2016.8.09 カテゴリー|トリガーポイント注射
18歳男性 某大学の野球部
3月頃から、ボールを投げると肩の後ろに痛みを感じるようになりました。スポーツ整形外科を標榜する病院を受診し、MRIやCTの検査を受けましたが、異常なしで原因不明と診断されました。
7月末に当院を受診しました。
下図の部位(たぶん小円筋)にトリガーポイントを認めたので、トリガーポイント注射を行いました。
1回目の注射で、痛みが少しやわらぎました。
2回目の注射で、痛みが相当楽になりました。
スポーツ外傷のほとんどは筋肉痛です。難しく言えば筋筋膜性疼痛症候群(MPS)です。
スポーツ整形外科医とか名乗っている医師のほとんどは、そのことを知りません。
だから、MRIやCTなどで必死になって画像上の異常を探そうとします。
画像上に異常がなければ「原因不明」
画像上に異常があれば、その異常を手術で治そうとします。
本当はどちらも筋肉痛なのに・・・・
現在開催中のオリンピックで、手術とその後のリハビリを乗り越えてメダルを獲得した選手がいます。
感動的な物語です。
でも、私はひねくれているので、こんな風に考えてしまいます。
それ本当に手術が必要な怪我だったの?
手術しなくてもリハビリだけでも治ったんじゃないの?
トリガーポイント注射してればリハビリしなくても治ったんじゃないの?
2016.7.20 カテゴリー|トリガーポイント注射
「まいにち、修造」より
僕は、性格は生まれ持ったものであり、変えることができないと思っている。
けれど、心は変えられると思っている。なぜなら、僕自身がそうだったから。
本当の僕は、ネガティブでとても弱い人間。
だから、言葉の力を借りて、後ろ向きになりそうな自分の心を必死に応援してきた。
言葉を前向きに変えていければ、心のあり方も必ず変えられるんだ。
さすが松岡修造さん
いいこというなぁ。
この言葉、痛みの治療にもそのまま使えます。
ネガティブな人、神経質な人はどうしても痛みを気にして悪いほうに考えてしまうため、痛みの悪循環に陥ってしまい痛みの治療がうまくいきません。
何度も書いていますが、トリガーポイント注射をして痛みがほんの少しだけよくなった時に、
「痛みが少し良くなった。このまま治療していけば治るだろう。ありがたい。」
と思える人は、そのあとどんどん良くなっていきますが、
「まだ痛みがかなり残っている。この治療は効いてないんじゃないか、もっと悪い病気なんじゃないか。」
とネガティブに考える人は、その不安が精神的なストレスになり、痛みの悪循環に陥ってしまい、なかなかうまく治せません。
松岡修造さんが言う通りネガティブな性格を変えることはできません。でも心は変えられます。
前にも書きましたが、診察室に入ったときに嘘でもいいから「おかげさまで少しずつよくなってきました」と言うようにすれば、心が前向きになって痛みの悪循環から抜け出すことができます。
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2016.7.20 カテゴリー|トリガーポイント注射
50代の男性
畑仕事をした翌日から、左殿部から下肢の痛みとしびれと左足首の脱力感が出現しました。
5日後に8年前に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けた○○整形外科を受診。腰部脊柱管狭窄症と診断されリリカが処方されました。また左足首の筋力低下(運動麻痺)に対して、ステロイドが処方されました。
痛みが取れないため、2日後に別の医療機関を受診してトリガーポイント注射を受けましたが、説明も効果もいまいちだったので、その次の日に当院を受診しました。
当院受診時、左殿部と左下腿全面に強い痛みとしびれを認めました。またドロップフット(左足首に力が入らず、つま先を上に上げられない状態)を認めました。
下図の部位にトリガーポイントを認めました。
ドロップフットは下腿の前面(前脛骨筋)に出来たトリガーポイントが原因であると診断しました。
トリガーポイントが出来ると力を入れるたびに激痛が走るため、脳が勝手に力を入れないように命令するのです。
前医から処方されていたステロイドはトリガーポイントが原因のドロップフットには効果がないので、5日間かけて漸減して中止しました。
トリガーポイント注射を行ったら、左殿部痛は1回で完全に良くなりました。
こうなるとしめたもので、患者さんは私を全面的に信頼してくれますから、その後の治療は非常にうまくいきます。
最初の1ヶ月は週2回、その後は週1回、左下腿にトリガーポイント注射を行いました。
左下腿前面の痛みやしびれは徐々に改善していき、ドロップフットも2ヶ月後には治りました。
腰部脊柱管狭窄症で神経が圧迫されてドロップフットが起きることもあるかもしれませんが、その場合は、運動麻痺だけで痛みが出ることはありません。
たとえば、意識障害や泥酔などで、膝の外側にある腓骨神経を長時間圧迫していると、腓骨神経麻痺によるドロップフットが発生しますが、運動麻痺とと知覚低下だけで、痛みは出ません。
運動麻痺をしているということは脳から送られる電気信号を筋肉にうまく伝えられない状態であり、痛みとは痛みの電気信号を過剰に脳に伝えている状態です。神経生理学的に全く逆の現象が同時に起こるはずがありません。だから運動麻痺と痛みは同時に発生しないのです。
2016.7.08 カテゴリー|トリガーポイント注射
70代のおばあちゃん
先月、歩いていて左膝がキクッとなってから痛みが出たと、当院を受診しました。
膝の裏に2カ所のトリガーポイントを認めたのでトリガーポイント注射をしました。
3回トリガーポイント注射を行いましたが、あまり効果がありませんでした。
そこで試しにヒアルロン酸(アルツ)を関節内に注射したら、劇的に痛みが取れました。
何でヒアルロン酸のほうが効いたのか全然理由がわかりませんが、痛みとはそういうものなのです。
慢性痛は個人的な脳の活動ですから、エビデンスも何もあったものではありません。
2016.7.01 カテゴリー|トリガーポイント注射
60代の女性
10年以上前から両膝痛があり、あちこちの病院にかかって、薬や物理療法やヒアルロン酸注射などを受けていましたが良くなりませんでした。
先週、知人の紹介で当院を受診しました。
診察したところ膝の内側に圧痛点を認めました。
この部分の痛みは筋痛症というより腱炎に近い症状なので、キシロカインとケナコルトによるトリガーポイント注射をしました。
1週間後に当院を受診したとき、こう言って感謝してくれました。
「こんなに膝が痛くないのは何十年ぶりです。ありがとうございました。」
圧痛点に注射しただけだけどね。
何でみんなやんないのかね。
知んないからだろうね。
勉強は出来るのにね。
頭が堅すぎるんだよね。