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2019.10.25 カテゴリー|その他の治療について
私が使用経験がある痛み止め内服薬に着いて、超個人的な評価をまとめたいと思います。
あくまで個人的な感想で、エビデンスとかありませんから、文句言われても返答しませんよ。
ロキソニン けっこう効く。頭痛にも効く。胃粘膜障害や腎機能障害、顔や手足の浮腫みなどの副作用あり。
セレコックス ロキソニンと同じくら効く。胃粘膜障害などの副作用は少ない。使いやすい
ハイペン ロキソニンよりは効き目が弱い。胃粘膜障害などの副作用は少ない。なぜか腰椎圧迫骨折の痛みにだけすごくよく効く
ボルタレン かなり切れ味良く効く。胃粘膜障害の副作用がめちゃめちゃ多い。なので、内服薬より座薬の方が安全。インフルエンザ脳症の原因になるので座薬を含めて小児には使用しません。
ロルカム 効き目はハイペンくらい。副作用はボルタレンくらい。今は使ってない。
モービック あまり効かない分、副作用も少ない。今は使ってない。
上記の薬はNSAIDという痛み止めの種類で、すべて高齢者に使用すると腎機能障害から腎不全になることがあるので要注意です。
カロナール けっこう効く。副作用はほとんどない。年齢や体重で用量を変えられるので、適正な量を処方すればちゃんと効く。副作用が少ないので子供や高齢者にも使いやすい。錠剤がでかいのが難点。
トラムセット かなり切れ味良く効く。吐き気や眠気などの副作用があるが、胃粘膜障害はほとんど出ない。麻薬系の弱オピオイドとカロナールの配合剤
トラマール・ワントラム トラムセットからカロナールを抜いたもの。トラムセットより切れ味が落ちる。最近あまり使ってない。
サインバルタ 慢性痛に対して劇的に効くときがある。吐き気などの副作用がひどくて飲めない人が4人に1人くらいいる。副作用を抑えるため低用量20mgから開始して徐々に増量する。副作用をなく最大用量の60mgまで増やせればほとんどの人が良くなる。
リリカ 帯状疱疹後神経痛にはすごく効くけど、その他の痛みにはあまり効かない。ふらつきなどの副作用あり。
タリージェ 効き目はリリカと同じ。副作用は少し少ない。
オパルモン 腰部脊柱管狭窄症に対してよく処方されるが、これでよくなった患者さんを見たことがない。
リボトリール 抗てんかん薬だけど、慢性痛によく効く。五十肩の夜間痛とか、朝起きたときの痛みに特に効く。
2019.10.24 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
私が大学病院での研修を終えて最初に赴任した先が福島県伊達市(旧保原町)にある保原中央病院でした。
整形外科医が私と部長の佐藤伸一先生しかいない小さな病院でしたが、その分マンツーマンでいろいろと教えてもらえて、すごく勉強になりました。
伸一先生は、もともとは埼玉の大きな病院の整形外科部長をしていたのですが、40歳を前に故郷の保原に帰ってきました。
そして、都会の大きな病院をやめて、田舎の小さな病院に就職した理由を私に教えてくれました。
「西堀ちゃんよ。俺はよ、骨折をした地元の子供らにちゃんとした治療を受けさせてあげたくてよ。戻ってきたんだ。」
そんなわけで、伸一先生からは子供の骨折の治療法をみっちりと教わりました。
あれから20年、自分なりに勉強してさらにグレードアップしています。
なので子供の骨折の治療には自信があります。
2019.10.10 カテゴリー|その他
30代の男性
以前から腰痛で当院に定期的に通院してトリガーポイント注射を受けていました。
先月、家で捻挫をしたと当院を受診しました。
長い付き合いで仕事の内容もよく知っていたので、「本当は仕事中にケガしたんじゃないの?」と何度も確認しましたが、「違います。家です。」と否定しました。
ひどい捻挫だったのでシーネ固定をして3日後に再診するように説明しました。
翌日、あわてて受診してきました。
やっぱり本当は仕事中の怪我だったようで、上司に相談したら、「土下座してでも、労災に変更してもらってこい!」と怒られたそうです。
労災隠しは犯罪です。
労災隠しが発覚した場合には、罰則を課せられます。
2019.10.08 カテゴリー|トリガーポイント注射
なんかねぇ、また変なこと言われたのよ。
ずっとアメリカ合衆国に住んでいて、ついこの間、日本に帰国してきた女の人なんだけど、受付でトリガーポイント注射について
「この注射にはステロイドは入ってますか?」って聞いてきたので
「入ってません」と答えたら
「じゃあ、効くわけないわね。」だと。
普通そんなこと言うか?びっくりだよ。
ステロイドは抗炎作用が強いので、関節炎だったり腱鞘炎だったりの炎症性の痛みにはすごくよく効きます。
でも、トリガーポイントは筋肉の炎症じゃないからね。ステロイドは効かないよ。
トリガーポイントは筋肉が緊張して固まって血流が悪くなっている状態です。
だから、局所麻酔薬で筋肉の緊張をほぐして血流を改善させると痛みが取れるのです。
ステロイドを使った局所注射(トリガーポイント注射)は、昔は日本でもやられていましたが、効果が認められないので、現在は保険適応外です。
だから今、日本でトリガーポイント注射にステロイドを入れる医者はほとんどいないと思います。
アメリカって意外と遅れてるよね。
2019.9.30 カテゴリー|その他
60代の女性
10年前から腰痛で当院に通院していました。9年前からは内科でもらっていた高血圧の薬も処方していました。
ここ数年は、ごくたまに腰にトリガーポイント注射をするだけで、普段は「調子は悪くない」と言って、高血圧の薬だけもらっていました。
先日受診した際、左ひざをかばって杖をついてびっこを引いていたので、びっくりしまして、
「どうしたの?転んだの?」と聞いたら、
「1カ月前にA病院で、左ひざの手術を受けてきた。」というのです。
さらにびっくりしました。なぜならこの10年間、この患者さんから膝が痛いという話をただの一度も聞いたことがなかったからです。
膝をかばって歩いているところも一度も見たことがありません。
「俺は手術するほど膝が痛いって話聞いたことないんだけど、いつから痛かったの?」と聞いたら、
「4カ月くらい前かな、それで近所の人に相談したらA病院がいいっていうから手術を受けてきた。」としれっと答えるのです。
痛みが出てから少なくとも3回は当院を受診しています。しかもなんと、手術の前日も何も言わずに当院を受診しているのです。
10年以上の付き合いで、信頼関係ができていると思っていた患者さんだったので、私はひどくショックを受けました。
「普通は、近所の人じゃなくてまず整形外科の主治医に相談するんじゃないの?長いこと医者をやっているけど、こんなひどい侮辱を受けたのは初めてだ。今後、高血圧の薬は内科でもらうようにしてください。」
と伝えたけど、なんか全然ピンと来てない感じだった。来月もしれっと高血圧の薬をもらいに来る予感がする。
いろんな人がいるから、むかつくことはよくあるけど、こんなショックを受けることはめったにないよ。
俺はショックだよ。