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膝や股関節の変形がひどい患者さんには人工関節手術を勧めています

2014.8.19 カテゴリー|その他の治療について

 私は、首や腰や関節の痛みは骨や軟骨の変形(構造的異常)が原因ではなく、その周囲の筋肉にできたトリガーポイントが原因と考えているので、基本的に手術を勧めることはほとんどありません。ほとんどの場合、手術をしなくてもトリガーポイント注射だけで良くなるからです。

 

 しかし、膝や股関節がものすごく変形している患者さんに対しては人工関節手術を勧めています。関節がものすごく変形していると、そのせいで関節のまわりの筋肉に負担がかかりトリガーポイントができてしまい痛みが悪化します。痛みがひどいと関節をかばうようになり、関節周囲の筋肉がおちて、痛みがよりひどくなる悪循環に陥ってしまうからです。

 

 人工関節手術を受けることで、関節の形が本来の形に戻り、関節周囲の筋肉にかかる負担が減ることで痛みが軽減します。痛みが軽減することにより、関節周囲の筋肉を使うようになり、筋力が回復し痛みがより楽になるのです。

肘の滑液包炎はほっとくしかないよ

2014.8.13 カテゴリー|その他の治療について

 先月、私の父が肘のとがっている方がぽっこり腫れたと言って、当院を受診しました。

 

 これは肘の滑液包炎といって、肘の尖った部分(肘頭)にある滑液包内にある滑膜が軽い炎症を起こして滑液包の中に水がたまっている状態です。肘をテーブルについたりする刺激で炎症が起こると考えられています。太い針を刺して中の水を抜けば、一時的に腫れは引きますが、3日くらいで元に戻ってしまいます。水を抜いたときに炎症を止めるステロイド(ケナコルト)を注入しても、ほとんど効果はありません。

 

 特に治療をしなくても、あまり肘をつかないように注意してもらえば、2ヶ月くらいで自然と治ります。だから肘の滑液包炎は基本ほっとくしかありません。湿布を貼っても意味はありません。お金の無駄です。


 

 というような説明を自分の父親に説明していたときに、ふと、ほっといても自然と治ることを患者に内緒にして、「毎日、電気に通えば2ヶ月くらいで治ります。」とか説明したら、ずいぶんもうかるなぁ と思いました。

 

 もしかして、そういう方法でお金儲けしている先生もいるんじゃないかなぁ。

 

 もしかしたら、自分が今やっている治療の中にも、ほっといたら治るものに対して不必要な治療をしている可能性もあるのかな。とも思い、いろいろ考えましたが、ちょっと見つかりませんでした。

病院でもらった湿布は人にあげてはいけません。

2014.7.30 カテゴリー|その他の治療について

70代の男性

 

 肩こりがひどくて、近所のおばちゃんにもらった湿布を貼ったら、かぶれてしまったと当院を受診しました。モーラステープによる日光過敏性皮膚炎でした。

 

 モーラステープは非常に良く効く湿布なので私もよく処方しますが、日光が当たるところに貼ると、ヤケドのように皮膚がただれる日光過敏性皮膚炎になることがよくあります。なので、私も含め医師は、肩や肘や手首など日光があたるところの痛みに対してはモーラステープを極力処方しないようにしています。

 

 病院やクリニックで処方してもらった薬を、自分以外の人にあげる行為は、非常に危険なので薬事法で禁止されています。それは湿布であっても同じです。家族にもあげてはいけないことになっています。

 

 今回の患者さんは軽い日光過敏症だったので、ステロイド軟こうだけで治ると思いますが、場合によっては深いヤケドのように皮膚が著しくただれてしまうこともあります。その場合、醜い傷跡が残ることもあります。たとえ親切心からくる行為であっても、病院でもらって湿布は人にあげてはいけません。

便秘には桃核承気湯がよく効くYO

2014.5.26 カテゴリー|その他の治療について

 桃核承気湯という漢方薬があります。肥満型の腰痛に効く漢方薬なのですが、これが便秘に非常によく効きます。

 内科で、何種類も下剤をもらっても出なかった方に、この桃核承気湯を飲んでもらうと、すぐ出ます。

 トラマールやリリカなどの慢性疼痛治療薬の副作用に便秘があるのですが、この副作用の便秘にもよく効きます。

 今までおそらく100人以上の人に処方してきましたが、効かなかった人の記憶がありません。

 1日3回食前に飲む漢方薬ですが、1日3回飲むとかなりひどい便秘の人でも下痢気味になるので、その場合1日1回とか2回に減らして調整してもらっています。

 

陥入爪のとりあえずすぐに治す方法

2014.5.23 カテゴリー|その他の治療について

 陥入爪は足の親指の爪を深爪して、その結果爪が周囲の肉に食い込んで炎症が起き、そこにばい菌が入って、すごく腫れて痛くなる病気です。

 爪が肉に食い込むことが原因なので、くいこまないようにテーピングで固定する方法で治療していますが、この方法の欠点は治るまで時間がかかることです。陥入爪になる患者さんの多くはスポーツをやっている中学生です。そのような患者さんは、試合が近いとか、練習を休みたくないとかの理由で、1日でも早く治してほしいと思っています。このような場合は、局所麻酔をしてから食い込んでいる爪を切除する方法で治療しています。

 

tume1.jpg

 陥入爪では上の図のように、爪の端が肉に食い込んで、そこが炎症をおこして赤く腫れています。

 麻酔をかけてこの赤く腫れている肉をどかすと、下の図のように爪の端がとんがっていて肉に食い込んでいます。

tume3.jpg

 このとんがっている爪が諸悪の根源なので、下の図の青い斜線部のように眼科用剪刃で爪の端を丸く切ります。

tume4.jpg

 爪を切った後は、ヘモスタパッドを当てておきます。お風呂に入るときはずして、そのあとは絆創膏も何も貼らずにキズを乾燥させるようにしてもらっています。乾燥させることで腫れている肉が壊死して小さくなります。

 この方法で、ほとんどの場合、翌日から痛くなくスポーツが出来るようになります。しばらくして爪が伸びてきて、また再発する患者さんがたまにいますが、その場合はまた同じ方法で治療します。そうこうしているうちに、部活を引退してスポーツをしなくなると再発しなくなります。

 中学校の部活は実質たった2年しかないので、なるべく休ませない方法で治療してあげたいと思っています。

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