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歩いて痩せるなら太った小学生はいない

2016.11.22 カテゴリー|医療に関する迷信

 患者さんから「痩せるために一生懸命歩いているけど、ちっとも痩せない。」と相談を受けることがあります。

 そんなとき私は、「ウォーキングはたいした運動じゃないからダイエットにもならないし、筋肉もつかないよ。歩くだけで痩せるなら(毎日歩いて通学している)小学生にデブはいないでしょ。」と答えます。

 私の小学校の同級生のUくんは、学校から一番遠いところにすんでいて、通学で毎日6km以上歩いていましたが、学校一の肥満児でした。

 

 歩いても痩せないよ。痩せるためには糖質制限をしましょう。

 歩いても筋肉はつかないよ。筋肉をつけるためには筋トレ(加圧トレーニング)をしましょう。

 

「ウォーキングはダイエットにいい」は迷信

https://nishibori-seikei.com/blog/2012/11/post-135.html

<受動喫煙防止>他人の煙 迷惑、やめて...ロゴマーク発表

2016.11.15 カテゴリー|その他

<受動喫煙防止>他人の煙 迷惑、やめて…ロゴマーク発表

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161114-00000036-mai-soci

厚生労働省は14日、受動喫煙のない社会を目指すロゴマークを発表した。マークは企業のホームページや印刷物、名刺などで自由に使えるフリー素材だ。同日発表された2015年の国民健康・栄養調査では、20歳以上の男女が過去1カ月間で受動喫煙を経験した場所は飲食店が最も多く、41.4%に上った。厚労省は「ロゴマークを活用し、受動喫煙をなくす機運を高めたい」と説明する。


 飲み会の席などで、隣の席の人に「タバコ吸ってもいいですか?」って聞かれたとき、本当はすごく嫌なんだけど「嫌です。」とは言えませんよね。んで、そうやって聞いてくる人はたいていすごいヘビースモーカーで、飲み会の最中、ずっとタバコを吸っている。家に帰るころには、体中たばこ臭くて、スーツなんかもう捨てちゃおうかと思うくらい臭くなる。でも、もったいないから消臭剤かけてごまかす。

 せっかく、厚労省がロゴマーク作ってくれたんだから、ステッカーにして飲み会のときおでこに貼っとこうかな。

我慢をすると痛みはひどくなる!

2016.11.07 カテゴリー|トリガーポイント注射

 「痛み止めはなるべく使わないほうがいいので、我慢できなくなってから使ったほうがいい」
 
 「痛み止めは痛みを止めているだけなので、治療にはならない」
 
 と思い込んでいる方が今でもたくさんいるようです。しかしこれらが完全に誤った迷信であることが、近年の医学研究でわかってきました。
 
 痛みを我慢すればするほど、痛みはひどくなります。痛みとは体に異常があることを脳に知らせるためのサイレンです。痛みを我慢するということは、このサイレンを無視していることと同じことです。サイレンを無視された体は、交感神経を介してさらに痛みをひどくすることで、もっと大きなサイレンを脳に送ります。こうして我慢すれば我慢するほど痛みがひどくなる悪循環に陥ります。
 
 痛みの情報は皮膚や筋肉にあるセンサーで感知されて電気信号として脳に送られますが、ある値より小さい痛みは痛みとして認識されません。この値を閾値(しきいち)といいます。痛みは発生後に時間とともに強くなっていきます。そして閾値を超えたときに初めて痛みとして認識されます。この時点で痛み止めの治療をすれば、痛みはすぐに閾値より下になるので、速やかに痛みが消えます。しかし、限界まで我慢した時点で痛みを治療した場合は、痛みは閾値より下にならないので痛みは消えません。そのため痛みの悪循環が止まらず痛みはさらにひどくなります。だから我慢した後では痛み止めが効かないのです。
 
 痛みの原因は2種類に分けられます。ひとつは、切り傷や火傷、骨折や捻挫、あるいは癌や化膿など、体の組織の損傷に伴う痛みです。もうひとつは腰痛や肩こり、40肩、坐骨神経痛など体の損傷を伴わない痛みです。体の損傷を伴わない痛みの原因は筋肉の部分的な痙攣(トリガーポイント)です。
 
 ストレスにより心の緊張状態が続くと、交感神経の働きが過剰になり、筋肉が痙攣して痛みが発生します。痛みが発生すると痛みに対する不安がストレスになり、さらに交感神経の働きが過剰になり筋肉をもっと痙攣させ痛みをひどくさせます。これが痛みの悪循環です。
 
 なるべく早い時期に、痛み止めの治療を徹底的に行い、一時的にでも痛みを消してしまうことでこの悪循環が止まり痛みから解放することが出来ます。治療としては、痛み止めの薬や筋肉の痙攣をとめる薬の内服、筋肉の痙攣を止める注射(トリガーポイント注射)や関節内注射などがあげられます。特にトリガーポイント注射は速効性があり、有効性が高く、健康保険で週3回まで行うことが出来るのでお勧めです。これらの治療でよくならない場合、交感神経の働きを抑える目的で、抗うつ薬や抗てんかん薬を使用するときもあります。
 
 高血圧のお薬(降圧薬)は血圧を下げているだけで、高血圧の原因を治しているわけではありません。糖尿病のお薬も血糖値を下げているだけで、糖尿病の原因を治しているわけではありません。だから基本的に死ぬまで飲まなければいけません。
 
 でも痛み止めの薬は、痛みの原因である筋肉の部分的な痙攣(トリガーポイント)を治すことが出来ます。だから痛みがなくなったら飲まなくてもいいのです。
 
 少し難しい話になってしまいましたが、要するに「痛みは我慢せず、すぐに薬や注射で治療したほうが早く治る」ということです。
 

夏井先生から太鼓判をもらいました。

2016.11.02 カテゴリー|湿潤療法

今朝の夏井先生のウェブサイトで昨日私が送信したメールが紹介されました。

http://www.wound-treatment.jp/new.htm#1102-3

  • 茨城県の「にしぼり整形外科」の西堀先生からの報告メール。
     9月にご紹介いただいた。腱剥離術後の皮膚壊死の症例ですが、無事上皮化いたしましたので、ご報告いたします。まだ、可動域制限は残っていますので、可動域訓練は今後も続けていきます。

     経過をブログに載せましたのでご参照ください。
     「この先生なら難しい症例でも大丈夫!」という医師の一人が西堀先生です。

 夏井先生から「この先生なら難しい症例でも大丈夫!」と太鼓判を押してもらいました。
 毎朝、夏井先生のウェブサイトで勉強している甲斐がありました。
 これからもがんばるぞー!
 

指の手術後の皮膚壊死の治療

2016.11.01 カテゴリー|湿潤療法

 30代の男性 

 

 東北地方の山奥で渓流釣りをしていて転倒し、右中指のPIP関節を開放性脱臼しました。開放性脱臼とは、関節が外れて、関節の骨が皮膚を突き破って外に飛び出している状態です。近くの病院に救急搬送され、靱帯再建術(?)と創外固定術を受けました。40日後に創外固定を外して退院しましたが、PIP関節が90度の状態で動かなくなっていました。

 

 リハビリ目的で、現住所の近くの総合病院の整形外科に紹介されましたが、「リハビリでは動くようにはならない」と説明を受け、腱剥離術を受けました。その後、手術部の皮膚が壊死してきたため、再手術(植皮術?)が必要だと説明されたため、ネットで調べて練馬光が丘病院の夏井先生の外来を受診しました。「湿潤療法で治るでしょう。」と説明され、プラスモイストを患部に当ててもらい、自宅に近い当院に紹介されました。

 

 初診時の画像です。

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 創の中央部に白色壊死を認め、その周囲の皮膚はただれてびらんになっていました。創周囲のただれは、消毒薬による接触性皮膚炎と診断し、マイザー軟膏を塗布してプラスモイストで指全体を覆いました。

 

 4日後の画像です。

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 周囲のびらんは改善しました。抜糸をして白色壊死を溶かすために被覆材をハイドロコロイドにへんこうしました。

 

 初診時より2週間後の画像です。

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 白色壊死は溶けて無くなり、屈筋腱が見える状態になりましたが、このままハイドロコロイドによる湿潤療法を続けました。また、同時にハンドインキュベータによる可動域訓練も開始しました。

 

 初診時より4週間後の画像です。

14928d.jpg

 初診時より7週間後の画像です。

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 初診時より10週間後の画像です。

14928f.jpg

 屈筋腱も隠れて、上皮化したので湿潤療法を終りにしました。

 

 現在もハンドインキュベーターでリハビリ中です。30度くらいは動くようになりましたが、元通りに戻るのは難しいと思われます。PIP関節の周囲は腱や靱帯が複雑かつ繊細に絡み合った構造をしているので、一度壊してしまうと元通りに戻すのはなかなか難しい場所なのです。

 

 ハンドインキュベーターとは手のリハビリ用の機械です。空気圧をかけて、手の浮腫をとりながら自動運動をしてもらうので、外傷後の可動域制限の改善や、CRPSによる痛みや浮腫に非常に有効です。

 

ハンドインキュベーター

https://www.sigmax-med.jp/medical/products/568

 

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