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子供の骨折は最初レントゲンに写らないことがあるよ(第5中足骨基部骨折)

2016.7.25 カテゴリー|骨折・捻挫の治療

10歳の男の子

 トランポリンで遊んでいて、左足をひねって受傷しました。

 左足の甲の外側が腫れていて押すとすごく痛がったので、骨折を疑いレントゲンを撮りました。

14541a.jpg

 折れてませんでした。

 「子供は骨は折れていても、レントゲンに写らないことがあるので、念のため固定しましょう。」

 と説明して、靴形のシーネで固定しました。

 3日後に再診してもらったときは、全然痛くなくなったというので、シーネを外しました。

 しかし、5日後に「走ると痛い」といって再受診してきました。

 もう一度レントゲンを撮ってみました。

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 ぱっと見、やっぱり異常ありませんでしたが、よーーーーーーーーく見ると、第5中足骨の基部にほんの少しヒビが入っていました。

 骨折なので、再度シーネ固定しました。

 シーネ再開1週間後のレントゲンです。

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 1週間前より骨折線(ヒビ)がはっきりと写っています。

 さらに1週間後のレントゲンです。

14541d.jpg

 骨折線がさらにはっきりと写っています。

 この時点で、痛みは完全になくなっていたのでシーネを外しました。

 2週間後、再度レントゲンを撮る予定でしたが、受診しませんでした。

 きっと元気に走り回っていることでしょう。

 

 このように、子供の骨折は最初レントゲンに写らないことがあります。

 初診時のレントゲンで骨折がなくても

 子供の骨折は最初レントゲンに写らないことがあること

 1週間経っても痛みが取れなかったり、痛みがひどくなったりしたらすぐに受診すること

 の2点を、保護者にちゃんと説明することが大切です。

年寄りはそんなに眠れないって

2016.7.21 カテゴリー|その他

 80代のおじいちゃん

 「夜の1時頃に目が覚めちゃうから睡眠薬がほしい」と訴えてきました。

 「何時に寝ているの?」と聞いたら。

 「夜の7時」

 「そりゃ、1時に目が覚めるよ。高齢者は5時間くらい寝れば十分なんだから。夜の7時に寝て、何時に起きたいの?」

 「朝の7時頃」

 「12時間も寝られるわけないじゃん。12時間も寝られるのは子供だけだよ。12時間も眠れる睡眠薬なんてないよ。テレビとか見て寝る時間を遅くしたらいいんじゃないの?」

 「テレビは、ガチャガチャ騒いでいるだけで全然おもしろくない。」

 「じゃあ、内職でもやったらどう。年金の足しになるでしょう。」

 「いやもう、働きたくない。とにかく夜は寝ていたいんだよ。」

 「困ったなぁ・・・・・」

 

 確かに、今のテレビで高齢者が見てもおもしろいと思えるのは大相撲と高校野球と笑点ぐらいでしょうか。

 ゴルフが好きなら夜中もBSやCSで海外のゴルフ中継やっているけどね。

 あと畑仕事が好きな人は、早起きしたらそのまま畑に行っちゃうから、眠れないとか言わないよね。

 結局、趣味というか興味があることがないから寝るしかないんだろうな。

 もしかして軽いうつ病なのかな。

 眠くなる副作用が強い抗うつ薬をだしたら満足してもらえるかな。

 

性格は変えられない。でも心は変えられる

2016.7.20 カテゴリー|トリガーポイント注射

「まいにち、修造」より

 僕は、性格は生まれ持ったものであり、変えることができないと思っている。

 けれど、心は変えられると思っている。なぜなら、僕自身がそうだったから。

 本当の僕は、ネガティブでとても弱い人間。

 だから、言葉の力を借りて、後ろ向きになりそうな自分の心を必死に応援してきた。

 言葉を前向きに変えていければ、心のあり方も必ず変えられるんだ。


 さすが松岡修造さん

 いいこというなぁ。

 この言葉、痛みの治療にもそのまま使えます。

 ネガティブな人、神経質な人はどうしても痛みを気にして悪いほうに考えてしまうため、痛みの悪循環に陥ってしまい痛みの治療がうまくいきません。

 何度も書いていますが、トリガーポイント注射をして痛みがほんの少しだけよくなった時に、

 「痛みが少し良くなった。このまま治療していけば治るだろう。ありがたい。」

 と思える人は、そのあとどんどん良くなっていきますが、

 「まだ痛みがかなり残っている。この治療は効いてないんじゃないか、もっと悪い病気なんじゃないか。」

 とネガティブに考える人は、その不安が精神的なストレスになり、痛みの悪循環に陥ってしまい、なかなかうまく治せません。

 松岡修造さんが言う通りネガティブな性格を変えることはできません。でも心は変えられます。

 前にも書きましたが、診察室に入ったときに嘘でもいいから「おかげさまで少しずつよくなってきました」と言うようにすれば、心が前向きになって痛みの悪循環から抜け出すことができます。

 

関連ブログ

https://nishibori-seikei.com/blog/2015/10/post-545.html

トリガーポイントが原因のドロップフット

2016.7.20 カテゴリー|トリガーポイント注射

50代の男性

 畑仕事をした翌日から、左殿部から下肢の痛みとしびれと左足首の脱力感が出現しました。

 5日後に8年前に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けた○○整形外科を受診。腰部脊柱管狭窄症と診断されリリカが処方されました。また左足首の筋力低下(運動麻痺)に対して、ステロイドが処方されました。

 痛みが取れないため、2日後に別の医療機関を受診してトリガーポイント注射を受けましたが、説明も効果もいまいちだったので、その次の日に当院を受診しました。

 当院受診時、左殿部と左下腿全面に強い痛みとしびれを認めました。またドロップフット(左足首に力が入らず、つま先を上に上げられない状態)を認めました。

 下図の部位にトリガーポイントを認めました。

 

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 ドロップフットは下腿の前面(前脛骨筋)に出来たトリガーポイントが原因であると診断しました。

 トリガーポイントが出来ると力を入れるたびに激痛が走るため、脳が勝手に力を入れないように命令するのです。

 前医から処方されていたステロイドはトリガーポイントが原因のドロップフットには効果がないので、5日間かけて漸減して中止しました。

 トリガーポイント注射を行ったら、左殿部痛は1回で完全に良くなりました。

 こうなるとしめたもので、患者さんは私を全面的に信頼してくれますから、その後の治療は非常にうまくいきます。

 最初の1ヶ月は週2回、その後は週1回、左下腿にトリガーポイント注射を行いました。

 左下腿前面の痛みやしびれは徐々に改善していき、ドロップフットも2ヶ月後には治りました。

 

 腰部脊柱管狭窄症で神経が圧迫されてドロップフットが起きることもあるかもしれませんが、その場合は、運動麻痺だけで痛みが出ることはありません。

 たとえば、意識障害や泥酔などで、膝の外側にある腓骨神経を長時間圧迫していると、腓骨神経麻痺によるドロップフットが発生しますが、運動麻痺とと知覚低下だけで、痛みは出ません。

 運動麻痺をしているということは脳から送られる電気信号を筋肉にうまく伝えられない状態であり、痛みとは痛みの電気信号を過剰に脳に伝えている状態です。神経生理学的に全く逆の現象が同時に起こるはずがありません。だから運動麻痺と痛みは同時に発生しないのです。

トリガーポイント注射よりヒアルロン酸注射のほうが効いた一例

2016.7.08 カテゴリー|トリガーポイント注射

 70代のおばあちゃん

 先月、歩いていて左膝がキクッとなってから痛みが出たと、当院を受診しました。

 膝の裏に2カ所のトリガーポイントを認めたのでトリガーポイント注射をしました。

4468.jpg

 3回トリガーポイント注射を行いましたが、あまり効果がありませんでした。

 そこで試しにヒアルロン酸(アルツ)を関節内に注射したら、劇的に痛みが取れました。

 何でヒアルロン酸のほうが効いたのか全然理由がわかりませんが、痛みとはそういうものなのです。

 慢性痛は個人的な脳の活動ですから、エビデンスも何もあったものではありません。

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