2018.4.17 カテゴリー|その他の治療について
足のグーパー体操とは、下の写真のように足の指をグーパーと動かすだけの体操です。
簡単な体操だと思うでしょうが、実際やってみてください。
うまくできない人がけっこういると思いますよ。
外反母趾の患者さんや、足首の骨折や捻挫の患者さんにこの足のグーパー体操をやるように指導しますが、ほとんどの人がうまくできません。
足の指には下の写真のようにMP関節とPIP関節があります。
皆さん、PIP関節は曲げられますが、MP関節はほとんど曲げられません。
PIP関節を曲げる筋肉はふくらはぎにもありますが、MP関節を曲げる関節は足の裏と足の甲の骨の間にしかありません。
靴を履いて歩いているとこの足の裏や骨の間の筋肉を使わなくても歩けるので、筋肉が弱くなってしまいます。
そのために、足の指を深く曲げてグーを握ることができなくなってしまうのです。
この足の裏や骨の間の筋肉が弱くなると、足の形が変形してきて、外反母趾や足底筋膜炎などの足の病気の原因になります。
また、足の格好が悪くなると膝や股関節や腰にも負担がかかるので、膝や股関節や腰の痛みの原因にもなります。
毎晩お風呂の中で、足のグーパー体操を10回ずつやってください。
足の変形を予防できるはずです。
ポイントはMP関節をできる限り大きく動くように、ちからいっぱいグーを握って、ちからいっぱいパーを開くことです。
足のグーパー体操は超おすすめです。老化や痛みの予防のために是非やってください。
ちなみに当院でやっている加圧トレーニングでは、下半身の場合、トレーニングの一番最初にこの足のグーパー体操をやります。
自分では続けられないという方は加圧トレーニングに通ってください。
2018.2.15 カテゴリー|その他の治療について
前回のブログからの続き
https://nishibori-seikei.com/blog/2018/02/post-736.html
患者さん「私、肉が嫌いなんです。」
2018.2.15 カテゴリー|その他の治療について
数年前から時々腰痛でトリガーポイント注射を受けていた50代の女性
患者さんの希望で骨密度を測ったら軽い骨粗鬆症を認めました。
私「まだ年齢も若いので薬は飲まないで食事や運動で様子をみましょう。」
患者さん「でも、私、カルシウムのサプリメントも飲んでるし、牛乳もたくさん飲んでます。」
「カルシウムのサプリリメントも牛乳も骨粗鬆症には全然効きませんよ。」
「骨粗鬆症は、カルシウム不足が原因ではなく、加齢によりカルシウムを骨に変える働きが弱くなることが原因なので、たくさんカルシウムをとっても骨は強くなりません。」
「カルシウムのサプリを飲むことで、脳梗塞や心筋梗塞、認知症のリスクが上がるという報告もあります。」
「では、何を食べればいいんですか?」
「肉です。骨はタンパク質の柱にカルシウムがくっついてできています。鉄筋コンクリートで言えば、タンパク質が鉄筋でカルシウムがコンクリートです。タンパク質の柱がなければ、カルシウムをとっても骨にはなりません。だから動物性のタンパク質を食べてください。」
「私、肉が嫌いなんです。」
「じゃあ、卵やチーズをたくさん食べてください。」
ここで、話のテーマが変わるので次のブログに続きます。
ちなみに、忙しいときはこんなに丁寧に説明しませんよ。
平日の空いている時間だったし、常連さんで気心が知れているから日常会話的に説明をしただけです。
2017.12.19 カテゴリー|トリガーポイント注射
再三このブログで、「痛みは速やかに取ったほうがいいので、痛み止めは我慢せずにすぐに飲みましょう。」と訴えていますが、時には痛み止めの処方を躊躇するときがあります。
それは他の病院からたくさん薬をもらっている時です。
6種類以上飲んでいたら躊躇します。10種類以上飲んでいたら基本、当院からは薬の処方をせず、注射と湿布で治療をします。
先日来院したおじいちゃんに「痛み止めを出したいけど、たくさん薬飲んでいるからなぁ」と言ったら、「んだな。あまりたくさん飲むとクスリとクスリがケンカすっかんな」と答えました。
そうなんですよ、あまりたくさんクスリを飲むとクスリとクスリがケンカしていろんな副作用が出るんですよ。
それで、その副作用を抑えるためにクスリが出て、またクスリとクスリがケンカするという悪循環です。
整形外科でもやたらたくさんクスリ出す先生がいます。
例えば、殿部から下肢の痛みとしびれの患者さんに対して、ロキソニン、トラムセット、サインバルタ、リリカ、メチコバール、ユベラN、オパルモン ムコスタ プリンペランと、知ってるクスリで全部だしてんじゃねぇの?と思うような処方をする先生がいます。
私だったら、急性痛の場合、まずロキソニン(痛み止め)を出します。ロキソニンが効かなければロキソニンを止めて、トラムセット(弱オピオイド)を出します。
慢性痛ならサインバルタ(慢性痛治療薬)を出して、症状と副作用を見ながら漸増をしていきます。
寝ているときの痛みや、朝起きたときの痛みがあるときはリボトリール(抗てんかん薬)を追加します。
リリカ(神経障害性疼痛治療薬)は、帯状疱疹後神経痛にはすごく良く効きますが、それ以外の痛みにはそれほど効かない印象です。
メチコバール、ユベラN(ビタミン剤)とかオパルモン(弱い血管拡張薬)とか屁の役にも立たないクスリは出しません。
ムコスタ(胃粘膜保護薬)は、ロキソニンの副作用である胃炎や胃潰瘍を防ぐために処方していましたが、ほとんど役に立ってないことがわかってきたので、最近はほとんどだしてません。
プリンペラン(吐き気止め)はトラムセットの副作用である吐き気を抑えるためのクスリですが、吐き気は内服開始5日間くらいで落ち着くので最初の1週間しか処方しません。
トリガーポイント注射などを併用して、なるべく少ない種類のクスリで痛みをコントロールをするのが整形外科医の腕の見せ所だと思っています。
おまけ
先月、東京に住んでいる甥っ子が、風邪を引いて近所の内科にかかったら、最初から10種類もクスリを処方されました。
そのお医者さん、馬鹿なのか、それとも金儲けに走っているのか、どちらにしろ患者にとっては厄災でしかありません。普段全然薬を飲んでない人がいきなり10種類も薬を飲んだら、体がおかしくなっちゃいますよ。
風邪はウイルス性感染症なので、クスリでは治りません。風邪薬は、あくまでクスリの症状を緩和するためだけのものです。咳がひどければ咳止めを、痰がひどければ痰切りを、熱が高ければ解熱薬を、必要最小限処方すればいいのです。
安静にして布団にくるまって体を温めて、免疫力をアップすることが一番の治療です。それが難しい人は、ネックウォーマーとホッカイロで喉を温めてください。それだけでウイルスの増殖をかなり抑えることができます。
2017.12.04 カテゴリー|その他の治療について
前回のブログで紹介した患者さんにたいする某病院からのお返事が届きました。
https://nishibori-seikei.com/blog/2017/11/post-722.html
こちらこそお世話になっております。
右肩関節周囲炎にてご紹介いただいた方です。
MRIでは明らかな腱板損傷は認めませんでした。
当科にて経過観察いたします。
ほらね。ただの四十肩(肩関節周囲炎)だったでしょ。
早期に注射や薬できちんと治療してればとっくに治っていたはずですよ。
「経過観察いたします。」というのは痛み止めの薬や湿布をだして定期的に通院してもらうということです。
某病院は平日の午前中しか外来をやってないので、週1回だか月1回だかはわかりませんが、通院のたびに仕事を休まなきゃいけないでしょうね。
当院だったら日曜日もやっているのにね。
よくわかってない系のひとはこういうところで損をするよね。
でもよくわかってない系だから損していることにも気がつかないんだよね。