2018.6.08 カテゴリー|トリガーポイント注射
当院はトリガーポイント注射にネオビタカインシリンジを使用しています。
その使用量が、昨年度は全国20位だったそうです。
このランキングには、医者が何百人もいる大学病院や総合病院も含まれているので、地方で一人でやっている開業医が20位に入っていると言われて、我がことながらびっくりしました。
トリガーポイント注射を打っている回数が全国トップクラスということです。
トリガーポイント注射は医師なら誰でも出来る簡単な注射ですが、トリガーポイントの見つけ方や注射針の刺す深さや角度にコツがいります。
ゴルフでもなんでも、たまにやる人よりたくさんやっている人の方がうまいでしょ。
本当にうまいかどうかは、ゴルフみたいにスコアが出るわけじゃないからわからないけどね。
まあでも、この結果におごることなく精進してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
2018.5.15 カテゴリー|トリガーポイント注射
60代の男性
2年くらい前にジョギング中に右ふくらはぎが攣って痛くなりました。その後右殿部痛も出現し、3カ所くらいの病院を回って原因不明と言われ、某総合病院でMRIを撮り、腰椎椎間板ヘルニアと診断され、ボルタレンSRとオパルモンが処方されましたが、良くならずむしろ痛みは悪化していきました。
「治すには、入院して手術をするしかないが、切ってみないと良くなるかどうかわからない。」と言われ、ググって1年前に当院を受診しました。
おしりとふくらはぎにトリガーポイントを認めました。
「ジョギング中に筋肉を痛めて、それが慢性化しているだけです。椎間板ヘルニアは痛みと関係ありません。」
と説明して、トリガーポイント注射を打ってトラムセットを処方しました。
1回目の注射でおしり痛みが改善しました
2回目の注射でふくらはぎの痛みもだいぶ良くなりました。
その後も週1回通院してもらっていて順調に良くなっています。
ジョギング中に急にふくらはぎが痛くなったら、普通に考えて痛みの原因は筋肉の痙攣だよね。
なんで、腰のヘルニアのせいになっちゃうかなぁ。
2018.5.10 カテゴリー|トリガーポイント注射
痛みの治療は、プラセボ効果をいかにうまく使うかにかかっていると思います。
飲み薬だって、湿布だって、トリガーポイント注射だって、この治療を受ければ良くなるという思い込みがあれば、すごく良く効きます。
特に湿布やテープ剤はプラセボ効果が高いと思うんです。
一般的には湿布やテープ剤に含まれている痛み止めの成分(モーラステープだったらケトプロフェン)が皮膚から吸収されて効果を発揮すると言われていますが、私は違うんじゃないのと思っています。
そもそも皮膚は厚い角質で覆われているので、薬剤を吸収するようには出来ていません。痛み止めの成分が角質を通過して皮下脂肪を乗り越え分厚い筋膜を通り抜け、筋肉の中にある痛みの原因トリガーポイントに到達するなどという都合がいいことが本当に起こるとはとても思えないのです。
湿布やテープ剤はると皮膚にビリビリとした刺激があります。この刺激が脳に伝わることで、その分トリガーポイントの痛みの刺激が脳に伝わることを抑制するんじゃないかと考えています。
たとえば、蚊に刺されたときに刺された部位を爪で立ててバッテン印をつけると、痒みが少し楽になります。これは痛み刺激が痒み刺激を抑えるためです。これと同じことが湿布やテープ剤を貼ったときにも起きているのではないでしょうか。
だから湿布やテープ剤はほどよくビリビリしたほうがよく効くのです。
昨日のブログでモーラステープについて書いたら、大学の同級生から「今どきモーラステープなんか処方するからそんなことになる」とコメントをもらいました。
それはそうなんだけどね。ただね、モーラステープが一番ほどよくビリビリするんだよね。なのでビキニを着る機会がなさそうな腰痛の患者さんには今でも処方してます。
あと、モーラステープが一番効くと思っている患者さんにはモーラステープが一番効くのよ。だってプラセボ効果だから。
2018.5.08 カテゴリー|トリガーポイント注射
4月21日にカントリークラブザレイクスに行きました。1番ホール、ボギーで上がり、2番ホールもパーパットをわずかに外してOKボギー。「今日はまあまあ調子がいいぞ」と思いながらボールを拾ったときに、腰がグキッときました。
すぐに腰にモーラステープを貼ってトラムセットを飲みました。(これらの薬はゴルフバックに常備しています。)そしたら、クラブを振れるくらいの痛みになったので、そのままゴルフを続けました。
しかし、7番ロングホールのセカンドショットを打とうとカートから立ち上がったときに、痛みがひどくなりました。前屈みになれないので、突っ立ったまま振ったらチョロ、次もチョロ、またまたチョロ。結局11回も打ってしました。
そのまま無理矢理ゴルフを続け、昼休みにいったん家に帰り、妻にトリガーポイント注射を打ってもらいました。そしたら、いくらか良くなってクラブが振れるようになったので、後半もそのままスタートしました。昼休みの間に、座ると腰の筋肉が固まって痛みがひどくなることに気がついたので、後半はカートに乗らず、ずっと歩いて回りました。
まあまあ調子よく回っていたのですが、池越えの16番ショートホールで前の組を待っている間、うっかりカートに座ってしまい、また腰痛が再発してしました。前屈みになれないので、池越えはとても出来そうにありません。ボールを池に入れれば、1打罰でグリーンの近くのドロップエリアから打てます。とにかくボールを池に入れようと打ちましたが、チョロって池の手前までしか転がりません。もう一度打ちましたがまたチョロって池の前。3打目でようやく池に入って、5打目をドロップエリアから打って、何とか7回で上がりました。そんなこんなで、トータルで104回も打ってしまいました。
家に帰ってから、もう一度トリガーポイント注射をしてもらって、翌日の朝もトリガーポイント注射を打ったら、だいぶ良くなってその日の日曜外来はなんとか最後までできました。(私の場合、自家診療で健康保険が使えないから、1日2回トリガーポイント注射をしましたが、健康保険を使う場合は1日1回しかトリガーポイント注射を打てませんよ。)
その次の日には痛みはほとんどなくなって、ぎっくり腰になってから4日後の25日には、再びカントリークラブザレイクスに行って、午後のスループレーをしました。腰をかばって突っ立ってパッティングしていたのでパットがちっとも入らず100叩いちゃいました。
ぎっくり腰になってから1週間後の28日には、スターツ笠間オープンコンペに参加しました。腰も完全に治っていたので89回でした。
同伴者に今回のぎっくり腰の話をしたら「ぎっくり腰をして1週間しか経ってないのに、そんなにフルショットして大丈夫なんですか。」と驚かれました。
トリガーポイント注射をすればぎっくり腰は1~2日で治るんだけどな。みんな知らないんだね。
2018.3.05 カテゴリー|トリガーポイント注射
62歳の男性
2週間前に庭木の手入れをしてから右肩が痛くなり当院を受診しました。
画像所見と理学所見から五十肩(肩関節周囲炎)と診断し、肩峰下滑液包ブロックをして、ロキソニンを処方しました。
その後も2週間に1度くらい通院してもらって、トリガーポイント注射なども行いましたが、症状は悪化と改善を繰り返していました。
そうこうしてるうちに3ヶ月経ってしまいました。
すでに慢性痛になっていると診断し、サインバルタ20mg1カプセルを処方しました。
すると1回飲んだだけで痛みは嘘のように消えたそうです。
66歳の男性
2ヶ月前から両肩が痛くなり当院を受診しました。
画像所見と理学所見から五十肩(肩関節周囲炎)と診断しました。
この方は、肩の屈曲(腕を前から上に上げる動き)が右110度、左80度しかなく、ひどい肩関節拘縮もありました。
ストレッチのやり方を指導して、肩峰下滑液包ブロックをして、ロキソニンを処方しましたが2週間経ってもちっとも良くなりませんでした。
そこでロキソニンからサインバルタに変更しました。
1週間後、痛みはさっぱり変わらないけど副作用もなかったということで、サインバルタを2カプセルに増やしました。
2週間後、いくらかいいような気がするということなのでサインバルタを3カプセルに増やしました。
3週間後、バッチリ良くなったそうです。肩の屈曲も右140度、左130度に改善していました。
サインバルタは五十肩にもけっこう効くみたいです。