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肘の滑液包炎はほっとくしかないよ

2014.8.13 カテゴリー|その他の治療について

 先月、私の父が肘のとがっている方がぽっこり腫れたと言って、当院を受診しました。

 

 これは肘の滑液包炎といって、肘の尖った部分(肘頭)にある滑液包内にある滑膜が軽い炎症を起こして滑液包の中に水がたまっている状態です。肘をテーブルについたりする刺激で炎症が起こると考えられています。太い針を刺して中の水を抜けば、一時的に腫れは引きますが、3日くらいで元に戻ってしまいます。水を抜いたときに炎症を止めるステロイド(ケナコルト)を注入しても、ほとんど効果はありません。

 

 特に治療をしなくても、あまり肘をつかないように注意してもらえば、2ヶ月くらいで自然と治ります。だから肘の滑液包炎は基本ほっとくしかありません。湿布を貼っても意味はありません。お金の無駄です。


 

 というような説明を自分の父親に説明していたときに、ふと、ほっといても自然と治ることを患者に内緒にして、「毎日、電気に通えば2ヶ月くらいで治ります。」とか説明したら、ずいぶんもうかるなぁ と思いました。

 

 もしかして、そういう方法でお金儲けしている先生もいるんじゃないかなぁ。

 

 もしかしたら、自分が今やっている治療の中にも、ほっといたら治るものに対して不必要な治療をしている可能性もあるのかな。とも思い、いろいろ考えましたが、ちょっと見つかりませんでした。

期限切れの保険証やまる福の受給者証は使えません!

2014.8.06 カテゴリー|その他

 たまに期限切れの保険証やまる福の受給者証を受付に出す人がいますが、期限切れの保険証や受給者証は紙くずと一緒なので使えません。そんなの当たり前ですよね。でもこの当たり前のことがわかってない人がけっこういて困ります。

 

 先日、小さな娘さんを連れてきたお父さん。期限切れのまる福の受給者証を出しました。受付の人間が、「期限切れだから使えないので、新しい受給者証をもってきてもらうか、今日は3割負担で受診していただいて、あとで受給者証をもってきてもらったときに返金するかたちをとってもらうかしかありません。」と説明したところ、「受給者証は家にあるって言ってんだから、融通効せろ」と怒鳴ってきました。うちの受付はそんな脅しでびびるような人間ではないので、「融通は利きません!」ときっぱりと断ったら、そのまま怒って帰っちゃいました。

 

 当然の権利かのように「融通を利かせろ!」と言っていましたが、意味がわかって言ってるのでしょうか?期限が切れている紙くず同然の受給者証を使わせろということは、受給者証で支払われる3割分の治療費を、医院の経営者である私に肩代わりしろということです。要するに、初めてあった態度の悪い人が、私にお金を貸せということです。

 

 貸すわけないじゃん。見ず知らずの人に金を貸す人はいませんよね。

 

 医療機関にかかるときは必ず期限が切れていない保険証と受給者証を持参してくださいね。

日焼けの応急処置

2014.8.06 カテゴリー|湿潤療法

 暑い日が続いています。海やプールに行って、予想以上に日焼けをしてしまって、とても痛い思いをしている方も多いかと思います。今回は日焼けの応急処置について書きます。

 

 日焼けはヤケドと一緒です。空気に触れて皮膚が乾燥するだけで痛みが悪化します。逆に空気に触れないようにするだけで痛みが軽快します。自宅にワセリンがあるなら、ワセリンをサランラップに塗ってそれを日焼けをした皮膚に貼り付けるだけで痛みが楽になります。ワセリンがなければサラダ油でもかまいません。

 

 水疱ができた場合は、深いヤケドなので、当院と同様に湿潤療法をやっている医療機関を受診してください。

病院でもらった湿布は人にあげてはいけません。

2014.7.30 カテゴリー|その他の治療について

70代の男性

 

 肩こりがひどくて、近所のおばちゃんにもらった湿布を貼ったら、かぶれてしまったと当院を受診しました。モーラステープによる日光過敏性皮膚炎でした。

 

 モーラステープは非常に良く効く湿布なので私もよく処方しますが、日光が当たるところに貼ると、ヤケドのように皮膚がただれる日光過敏性皮膚炎になることがよくあります。なので、私も含め医師は、肩や肘や手首など日光があたるところの痛みに対してはモーラステープを極力処方しないようにしています。

 

 病院やクリニックで処方してもらった薬を、自分以外の人にあげる行為は、非常に危険なので薬事法で禁止されています。それは湿布であっても同じです。家族にもあげてはいけないことになっています。

 

 今回の患者さんは軽い日光過敏症だったので、ステロイド軟こうだけで治ると思いますが、場合によっては深いヤケドのように皮膚が著しくただれてしまうこともあります。その場合、醜い傷跡が残ることもあります。たとえ親切心からくる行為であっても、病院でもらって湿布は人にあげてはいけません。

不安が消えると痛みも消える

2014.7.24 カテゴリー|トリガーポイント注射

80代の社交ダンスが大好きなおばあさん

 

左膝が自然と痛くなったため、当院を受診しました。レントゲン上は異常はありませんでした。

ダンスのやり過ぎによる、左膝の筋痛症と診断し、トリガーポイント注射を3回ほど行いましたが、痛みがとれませんでした。

患者さん本人が某総合病院の整形外科に紹介してほしいと希望してきたので、紹介状を書きました。

その某総合病院でMRIをとり、「たいした異常はない」と言われた翌日には痛みが消えたそうです。

 

こんな小さな医院の医者が、いくら骨に異常がないから筋肉の痛みだと説明しても、納得できず、痛みに対する不安が消えなかったのでしょう。

大きな病院で精密検査をうけ、異常がないと言われたことで、安心し不安が消え、痛みも消えたのです。

 

腰や膝の痛みのほとんどは筋肉の緊張が原因です。

ストレスや不安があると精神が緊張します。精神が緊張すると筋肉も緊張します。そうすると痛みがひどくなるのです。

MRIで異常がなく安心したことで筋肉の緊張がなくなったのです。

 

薬理学的に効果が期待できない、「飲むヒアルロン酸」とか「ぐるぐるぐるぐるグルコサミン」で痛みが取れる人がいるのも、「これを飲めば痛みが取れる」という思い込みが、精神の緊張を和らげ、筋肉の緊張も和らげてくれるからです。

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