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肩甲骨周辺にトリガーポイントがあると腕がしびれるよ

2016.7.01 カテゴリー|トリガーポイント注射

 1ヶ月くらい前に、右肩甲骨の内側が痛くなりました。最初のうちはたしたことなかったので、湿布くらいで様子をみていたのですが、だんだんひどくなって、仕事に支障を来すようになりました。

 姿勢良く座っていると背中が痛くなってくるので、ずっこけたかっこうで椅子に座っていました。このときに当院を受診した患者さんは、「なんて態度が悪い医者だ!」と思ったかもしれません。どうもすみません。

 まあ、それでも仕事もゴルフも休みませんでしたけどね。根性あるでしょ。

 トラムセットを飲んで、妻にトリガーポイント注射を2日に1回、計10回くらいやってもらったらだんだん痛みが取れました。

ore.jpg

 現在、痛みはほとんどなくなっていますが、肩甲骨の角度によって、右肘から指先にかけてしびれが出ます。正座した後と同じようなしびれです。

 これが肩甲骨周囲のトリガーポイントが原因のしびれなのか!と実感しました。

 私は、腰痛も肩こりもあるし、今回、腕のしびれも経験しましたから、患者さんの症状により共感出来るようになったと思います。 

筋膜リリースってどうよ

2016.6.26 カテゴリー|トリガーポイント注射

筋膜リリースという新しい治療法がテレビなどのメディアで話題になっています。

筋膜(筋肉を覆っている膜)の癒着や肥厚が痛みの原因であるとして、エコーで確認しながら肥厚している筋膜の生理食塩水を注入して、筋膜の癒着をはがす治療法です。

MPS研究会の中心メンバーである木村ペインクリニックの木村裕明先生などがはじめました。

この筋膜リリースについて、加茂先生が考察を述べているので、読んでみてください。

再度 筋膜リリースついて

http://junk2004.exblog.jp/25951658/

 

私は筋膜リリースはやったことがありません。
 なぜやったことがないかというと
 ①健康保険が使えないから
 ②時間がかかるから
 ③トリガーポイント注射のほうが簡単だから
 
 やったことがないから筋膜リリースの効果についてどうこういう資格はありませんが、加茂先生の意見は、生理学的に正しいと思います。
 
 問題なのは、MPS研究会の議論が筋膜リリースなどの技術論に偏っていること。
 技術も大切ですが、それ以上に治療者が慢性痛の生理について理解していることが大切だと思います。
 筋肉の機能異常が原因の痛みがあること、慢性痛は脳の誤作動であって椎間板ヘルニアや半月板損傷などの構造的な異常ではないことなど慢性痛についての正しい知識を広げることが大切です。
 そのためには、技術的に比較的簡単なトリガーポイント注射を広めることが一番の近道だと思います。
 
 慢性痛の原因がエコーで確認できる筋膜の癒着や肥厚だって?
 それって、つまり筋膜の構造的な異常が慢性痛の原因ってことでしょ。
 一周回って元に戻ってね?
 
この意見をFBに載せたら、大学の先輩からコメントが来ました。
「プラシーボ」
 
エコーの画面で筋膜がはがれていく画像を見せたら、かなりの儀式的効果(プラシーボ)がありますよね。
 
プラシーボでもなんでも痛みが取れれば何でもいいというのが私の治療スタンスですが、上記理由で筋膜リリースは今後もやりません。

坐骨神経痛にもトリガーポイント注射が効く!

2016.6.17 カテゴリー|トリガーポイント注射

 80代女性

 半年前から右殿部から脛の外側にかけての痛みが出現しました。

 近くの病院で坐骨神経痛と診断され1ヶ月間入院して治療しましたが、痛みはあまり変わりませんでした。

 退院後も電気治療とトラムセット、リリカの内服による治療を続けていましたが良くなりませんでした。

 近所の人に薦められ、4月に当院を受診しました。

 下図の部位(たぶん小殿筋)にトリガーポイントを認めました。

からだ.jpg

 トリガーポイント注射を2回行ったら、痛みはだいぶ楽になりました。

 その後も、デマンドタクシー(笠間市が運営する乗り合いバス)を2回乗り継いで、週1回通っています。

 注射するたびにどんどん良くなっています。

 

 一般的に坐骨神経痛と言われている痛みは、ほとんどの場合、殿部の中殿筋や小殿筋に出来たトリガーポイントが原因です。

 トリガーポイント注射で良くなります。

 

 

医者による恐ろしい洗脳

2016.6.06 カテゴリー|トリガーポイント注射

 60代の男性です。

 9年前から痛風で当院に通院している患者さんです。

 いつも腰が痛そうに歩いていますが、腰痛について私に相談してきたことは一度もありません。

 治療の押し売りになると嫌なので、こちらから腰痛について聞いたりもしませんでした。

 

 先日、当院の事務員があまりに痛そうなので声をかけました。

事務員「腰が痛そうですけど大丈夫ですか?」

患者さん「腰は痛いけど仕方がないんだ。40年以上前に、医者に『椎間板ヘルニアだから手術しないと治らない。手術しないなら一生痛みとつきあっていくしかない』と言われたんだ。」

事務員「でも、医学は40年前より進歩しているから治せるかもしれませんよ。」

患者さん「いや、周りの人を見ても腰の手術をして良くなった人を見たことがないから手術はしたくない。」

事務員「手術以外の方法、たとえば注射とかで治るかもしれませんよ。」

患者さん「いや、もうあきらめているからいいんだ。」

 

 とりつく島もないって感じでした。

 トリガーポイント注射で治る可能性もありますが、本人が治療を希望していないのではやりようがありません。

 

 40年前に医者が、悪気がなく言った一言がきっかけで、この患者さんは「手術しないなら一生痛みとつきあっていくしかない」と思い込んでいるのです。

 医者による怖い洗脳です。

慢性痛は個人的な脳の活動ですから、エビデンスもなにもあったものではありません

2016.5.27 カテゴリー|トリガーポイント注射

いつも読んで勉強している加茂整形外科の加茂淳先生のブログより

http://junk2004.exblog.jp/25839008/

Aさんはインプラント後、両下肢痛のため歩行困難になった。眉間にシワを寄せ、目を強く閉じて苦悶様。痛い痛いでまさに取り付く島がない。
 
トリガーポイント注射効果ない。トラマール注100mg打ってみたが・・。
 
あまりに痛みが強いため、入院生活が上手くいかず、数日で退院する。
 
帰り際にノルスパンテープを貼る。
 
帰宅してから電話があった。別人かと思うほどの明るい声だった。
 
「電車に乗っているときからすーっと痛みが消えて歩けるようになりました。入院中はわがままを言ってすみませんでした。」
 
私「それはよかったですね。ノルスパンテープが効いたのでしょう。主治医にいってしばらく続けてみてください。」
 
というようなことが今日ありました。
 
慢性痛は個人的な脳の活動ですから、エビデンスもなにもあったものではありません。

 

最後の行

慢性痛は個人的な脳の活動ですから、エビデンスも何もあったものではありません。

これ、すごい名言ですね。

慢性痛が個人的な脳の活動であることを、医者や患者さんやその家族が知れば、慢性痛で悩む人の多くを救うことが出来るようになるでしょう。

慢性痛が個人的な脳の活動だから、祈祷やサプリが効く人もいるのです。

慢性痛が個人的な脳の活動だから、治療には医師と患者の信頼関係が必要なのです。

だから、最初から信頼関係を作るつもりがないような態度の患者さんの治療はうまくいかないのです。

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