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栄養学は経済学?(その3 糖質制限)

2013.4.23 カテゴリー|糖質制限

現在、糖尿病の食事療法はカロリー制限が主流です。

 

1日の食事の摂取カロリーを制限して、その食事内容の三大栄養素のバランスは、炭水化物(糖質):タンパク質:脂質=6:2:2となるように調整します。

 

この6:2:2の栄養バランスを決めた科学的根拠はありません。

 

「日本人の平均的な食事の栄養バランスが、だいたい6:2:2だから、それと同じでいいんじゃね。」

 

てな感じで決められただけです。

 

で、このカロリー制限が主体の食事療法を厳密にやっても、糖尿病はなかなか良くなりません。多くの患者さんはだんだん悪くなっていって、そのうち、腎臓が悪くなって人工透析が必要になったり、足が腐って切断が必要になったり、網膜がやられて目が見えなくなったりします。

 

良くならない理由は、6:2:2の栄養バランスが間違っているからです。

 

三大栄養素のうち、血糖値をあげるのは炭水化物(糖質)だけです。これは生理学的事実です。

 

糖尿病は血糖値が上がって困る病気なのですから、糖質を制限すれば血糖値が上がらなくなり、糖尿病がよくなることは、子供でも分かる理屈です。

 

実際に、糖質制限で食事療法をしている病院では劇的な効果が出ています。

 

京都 高尾病院 江部康二先生のブログ

http://koujiebe.blog95.fc2.com/

 

ところが、糖尿病学会は「長期的な安全性が確認されていない」といって糖質制限に対して反対しています。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1901V_Z10C13A3CR0000/

 

長期的な安全性が確認されていなければやってはいけないのならば、新薬はすべて使えません。新しい治療法はすべて出来ません。要するに医学の進歩を否定するかなりごじゃっぺな提言です。

 

ごじゃっぺなことを言ってまで、糖質制限に反対するのは、糖質制限を認めてしまうと、今まで自分が行っていた治療が否定されてしまい権威が失墜してしまうからです。

 

また、糖質制限が広まって、糖尿病患者が減ってしまうと、自分たちと製薬会社の飯のタネが減ってしまって困るからです。

 

患者さんのことより、自分たちの権威と財布の心配をしているのです。

 

栄養学は経済学?(その2 野菜)

2013.4.23 カテゴリー|糖質制限

 野菜の1日必要量は350gと決められています。

 

 でも、同じ野菜350gでも、ジャガイモ(ほとんど炭水化物)と大豆(ほとんどタンパク質)とキュウリ(ほとんど水分)では、摂取できる栄養素が全く違います。

 

 野菜って、本当に1日に350gも必要なのでしょうか?

 

 北極圏に住むイヌイットは、何百年もの間、まったく野菜を摂取してませんでした。でも、西洋人より心筋梗塞などの病気が少ないことが有名です。

 

 サバンナに住むマサイ族も、主食は牛乳と牛の血で、野菜は全く摂取していません。それでも、強靭な肉体と運動能力を誇っています。

 

 野菜を摂らないとビタミンが不足すると言われています。

 

 でも、このページを見てください。

「ビタミンを多く含む食品」

http://homepage3.nifty.com/takakis2/vitamin.htm

 

ほとんどのビタミンは、豚肉やカツオ、鶏卵などに野菜と同等以上含まれていることがわかります。

 

肉や卵だけでは、ビタミンCとビタミンKが不足してしまいますが、果物と納豆を食べてれば十分に補えます。

 

野菜が350g必要というのは、どうも科学的根拠がなさそうです。

 

おそらくJAあたりが、厚生省に働きかけて決めたのでしょう。

 

やっぱり栄養学は経済学のようです。

 

その3に続く

栄養学は経済学?(その1 ビタミンD)

2013.4.23 カテゴリー|糖質制限

 先日、骨粗しょう症の薬(ビタミンD)を売っている製薬会社のセールスマン(MR)がきました。

 

 パンフレットのグラフを見せながら、

 

MR 「先生、日本人のほとんどが、ビタミンDの1日必要量に対して摂取量が不足しています。」

 

私 「なるほど、確かにそうだね。じゃあ、この1日必要量というのは何を根拠に決めたの?」

 

MR 「そこはわからないので、調べてきます。」

 

2週間後再び登場しました。

 

MR 「先生、すみません。一生懸命調べたのですが、ビタミンDの1日必要量を決めた根拠は見つかりませんでした。」

 

私 「たいした根拠もなく適当に決めたということ?」

 

MR 「それもわかりません。その代り、カルシウムの1日必要量を決めた理由はわかりました。カルシウムの必要量は酪農協会が牛乳を売るために厚生省に働きかけて決まったそうです。」

 

私 「政治的に決まったってことね。じゃあ、ビタミンDの必要量は製薬会社が厚生省に働きかけて決めてんじゃないの?」

 

MR 「それもわかりません・・・・・・・・・・・・・」

 

 厚生省はいろいろな栄養素の1日必要量を、科学的根拠をもとに決めるのではなく、各団体のロビー活動の結果で政治的に決めている可能性が高いようです。

 

 栄養学は経済学のようです。

 

 その2に続く

「五十肩はほっとけば治る」とか言ってる奴を訴えたい!

2013.4.19 カテゴリー|医療に関する迷信

以前に『「五十肩はほっとけば治る」は迷信』という記事を書きました。

https://nishibori-seikei.com/blog/2012/11/post-129.html

 

ほっといても自然に五十肩が治る人がいることも確かです。しかし、ほっといたことによって悪化してしまう人がいることも事実です。

 

先日来院した40代の女性も、痛くなってすぐに治療を開始すれば、数回の治療で治った可能性が高いのに、4ヶ月くらいほっといたために悪化し、肩の周りの筋肉がカチカチに固まった状態でした。

 

こうなってしまうと治療が大変です。しばらく、注射と可動域訓練で治療をしてみますが、もしそれで良くならなければ手術をして関節の動きをよくしなければいけないかもしれません。

 

医師でもないのに、不適当なアドバイスをして、患者さんの具合が悪くなったら、それはもう立派な傷害罪です。先ほどの患者さんにも冗談交じりに、

 

「間違ったよけいなアドバイスをした人を、傷害罪で訴えてください。」

 

といったら、

 

「大勢いすぎて、訴えられません。」

 

と答えられてしまいました・・・・・・・・・・・・・・・

 

2回目の禁煙治療の成功率

2013.4.19 カテゴリー|その他の治療について

当院では健康保険で、禁煙治療を受けることができます。

 

一度禁煙治療を受けて失敗しても、1年たてば2回目の禁煙治療を受けることができます。

 

当院で、2回目の禁煙治療を受けた患者さんの数は14例で成功は7例です。成功率は50%です。

 

1回目の禁煙治療の成功率は約60%なので、2回目は若干成功率が下がります。

 

性別では、男性の成功率が83%もあるのに対し、女性の成功率はたった25%です。

 

年齢別では、若い人ほど成功率が高い傾向がありました。

 

これは、男性より女性のほうがニコチンに対する依存度が強くなりやすく、また喫煙歴が長いほどニコチンに対する依存度が強くなるからだと思われます。

 

治療方法では、治療法を変える(例えば、チャンピックスからニコチンパッチ)より、前回と同じ治療法で再トライしたほうが成功率が高いことがわかりました。

 

 女性は一度喫煙を始めると、なかなか止められないのです。最初から吸わないのが一番です。

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