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掌蹠膿疱症に対する穴あきポリ袋療法

2013.5.20 カテゴリー|ビオチン療法

28歳女性

 

昨年8月に両足底に皮疹が出現しました。某皮膚科で水虫と言われ外用薬を処方されていましたが、改善しませんでした。

 

今年1月、別の皮膚科を受診して、掌蹠膿疱症と診断され、ステロイドの外用薬を処方されましたが、改善しませんでした。

 

3月にネットで調べて当院を受診しました。

 

掌蹠膿疱症と診断し、禁煙を指示して、ビオチン療法を開始しました。

 

1か月後に再診した際には、足底の皮膚炎はあまり改善しておらず、痛みが強かったため、穴あきポリ袋療法を開始しました。

 

穴あきポリ袋療法

① 患部にマイザー軟膏(ステロイド)を薄く塗ってもらう

② その上に穴あきポリ袋をかぶせる

③ その上から靴下をはいてもらう。

 

1か月後、皮膚炎はきれいに良くなりました。

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穴あきポリ袋療法は、基本的にはステロイド密封療法と同じです。

 

ステロイド密封療法では、ステロイドを塗った上から食品用のラップで覆います。

 

しかし、ラップには通気性がないため、足にかぶせると、蒸れて超臭くなってしまいます。

 

穴あきポリ袋なら、適度な通気性があるため、臭くならずに済みます。

 

 

糖質制限で糖尿病が治癒

2013.5.20 カテゴリー|糖質制限

72歳女性

 

9か月前から両下肢の皮膚潰瘍で当院に通院中の患者さんです。

 

初診時の血液検査で、ヘモグロビンA1C 6.8g/dl(正常値4.6~6.2)と軽い糖尿病が見つかりました。

 

ただちに、糖質制限を指導し、ジャヌビア(糖尿病治療薬)を処方しました。

 

3か月後 ヘモグロビンA1Cは、5.8g/dlまで低下しました。

 

半年後 ヘモグロビンA1Cは、5.3g/dlまで低下したので、ジャヌビアの内服を中止して、糖質制限のみ続けてもらいました。

 

9か月後の現在 ヘモグロビンA1Cは、5.6g/dlで、正常値を維持しています。

 

この間に体重も72㎏から65㎏に7㎏低下しました。

 

今思うと、ジャヌビアの内服は不要だったかな。

 

軽い糖尿病は糖質制限だけで良くなるようです。

痛風にも糖質制限 3

2013.5.20 カテゴリー|糖質制限

以下のような「お問い合わせメール」をいただきました。

 

江部康二先生のブログから、西堀先生のこのブログへ、参りました。

通風の治療を受けつつ、この4月中旬から「糖質制限」を開始。

5月中旬に、尿酸値の定期血液検査を受ける。その結果、尿酸値が8.5でした。(基準値:3~7)。

ここ1~2年は、6.7で発作も起きていません。このまま、「糖質制限」を続けてよろしいですか?

 <自己紹介>

49歳。

通風は、33歳頃に発症。

今現在は「アロチーム」錠を一日3回、食後に服用中。

身長は170cm。この3月の健康診断時の体重は84.5㎏

4月中旬より「糖質制限」を始め、ただ今の体重は76.2kg。

 

以前書いたブログに痛風と糖質制限に関する江部先生の見解を載せました。

https://nishibori-seikei.com/blog/2012/11/post-120.html

 

(痛風患者さんに)糖質制限食を奨められて大丈夫と思います。
肥満改善も、高尿酸血症には、良いです。

注意がいるのは、カロリー制限し過ぎで尿酸値が上昇することです。
例えば、断食ではかなり高値となります。

過去痛風発作を起こしてない痛風患者は、薬物療法の目安は9mg/dlです。
過去痛風発作を起こしたことがある患者は、適宜投薬も考慮です。

 

お問い合わせをしてくれた患者さんは、1か月で8.3㎏もやせています。

もしかするとカロリー制限をし過ぎているのかもしれません。

糖質制限もお薬もそのまま続けていただき、糖質を減らした分、タンパク質や脂質を多めに摂るようにしてもらうと、いいかもしれません。

 

最初は開業医にかかったほうがいいですよ

2013.5.16 カテゴリー|その他の治療について

50代男性

 

3か月前から歩くと右足首の内側に痛みが出るようになりました。

 

2か月前に某総合病院の整形外科を受診しました。レントゲンを撮ってもらった結果

「骨には異常ないので、痛み止めで様子をみてください。」

と言われました。

 

痛み止めを飲んでも治らないため、先日、当院を受診しました。

内くるぶしの少し下に圧痛と腫脹を認めました。

腱鞘炎と診断し、圧痛部にステロイド注射をしたらすぐに良くなりました。

 


大病院ではほとんどの場合、初めて受診した患者さん(新患)は、若手の医師(研修医など)が担当しています。

なぜなら、部長クラスのベテラン医師はすでに大勢の患者さんを担当しているため、新患に手が回らないからです。

患者さんの病状を診断するうえで最も重要なものが経験です。

若手の医師には経験が不足しています。それを補うためレントゲンなどの画像所見に頼ります。

それで、画像所見に異常がないと診断がつけられないので

「痛み止めで様子をみてください」となります。

 

私を含めて、ほとんどの開業医は、大きな病院の部長や副部長を歴任したベテラン医師です。

診断技術においては、大病院の若手医師より優れています。

また、経験上、自分の限界がわかっているので、手に余ればしかるべき医療機関に紹介してくれます。

 

救急車を呼ぶほどの急病でなければ、最初は開業医にかかったほうがいいですよ

両下肢重度熱傷のど根性ライダー

2013.5.14 カテゴリー|湿潤療法

32歳男性 プロモトクロスライダー

 

5年前にテスト走行中の事故で、脊髄損傷になり、両下肢完全麻痺になりました。

しかし、現役復帰を目指して、上半身だけで運転できるように改造したモトクロスバイクで現在トレーニング中のど根性ライダーです。

戸田蔵人 オフィシャルブログ

http://blog.eigyo.co.jp/cloudy/

 

3月30日、遠征先の大阪のホテルで、入浴しようとした際、お湯がいつの間にか熱湯に代わっていて、両下肢に熱傷を負いました。

 

救急外来で、ゲーベンクリームとガーゼによる治療を受け、翌日、実家のある茨城県に帰ってきました。

 

一度、土浦市の皮膚科を受診しましたが、湿潤療法をしてくれなかったので、ネットで調べて当院を受診しました。

 

「3週間後の4月21日に行われるデモ走行に参加したいから、それまでに治して欲しい。」

と強く希望していました。

 

「3週間では、完全には治るのは無理だけど、ライダーブーツが履ける状態までには治るよ。」

と答え、湿潤療法を開始しました。

 

まず、ふくらはぎ~足首~足背~つま先に拡がっている水疱を除去しなすた。

穴あきポリ袋で覆って、さらにその上をペットシートで被いました。

2週間たって、浸出液が少なくなってからはプラスモイストで覆いました。

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順調に回復し、4月21日のデモ走行は無事に参加できました。

6週間後には完全に皮膚が出来ました。

 

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