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左手の深い熱傷

2012.6.05 カテゴリー|湿潤療法

 42歳の男性

 子供たちと蝋人形作りをしていて、あやまって溶けた蠟をかけてしまい受傷しました。

 他の皮膚科を受診して処置を受けましたが、会社の同僚から勧められ受傷2日後に当院を受診しました。

 初診時所見

 手首から母指にかけての深い2度の熱傷でした。

H24.05.21 初診時→1週後.jpg

 前医では、水泡膜を破らず、そのままハイドロコロイドで覆ていました。

 ハイドロコロイドは湿潤療法のために開発された創傷被覆材ですが、浸出液が少ない層に使用するもので、熱傷の初期などの浸出液が多い時期には適しません。(それでも、従来の熱傷治療で使用されているゲーベンクリームなどの組織障害性が高いクリームを塗られているより100倍マシでしたが・・・)

 水泡膜を除去して穴あきポリ袋とペットシートで被覆しました。

 

 2週間後

H24.05.28 2週間後.jpg

 手首の一部を残して上皮化しました。手首の傷は自宅でプラスモイストを交換してもらうことにしました。

 3週間後

H24.06.04 治癒.jpg

きれいに治りました。

可動域制限もありません。

 

 

植皮が必要だと言われた1歳の男の子

2012.6.04 カテゴリー|湿潤療法

 アイロンで右手首から手背をヤケドした1歳の男の子

 受傷後すぐに某総合病院の皮膚科を受診しまし、消毒とガーゼと軟膏による処置を受け、2週間たっても治癒しなかったため、担当医から

「植皮が必要だ。全身麻酔でうなじや足の裏の皮膚をとって移植する。」と言われました。

 不安に思った両親がインターネットで調べて当院を受診しました。

受診時の写真

 

H19.07.10 7月10日.jpg ただちに湿潤療法を始めました。

6週間後
H19.08.21 治癒.jpg

 きれいに皮膚が再生されました。関節の拘縮もありませんでした。

 もし植皮手術を受けていたら、うなじや足の裏に不必要な傷跡が残ってしまうところでした。

 ほとんどのヤケドは植皮手術を受けなくても、湿潤療法で治すことができます。 

湿潤療法のエキスパートです。

2012.5.29 カテゴリー|湿潤療法

 湿潤療法のパイオニア練馬光が丘病院の夏井睦先生に送った僕のメールが先生のホームページ「新しい創傷治療」の更新履歴で紹介してもらえました。

http://www.wound-treatment.jp/

http://www.wound-treatment.jp/title_new.htm


以下、ホームページからの抜粋




 
茨城県の湿潤治療のエキスパートの一人西堀先生からのメール。  

 先生に紹介していただいた患者さんは、引き続き湿潤療法を継続していて、皆さん経過良好です。患者さんの一人に「西堀先生は、しゃべり方や言ってること、しぐさが夏井先生そっくりだ。」と言われました。
 先生の外来を見学したことはないのですが、毎日ホームページを見ているだけで、自然と似てしまうものなのでしょうか? 不思議です。

 1月末ごろから糖質制限を初めて、約4か月で体重76.6㎏→70.8㎏ 体脂肪率25.6%→22.9% に減り、大学を卒業したころの体重に戻りました。

 糖質制限を、始めたころは食事で糖質を取るとすぐに体重が増えていたのですが、最近は、たまに寿司やうな重やラーメンなどを食べても体重が増えなくなりました。いい方に体質が変わってきているようです。

 
「糖質制限をやってみてよかった」という人はたくさんいますが,「糖質制限をしなきゃよかった」という人がほとんどいません。これってすごいことですよね。普通のダイエット法(あるいは治療法)の場合,「このダイエット(治療法)をしてみてよかった」という人と「このダイエット(治療法),しなければよかった」という人に分かれますから。





 茨城の湿潤療法のエキスパートなんて紹介されちゃった。超うれしい。
 

赤ちゃんの顔のヤケド

2012.3.27 カテゴリー|湿潤療法

 先週、顎から首にかけて火傷を負った3か月の女の子の赤ちゃんが受診しました。

 おかあさんが抱っこしているときに誤って、マグカップに入ったお湯をこぼしてしまったそうです。

 急いで、近くの皮膚科を受診しました。皮膚科では消毒を受けてハイドロコロイド剤を貼ってもらったようです。

 お母さんが恐る恐る皮膚科医師に「アトが残りますか?」と聞いたところ、その皮膚科医から、

「残るに決まっているだろう!」

 と言われたそうです。それで心配になり、ネットで調べて、当院を受診しました。

 顎から首にかけての浅い2度の熱傷でした。

「湿潤療法できちんと治療すれば、目立つようなアトは残らないと思いますよ。」

 と説明したところ、お母さんはとても安心したようです。

 念のため毎日通院してもらい、熱傷の状態によって被覆材を変更しながら湿潤療法を続けました。治療開始から6日目できれいに皮膚が出来ました。

 今後は、皮膚が乾燥しないようにしばらくワセリンで保湿してもらいます。また、日焼けをすると色素沈着が残ることがあるので、今年の秋ぐらいまでは日焼けさせないように説明しました。

 すごくきれいに治ったのですが、デジカメをとることを忘れてしまいまい、画像で見せることができないのが残念です。いつも治ってからデジカメで撮っておくんだったと思うんですよね。 

褥瘡に対するラップ療法

2012.3.07 カテゴリー|湿潤療法

当院のホームページhttps://nishibori-seikei.com/に次のようなお問い合わせがありました。
 


祖母の褥瘡で悩んでおります。

 

先生のところでは、褥瘡の治療は行っていらっしゃいますでしょうか。

 

例えば、イソジンゲル、ユーパスタ等の薬を処方して頂き、家でラップ療法を行うことはできるのでしょうか。

 

お忙しいところ申し訳ありませんが、お返事下さいますと幸いでございます。

 

どうぞ宜しくお願い致します。
 


それに対する私の返事

お問合せありがとうございます。

当院でも褥瘡の治療は行っています。

当院は湿潤療法(ラップ療法)を行っていますが、イソジンゲルやユーパスタなど傷を深くするだけで、感染予防効果がない有害な軟膏は使用してません。

何度か通ってもらい処置のやり方を覚えて頂き、褥瘡の状態が落ち着いたら、創傷治療用の材料(プラスモイストトップなど)を購入していただき、自宅で処置してもらいます。

褥瘡の状態にもよりますが、その後の通院は2週間に1度程度になると思います。

 



 その後、この患者さんは受診してません。
 現在やっているイソジンゲルやユーパスタによる治療を、私が否定したからかもしれません。

 

褥瘡に対するラップ療法と、キズやヤケドに対して行っている湿潤療法は基本的に同じものなので、ラップ療法でも褥瘡の消毒や、消毒薬を含んだ軟膏の塗布は行いません。

 イソジン等の消毒薬は、褥瘡の中の細菌の数を一時的に減らしますが、1時間もすると元に戻ってしまいます。いくら消毒しても、細菌感染を防ぐことはできません。

 消毒薬は、最近を減らす以上に褥瘡の中の正常な細胞を傷つけてしまいます。その結果、消毒をすると褥瘡はより深くなってしまいます。

 湿潤療法やラップ療法では、創を消毒しないことが大原則です。イソジンゲルやユーパスタなど、創の中の細胞を著しく傷害する軟膏を使うことは決してありません。

 褥瘡は、ウェットティッシュなどできれいに拭いてもらい、乾かないようにラップやプラスモイストなどの創傷被覆材で覆うだけで、よくなっていきます。 

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