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2018.5.15 カテゴリー|トリガーポイント注射
60代の男性
2年くらい前にジョギング中に右ふくらはぎが攣って痛くなりました。その後右殿部痛も出現し、3カ所くらいの病院を回って原因不明と言われ、某総合病院でMRIを撮り、腰椎椎間板ヘルニアと診断され、ボルタレンSRとオパルモンが処方されましたが、良くならずむしろ痛みは悪化していきました。
「治すには、入院して手術をするしかないが、切ってみないと良くなるかどうかわからない。」と言われ、ググって1年前に当院を受診しました。
おしりとふくらはぎにトリガーポイントを認めました。
「ジョギング中に筋肉を痛めて、それが慢性化しているだけです。椎間板ヘルニアは痛みと関係ありません。」
と説明して、トリガーポイント注射を打ってトラムセットを処方しました。
1回目の注射でおしり痛みが改善しました
2回目の注射でふくらはぎの痛みもだいぶ良くなりました。
その後も週1回通院してもらっていて順調に良くなっています。
ジョギング中に急にふくらはぎが痛くなったら、普通に考えて痛みの原因は筋肉の痙攣だよね。
なんで、腰のヘルニアのせいになっちゃうかなぁ。
2018.5.14 カテゴリー|その他
最近話題の本
「死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい」幻冬舎 小林弘幸著
https://www.amazon.co.jp/dp/B076HNKNPX/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1
中身は読んでませんけど、題名だけで大賛成です。
歩けなくなったり、転んだりしてしまうのは下半身の筋力の低下が原因です。
皆さんもそれがわかっていて、筋力低下の予防のために一生懸命ウォーキングをしていますが、ウォーキングみたいな低負荷の運動より、スクワットのような高負荷の運動(筋力トレーニング)のほうが圧倒的に筋肉がつきます。
ただ、運動だけではなかなか筋肉がつきません。筋肉をつけるには、筋肉の材料である良質なタンパク質が必要です。タンパク質をたくさん含む食品は、肉、卵、チーズです。
ところが、ほとんどの高齢者は、肉はあまり好きじゃないとか言って野菜ばかり食べています。これじゃ、スクワットしても筋肉がつきません。
スポーツ選手は筋トレをした後、必ずプロテイン飲料を飲みます。プロテインを飲んだほうが肉を食べるよりも効率的にタンパク質を吸収することが出来るからです。
高齢者も肉を食べるよりプロテインを飲んだほうが筋肉がつきやすいはずです。でも高齢者は、プロテインの存在自体を知らないか、知っていても若い人が飲むのもと思って敬遠しているのでしょうか、プロテインを飲んでいる高齢者をみたことがありません。
タンパク質だけじゃなく、高齢者が不足しがちな栄養素、カルシウム、鉄、亜鉛、ビタミンB6、B12も配合して、高齢者向けプロテイン「死ぬまで歩くにはプロテインだけ飲めばいい」と名付けて発売すれば売れんじゃないかな。
まあでも、スクワットを毎日続けるより、加圧トレーニングに週1回通ったほうが筋肉はつきますよ。
「死ぬまで歩くには加圧トレーニングをしてプロテインを飲めばいい」
2018.5.11 カテゴリー|湿潤療法
60歳の男性
天ぷらを揚げていたフライパンをひっくり返して左手に油をかけてしまい受傷しました。
その日は近くの病院で応急処置を受けて、翌日当院を受診しました。
初診日の左手 水疱がたくさん出来ていたので、可及的に切除しました。
そのまま、穴あきポリ袋をかぶせて、ペットシートでくるみました。
浸出液が多かったので、家でペットシートだけ交換してもらうように指示しました。
4日後の左手
11日後の左手
20日後の左手
きれいに治りました。
2018.5.10 カテゴリー|トリガーポイント注射
痛みの治療は、プラセボ効果をいかにうまく使うかにかかっていると思います。
飲み薬だって、湿布だって、トリガーポイント注射だって、この治療を受ければ良くなるという思い込みがあれば、すごく良く効きます。
特に湿布やテープ剤はプラセボ効果が高いと思うんです。
一般的には湿布やテープ剤に含まれている痛み止めの成分(モーラステープだったらケトプロフェン)が皮膚から吸収されて効果を発揮すると言われていますが、私は違うんじゃないのと思っています。
そもそも皮膚は厚い角質で覆われているので、薬剤を吸収するようには出来ていません。痛み止めの成分が角質を通過して皮下脂肪を乗り越え分厚い筋膜を通り抜け、筋肉の中にある痛みの原因トリガーポイントに到達するなどという都合がいいことが本当に起こるとはとても思えないのです。
湿布やテープ剤はると皮膚にビリビリとした刺激があります。この刺激が脳に伝わることで、その分トリガーポイントの痛みの刺激が脳に伝わることを抑制するんじゃないかと考えています。
たとえば、蚊に刺されたときに刺された部位を爪で立ててバッテン印をつけると、痒みが少し楽になります。これは痛み刺激が痒み刺激を抑えるためです。これと同じことが湿布やテープ剤を貼ったときにも起きているのではないでしょうか。
だから湿布やテープ剤はほどよくビリビリしたほうがよく効くのです。
昨日のブログでモーラステープについて書いたら、大学の同級生から「今どきモーラステープなんか処方するからそんなことになる」とコメントをもらいました。
それはそうなんだけどね。ただね、モーラステープが一番ほどよくビリビリするんだよね。なのでビキニを着る機会がなさそうな腰痛の患者さんには今でも処方してます。
あと、モーラステープが一番効くと思っている患者さんにはモーラステープが一番効くのよ。だってプラセボ効果だから。
2018.5.09 カテゴリー|その他の治療について
ネット上で、このブログが話題になっています。
【湿布の副作用で「一生治りません」と診断される】
https://ameblo.jp/0163533544/entry-12372008709.html
要約すると、足首の痛みに対して自己判断でモーラステープを貼って、日光過敏性皮膚炎になって、3件目に行った医者に「一生治りません」と言われた。って話です。
私もブログで何度か書いてますが、モーラステープは自己判断で指示された部位以外に貼ったり、たとえ家族でも他人に譲ったりしちゃ絶対ダメだよ。つうか、医師から処方された薬は自己判断で使ったり、他人に譲ったりしちゃ絶対ダメだよ。
モーラステープは他の人にあげちゃ絶対ダメだよ
https://nishibori-seikei.com/blog/2015/05/post-505.html
私も何例かモーラステープによる日光過敏性皮膚炎を経験してますが、こんなにひどく跡が残った例はありません。
このブログのケースも、皮膚炎が出た時点ですぐに皮膚科を受診してステロイドを処方してもらえばもっと速やかにきれいに治ったはずです。
残った跡も、炎症性色素沈着だから数年でほとんど目立たなくなるので「一生治りません」ってことはないよね。
そもそもモーラステープが処方されたときに医師や薬剤師から、露出部に貼らないように注意があったはずです。また袋にもデカデカと注意書きが書いてあります。
被害者面してブログを書いていますが、医者のせいでもモーラステープのせいでもなく自分の責任だよね。こういう思い込みが強くて人の話を聞かない患者さんは相手をするのが面倒くさいので、3件目のお医者さんは「一生治りません」と突き放した言い方をしたんじゃないかな。あくまで推測ですけどね。
同じモーラステープの記事なのに、専門家の私が書いた記事がちっともバズらないで、素人が書いた記事がバズるのはなぜだろう。「一生なりません」ってキーワードがキャッチーだったのかな?