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1度に1カ所しか診察できません

2015.10.06 カテゴリー|その他

 初めて来た患者さんの中には、「腰も膝も肩も全部痛い」と何カ所も診察してほしいと要求してくる患者さんがいますが、私には無理です。だからいつも「一度には1カ所しか診察できません。一番痛いところはどこですか?」と聞きます。

 

 私は一つの問題をじっくり考えるのは得意ですが、いくつもの問題を同時に考えるのが苦手です。というか出来ません。学校の試験問題やクロスワードパズルなどを1問1問解いていくことは得意ですが、将棋のように一度にたくさんのパターンを考えなきゃいけないゲームは苦手です。ゴルフのように止まっているボールを打つことにだけ集中すればいいスポーツはそこそこ出来ますが、野球のように動いているボールだけじゃなくランナーのことも一緒に見なければいけないスポーツは全く全然出来ません。

 

 腰と膝と肩を一度に診察しろと言われても、頭の中がパンクしてしまって、うまくできません。無理なものは無理なのです。だから、1回目は1番痛いところを診察して、2回目に2番目にいたいところを診察するようにしています。

 

 どうしても、1回ですべての症状の診察してほしい人は、申し訳ありませんが当院以外の医療機関を受診してください。私には無理です。

 

意外と多い大人の発達障害

2015.10.01 カテゴリー|その他

今日はこのエントリーの紹介

意外と多い大人の発達障害

http://blogos.com/article/136640/

 

 これを読んで、二人の先輩が思い浮かびました。

 一人は研修医時代にお世話になったF先生です。F先生は非常に優秀な先生でキャンベル手術書という数千ページもある手術書の、何ページに何の手術について書いてあるか暗記していました。手術も診察も指導も丁寧で非常に尊敬できる先生でした。しかしF先生は時間の計算がものすごく苦手でした。たとえば、車で片道1時間かかる場所の会合に出席するためにわたしと一緒に出発しようとしたときに、急患が入りました。F先生はその会合にどうしても出なければならなかったので、少し診察をしてから救急担当医師にこう言いました。

「会合に出なければいけないから、少し離れるけど1時間後には戻るから」

・・・・・・・・いやいや、それ絶対無理だから、往復だけで2時間かかるから。しかも実際に会合にいくと、てっきり挨拶だけでとんぼ返りするかと思いきや、座り込んで談笑を始めました。30分待っても1時間待っても腰を上げません。業を煮やしてわたしが声をかけたら、「もうそんな時間?」なんてとぼけたことを言ってました。結局、戻るまで3時間以上かかりましたが、病院の関係者はF先生のそんな行動には慣れっこなので、何も問題は起きませんでした。

 そんな時間の計算ができないF先生は、外来の診察でも一人に対して1時間でも2時間でも行います。だから1日30人くらいの予約外来が終わるのが、いつも夜中の9時頃でした。そんなF先生を慕って県内中からたくさん患者さんが集まっていました。

 当時は、優秀なF先生がなぜ時間の計算だけこんなにもできないのか不思議でしたが、軽い発達障害があったのだとしたら納得です。そんなF先生はその後出世して病院長になりましたが、管理職になってからはいろいろとご苦労をされたようです。

 

 もう一人は、ライオンズクラブの先輩です。この人はある分野の研究者としてはある程度の実績を残した人だったのですが、空気が読めず、相手の気持ちを思いやることができない人でした。友達を作るためにライオンズクラブに入ったらしいのですが、トラブルばかり起こしていました。わたしもライオンズクラブパーティーで理不尽な批判を大声でされ、ひどく傷ついたことがあります。何でこの人はわたしより20歳も年上なのに、こんなごじゃっぺで意地悪なんだろうと思っていましたが、あとからこの人が未治療のアスペルガー症候群でなんじゃないかと気がついて納得しました。この人は数年前にライオンズクラブをやめたので、今は一切つきあいがなくなったからもうどうでもいいけどね。

 

 患者さんの中にも、この人は大人の発達障害なんじゃないかと思われる人がいますが、精神科医でもないわたしがそれを指摘していいのかどうか難しいところです。

オリンピックは毎回アテネでやればいい

2015.9.17 カテゴリー|その他

 東京オリンピックの準備がぐだぐだで世界に恥をさらしています。もうね、オリンピックの開催権を返上して、アテネに委譲したらいいと思うよ。アテネには2004年のアテネオリンピックに使った施設がまだ残っているから、それをちょっと改修するだけですむでしょ。アテネのあるギリシャは今経済的に大変だけど、日本のゼネコンが入るという条件で改修費用を無償援助すればいい。それでも東京オリンピックにかかるお金より安くすむでしょ。当然、現地の人も雇用するからアテネの経済危機も救えるから、一石二鳥でしょ。

 で、その後はオリンピックを毎回アテネでやるようにすればいい。そうすればオリンピックを実行するノウハウが貯まるので、今回みたいなグダグダにならないし、そもそも開催地を決めるための無駄な戦いや、それに伴う汚職もなくなる。また、オリンピック以降使わなくなるような無駄なスポーツ施設を作らなくてすむ。一石二鳥どころか、五鳥や六鳥くらいのメリットがある。

 ついでにいえば、サッカーのワールドカップも毎回、イングランドでやればいいと思うよ。野球のWBCは毎回米国でやっているし、バレーボールのワールドカップも毎回日本でやっているから、それでいいじゃん。

 「目指せ甲子園」とか「目指せ花園」みたいに、「目指せアテネ」でいいと思うんだよね。

馬に食わせるほど薬を飲んでいる高齢者について

2015.9.10 カテゴリー|その他

 外来を受診する高齢者にお薬手帳を見せてもらうと、10種類も20種類も薬が処方されている方が時々います。「これじゃ薬だけで腹一杯になって、ご飯食えないんじゃないの」なんて冗談を言ったりしていますが、冗談じゃなくこんなに薬を飲んでいたら薬の副作用や相互作用で余計具合が悪くなるんじゃないかと心配になります。患者さんは出された薬を飲んでいるだけだから仕方がないのですが、問題はたくさんの薬を出す医師です。「何でこんなに薬を出すのだろう?調剤薬局からキックバックでももらってんじゃないかな」なんて考えていましたが、今朝、夏井先生がご自身のウェブサイトで、その理由に2対8理論を用いて見事に説明していました。

http://www.wound-treatment.jp/new.htm#0910-06:00-5

 高齢者で山ほど薬を処方されている患者さんが少なくありませんが,これも「何か起きたらどうする」と考える医者が8割を占めているからでしょう。こういうタイプの医者の特徴・共通点は「薬の足し算はできても引き算ができない」ことにあります。
 何かの薬を処方して,それで合併症や体の不調(例:鎮痛剤による消化器症状)が発生した時,その合併症や不調を治す薬を加えようとしますが,不調の原因である薬を中止するという発想は浮かびません。「今飲ませている薬を中止して,何か起きたらどうする」と考えるからでしょう(逆になぜか,「新しい薬を加えて何か起きたらどうする」という発想だけは浮かばないのが不思議)。

 私は新しい物好きの2割なので、糖質制限も湿潤療法もやっているし、トリガーポイント注射やビオチン療法、加圧トレーニング、シャンプーレスもやっています。だから薬も必要最小限しか処方しないように常に心がけています。新しい薬を増やすときは、今まで飲んでいた薬を減らすようにしています。副作用が出たときも、基本的には薬を中止して、別の薬を出すようにしています。

笠間市薬剤師会でMPSについて講演してきました

2015.8.31 カテゴリー|その他

 8月27日にポレポレホールで開催された笠間市薬剤師会勉強会で、MPS(筋筋膜性疼痛症候群)についての講演をしてきました。

 MPSのついて簡単にわかりやすく説明して、トリガーポイントの見つけ方や、治療の仕方について話しました。ところどころで笑いも取れたので、おおむね好評だったようです。

 講演後に、講演を聞いていた製薬会社の営業担当者から「ぜひ、先生のこの話を若い先生方(医師)にも聞かせてもらいたい。」と言われましたが、医師相手に講演するのはちょっと怖いですね。だって、俺の話は適当だから「EBMはあるのか」とか「根拠になる論文はあるのか」とか難しいこと聞かれても、ちゃんと答えられないし。それよりなにより、現在信じられている損傷モデル(骨や軟骨の異常が原因で痛みが出るという説)と真逆の話ですから、頭が固い医師に受け入れられずにブーイングが出るのが目に見えているからね。

 薬剤師会の先生からは「ぜひ、市民公開講座などで一般市民に対して先生の話を聞かせてください」と言われました。まあ、こっちは市民が相手ですから、難しい質問をされたりブーイングを受けたりすることはないでしょうけど、話を聞いた市民が当院に押し寄せてきて、ゆっくり診察する時間が無くなっちゃうのもちょっと嫌だな。なんちゃって。

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