 

 

 

 

 

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