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2019.6.11 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
79歳の女性
1ヶ月くらい前に刈り払い機を使って草刈りをしました。その1週間後くらいから腰が痛くなってきて、内科の主治医を受診して相談したら「きやり腰」と診断されロキソニンと湿布が出たけど全然治らないので、先日当院を受診しました。
ちなみに「きやり腰」は茨城弁で「ぎっくり腰」のことです。
私は高齢女性の腰が急に痛くなったときは、転んだとか重いものを持ったとかの外因がなくてもまず圧迫骨折を疑います。
この女性も、レントゲン検査の結果、第12胸椎と第1腰椎の圧迫骨折でした。
ぎっくり腰は腰やお尻の筋肉が急に痙攣を起こすことが原因です。
なのである程度筋肉がある若い人にしか発生しません。
高齢者にはぎっくり腰を起こすほどの筋肉が残ってないのです。
骨粗鬆症のある高齢女性の腰が急に痛くなったときは99.9%胸腰椎圧迫骨折です。
整形外科でレントゲンを撮ってもらいましょう。
2019.5.31 カテゴリー|その他の治療について
外反拇趾(がいはんぼし)という病気をご存知でしょうか?足の親指が付け根のところで外側に曲がってきてしまう女性に多い病気です。一般的に外反拇趾は手術しないと治らないと思われています。
ところが、この外反拇趾を手術しないで治す治療法を、日本大学医学部整形外科の青木孝文先生が編み出しました。しかもこの治療法は、足の甲に伸縮包帯を巻くだけなので、誰にでも簡単に出来るのです。
包帯療法のやり方について説明します。(以下に説明する方法は私なりの工夫が加えられているので、青木先生のオリジナルの方法が知りたい方は青木先生の著書をお読みください。)
まず足の甲に包帯を巻きます。幅7.5cmの伸縮包帯を用意して、足の親指のつけ根の関節と小指の付け根の関節のところを引き締めるように包帯を巻きます。我慢できる範囲で強めに、甲全体をくるむように5~6回巻いてしっかりとめます。包帯を巻くのは寝ている間だけでもかまいませんが、日中もわずらわしくなければ巻いていていいです。
足の裏の筋力を強化するために。足の指のグーパー体操をお風呂の中で10回行ってもらいます。このとき、指の付け根の関節(MP関節)を深くしっかり曲げることがポイントです。
この包帯療法を続けると、2週間くらいで外反拇趾に伴う痛みが楽になってきます。数ヶ月続けると、変形もだんだん良くなっていきます。包帯を巻く強さは、弱くては効果がなく、強すぎては痛くて眠れなくなってしまいます。何度も巻いてみて、適切な強さを自分で見つけることが大切です。簡単で特に体に害も無い方法なので手術を受ける前に試してみる価値があると思います。
人間の足には、縦と横にアーチがあり、歩くときは踵と親指の付け根と小指の付け根の3箇所にしか体重がかからないようになっています。この形が、人間が数100万年かけて獲得した二足歩行に最も適した形態なのです。この足のアーチを支えているのが足の骨の間にある小さな筋肉たちです。
ところが、靴を履いて歩いていると、これらの筋肉を使わなくても歩けるため、しだいに筋力が低下し筋肉が伸びきってしまいます。伸びきった筋肉は血の巡りが悪くなり、さらに筋力が低下する悪循環になります。その結果、足のアーチを支えることが出来なくなり、足が平べったく広がり、外反拇趾になります。
包帯療法で圧迫すると足の横アーチが元に戻り、足の筋肉も元の長さに戻すことにより、筋肉の血の巡りが良くなるので、外反拇趾が良くなっていくのではないかと考えています。外反拇趾でお悩みの方は是非お試しください。わからないことがあれば、診察を受けてください。
2019.5.30 カテゴリー|その他
ごくたまにですが、理不尽な要求をして、それが通らないと職員に対して、大きな声で暴言を吐く奴がいます。
理不尽な要求とは、順番を早くしろとか、労災なのに健康保険でやれとか、診察なしで薬を出せとか、保険証なしで保険診療しろとか、モラルや法律を逸脱した要求です。
ダメなものはダメなので、要求を断固拒否すると、ぶちぎれて職員に対して、大声で暴言を吐きます。
先日も受付で、「診察しないと薬は出せない。診察したからといって薬が出るとは限らない。」と説明したらぶち切れて、職員に対し、「馬鹿」とか「頭悪いな」とか暴言を吐いた男性がいました。
あまりにひどいので、診察室に呼んで、
「あなた、うちの職員に大声で暴言を吐いたでしょう。職員を守るのも私の大切な仕事のひとつだから、あなたみたいな人は診察しません。帰ってもらっていいです。」
こう言ったら、「せっかく遠くから来てやったんだから診てくれ。」なんてなんて言うので、
「こっちから来てくれって頼んだ覚えはない。」と言い返して、帰ってもらいました。
本当は、後ろから蹴っ飛ばしてやりたいくらいむかついていたんだけど、私は紳士なのでこのくらいにしておきました。
当院の職員は私以外は全員女性なので、こういう馬鹿が怖くて仕事を辞められたら大損害です。
なわけで、職員に暴言を吐くような奴は治してやンないので、そこのところよろしくです。
2019.5.21 カテゴリー|その他
50代のつくば市の男性
ばね指(指の腱鞘炎)による痛みと引っかかり感があるため、ネットで調べて自家用車で1時間以上かけて当院を受診しました。
ご希望通り、ケナコルト注射を行いました。
でもね、つくば市にもばね指にケナコルト注射をしている整形外科はあると思うんですよ。
グーグル先生によるとつくば市には30軒の整形外科クリニックがあります。
そんだけあれば少なくとも1軒くらいはばね指にケナコルト注射をしてるはずです。
しかし、ネットでググってもそんなことはわかりません。
だって、茨城県では私以外に誰もそんなことネットにアップしてないんだもの。
ほとんどのクリニックは、ウェブサイトがないか、あっても診察時間や休診日、診療科がわかるくらいです。
ブログをやっている院長なんてほんの一握りです。
そんな努力をしなくても患者さんが集まるからやらないんだと思いますが、それでいいのでしょうか?
今は、食事でも宿泊でも、レジャーでもネットで調べてから行き先を決めることが当たり前になっています。
患者さんだって、医師にかかる前にどういう病院なのか、どんな治療をしているのか知りたいはずです。
患者さんが知りたい情報をネット上にアップするのも医師の仕事のひとつなのではないかと、私なんかはそう思います。
2019.5.17 カテゴリー|トリガーポイント注射
40代の男性
16歳の頃から何度もぎっくり腰になっているそうです。
1年くらい前から右殿部痛があり、近くの病院で腰椎椎間板ヘルニアと診断され、リリカとロキソニンが処方され、物理療法を受けていましたが症状は改善しませんでした。
「良くならないから、手術をしたほうがいい」と勧められて、当院に逃げてきました。
右殿部にトリガーポイントを認めました。
「筋肉に出来たしこりが痛みの原因です。しこりをほぐす注射を打てば良くなります。ヘルニアは痛みと関係ないので手術は絶対にうけてはダメです。リリカとロキソニンは効いてないので、ロキソニンは中止して、リリカは減量して、サインバルタを飲みましょう。」
と説明してトリガーポイント注射を打ちました。
薬を2週間分出して、2週間後に再診するように説明しましたが来院しませんでした。
1ヶ月後に再診しました。
「調子が良くなったから、薬はいらない。注射だけして欲しい。」
と言われたので、注射だけ打ちました。
有害無益な手術を受ける前に逃げてきて良かったね。