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2014.12.08 カテゴリー|トリガーポイント注射
トリガーポイント注射で良くなった人
40代男性 4月ごろから左殿部からだいたい後面にかけての痛みが出現し、某整形外科で腰部脊柱管狭窄症と診断されトラムセットとリリカを処方されていましたが、症状が改善しないため、9月に当院を受診しました。診察の結果、大臀筋とハムストリング筋の筋筋膜性疼痛症候群と診断し、トリガーポイント注射を1~2週に1回のわりあいで7回行ったら痛みがだいぶ良くなったと喜んでいました。
トリガーポイント注射で良くならなかった人
70代男性 3年前に両臀部痛が出現し、某診療所で腰部脊柱管狭窄症と診断されブロック注射を何度か受けて一度症状が改善しましたが、1ヶ月前からまた痛くなったと、当院を受診しました。腰や殿部、大腿部にトリガーポイントを見つけたので、週2回のトリガーポイント注射を1年以上続けましたが、症状が3割程度しか良くなってないと嘆いています。
トリガーポイント注射で良くなる人と良くならなかった人の違いはなんでしょう?
痛みの部位や、痛くなってからの時間、痛みの原因になった外傷の有無など、いろいろな要素があると思いますが、私の感覚としては、患者さんの性格が一番重要な要素のように感じています。素直で前向きな人は良くなるけど、頑固でこだわりが強い人はなかなか良くならないことが多いです。
素直な性格の人は私の説明をすぐに信じてくれ、この注射を受ければ良くなると思い込んでくれるので、プラセボ効果がアップして注射が良く効きます。また前向きな人は、注射で症状が少しでも良くなると、この注射を続ければきっと良くなると思い込んでくれるので、痛みの悪循環が止まり、どんどん良くなっていきます。
頑固な人は、私の「骨の変形は関係なく筋肉の痛みです。」という説明に対して半信半疑です。だからプラセボ効果が働かず注射があまり効きません。またこだわりが強い人は、痛みが少し良くなっても残った痛みについてくよくよ悩むので、痛みの悪循環がとまらずいつまでも痛みが続きます。
このような患者さんに対して、痛みについてくよくよ悩まず前向きに考えるように促していますが、性格までは変えられないので、なかなかうまくいきません。
2014.11.28 カテゴリー|加圧トレーニング
50代の女性が、NHKの「ためしてガッテン」でやっていた筋トレを見よう見まねでやってから右膝痛が出現し、1ヶ月半たっても痛みが取れないため、当院を受診しました。膝の内側にトリガーポイントを認めたので、そこにトリガーポイント注射をしました。
この方のようにテレビでやっている筋トレや運動をしてから痛みが出たと行って、当院を受診する患者さんが後を絶ちません。なぜ、テレビでやっている運動をやると痛みが出てしまうのでしょう。
テレビの中の先生が説明いる通りには正しく体を動かしているつもりでも、ほとんどの人はその通りにはできません。目で見たイメージのまま体を動かせるのは、プロスポーツ選手など一部の選ばれた人たちだけです。間違ったやり方で体を動かしているので痛くなってしまうのです。
また、筋トレはその人の筋力や体力、体型に合わせて筋肉にかける負荷を調整しなければ効果がないだけでなく、怪我の原因になってしまいます。たとえば、同じ腕立て伏せをしたとしても、太っている人とやせている人では筋肉にかかる負荷が全然違います。今回の患者さんもかなり太めだったので、テレビの中のモデルさんと同じように体を動かしても、ものすごい負荷がかかってしまったのでしょう。
若い人だったら、多少やり方が間違っていても、多少負荷が重くなっても、それほど問題はないでしょうが、筋力や骨や関節が弱っている高齢者は大きな怪我につながる可能性があります。なので、テレビでやっている運動はあまりやんないほうがいいと思います。
当院で行っている加圧トレーニングは、短時間の軽い負荷の簡単な運動で効果的に筋力強化をすることができます。インストラクターが一人一人にあった負荷と運動を選択し、正しいやり方を教えてくれるので、怪我の心配がありません。だから高齢者でも安心してうけることができます。
テレビなんか見てないで加圧トレーニングに通いましょう!
2014.11.27 カテゴリー|糖質制限
先日、ライオンズクラブのメンバーと焼き鳥屋に行ったときに、メンバーの一人が「俺は中性脂肪が高いから、(油っぽい)鶏皮は食えない」と言いました。その時は私は、「中性脂肪をあげるのは炭水化物(糖質)だから、鶏皮を食べてもほとんど上がりませんよ」と教えようかと思いましたが、そこで糖質制限について一講義ぶっても、座がしらけるだけだと感じて、黙っていました。間違った「脂肪悪玉説」が世の中にあまりにも深く浸透しているため、それを酔っ払い相手に説明しても理解してもらえないと思ったのです。
しかし、炭水化物が脂肪より体に悪いことは、米国の研究でも証明されています。
炭水化物は飽和脂肪より体に悪い?研究
http://www.afpbb.com/articles/-/3032530
研究チームは今回の研究で、実験に参加した16人に対し、4か月半の厳しい食事管理を行った。食事の内容は3週ごとに変更され、含まれる炭水化物、総脂質、飽和脂肪が調整された。
その結果、食事中の炭水化物を減らして飽和脂肪を増やした場合、血液中の飽和脂肪の総量は増加しなかった。それどころか大半の参加者で血中の飽和脂肪が低下していたことを研究チームは確認した。
参加者は実験終了までに、血糖、インスリン、血圧に「著しい改善」がみられ、体重も平均で10キロ減少したという。
脂肪悪玉説は、天動説と同じ古くて間違った仮説です。体に悪いのは炭水化物です!
2014.11.21 カテゴリー|ビオチン療法
タイトルは映画の「桐島 部活やめるってよ」のもじりです。他意はありません。
ビオチン療法の第一人者である本状第一病院の前橋賢先生が、今年の9月末に病院を辞めたそうです。
前橋先生のところに通っていた患者さんの元に、9月下旬に病院から突然手紙が送られてきて、そこに「前橋先生が9月いっぱいで病院を辞めることになったので、紹介状がほしい患者様は病院に申請してください(要約)」と書かれていました。そして、ビオチン療法をやってくれる医師のリストも添えられていました。(そのリストに当院は載っていませんでした。)
しかし、患者さんがリストに載っている病院に電話で問い合わせたところ、ほとんどの病院から前橋先生と同じ治療はできないと断られたそうです。困り果てて、ネットで調べて当院を受診した患者さんが何人もいます。
当院では基本的に前橋先生と同じ治療をしています。違いがあるとしたら、ステロイドをあまり使わないようにしていることと、薬の一包化をしてないことくらいですかね。
ステロイドをあまり使わない理由は、ステロイドを使いすぎると皮膚が薄くなって割れやすくなり、かえって手のひらや足の裏の痛みがひどくなるからです。ステロイドは皮膚炎の症状を一時的に緩和するだけで掌蹠膿疱症が治るわけではないので、かゆみや痛みがひどいときだけ塗ってもらうようにしています。
薬を一包化しない理由は、ビオチンと一緒に出すビタミンCは、光に当たると効果が弱くなってしますからです。
あと、禁煙してない患者さんを怒鳴ったりもしません。ただ「禁煙しなきゃ絶対に治らないよ」と冷たく言うだけです。
前橋先生が突然辞めた理由がいまいちわかりません。前橋先生はかなりのご高齢なので、健康上の理由で辞めたのかと思っていましたが、そうではないようです。ちなみに病院からの手紙には「遠隔地の患者様が多く対応が困難になったため」と書かれてありました。意味不明です。
2014.11.18 カテゴリー|その他
今日はこちらの記事の紹介
日本人の死因の1位がガン。2位が心臓系。3位が肺炎。1、2、3、全部下がっちゃった。すごいですよね。何がポイントか。多分、僕が思うに予防の意識ですね。市民が予防のほうに意識を変える。病院があるから安心、ではなくて、しっかり自分で出来る事はやるんだぞ、と。この予防の意識。
日本人の病気の大部分は、生活習慣病からおきているといいます。だったら、生活習慣を変えればいいじゃないですか。みんなわかってるけど、できない。
あともうひとつ。終末期医療。残念ながら日本人の死亡率は100%。日本人だけじゃないですけどね。いずれ医療が解決できない問題がやってきます。その時に、しっかりと終末期のイメージを持っているか、持っていないか。家族と話し合っているか、話し合っていないか。地域の人たちとそういう話をしているか、していないか。
以前にも、「人口当たりの医師数が多く、一人当たりの年間医療費が高い都道府県ほど、健康寿命が短い」https://nishibori-seikei.com/blog/2014/06/post-423.htmlという記事を書きました。
医療機関へのアクセスが悪いほど、高齢者が元気だということだと思います。
医療機関へのアクセスがいいと、それだけで安心して生活習慣を見直さない。そして、たいしたことない症状でも医療機関を受診して検査を受け、薬をもらう。薬をもらうとそれだけでまた安心して生活習慣が乱れる。また薬の副作用でも具合が悪くなる。また医療機関を受診する。さらに薬が増える。・・・エンドレスリピート
その結果、高齢者は元気じゃなくなり、医療費がどんどん増大します。
年齢の割にすごく元気なおじいちゃんやおばあちゃんはたいてい薬をほとんど飲んでいません。元気だから薬を飲んでないというより、薬を飲んでないから元気なんじゃないかなと思うことがあります。
前にも書きましたが、ピンピンコロリと死にたければ、なるべく医者にかからない方がいいのかもしれません。