2013.6.15 カテゴリー|糖質制限
私が糖質制限を始めて、もうすぐ1年半になります。
体重が7㎏減ったことも、もちろんうれしいのですが、一番うれしいのは、あまりお腹が減らなくなったことです。
糖質制限を始める前は、午前10時半ごろや午後4時半ごろになると、おなかが減って、目が回って、冷や汗が出て、イライラしました。空腹による症状を抑えるために、あわててジュースを飲んだり、おまんじゅうを食べたりしていました。その結果ブクブクと太っていきました。
特にパンを食べたときに、この症状がひどく出るので、なるべくパンは食べないようにしていました。
休日に、家族で出かけるときにも、この空腹による症状が出てしまい困りました。家や職場にいればすぐに食べ物を補充できますが、外出先ではそうはいきません。そこで、出かけるときは、いつもよりたくさんご飯を食べるようにしました。しかし、困ったことに、朝ごはんをたくさん食べれば食べるほど、この空腹による症状がひどくなり、どうにもならなくなるのです。
そういえば、朝ごはんを食べていなかった独身時代は、午前中にお腹が空いて目が回ったことは一度もありませんでした。朝ごはんを抜けば、この空腹による症状を抑えられるのでは?とも考えましたが、当時は「朝ごはんは体にいい」と信じこんでいたので、実行できませんでした。
そして、1年半前に糖質制限に出会いました。江部先生の本を読んで、この空腹による症状は機能性低血糖であることを知りました。
機能性低血糖とは、糖質を摂取することで急激に血糖値が上がった後で、血糖値が急激に下がることで糖尿病患者さんの低血糖発作と同様の症状が出ることです。
「ああ、だからたくさんご飯を食べたほうが症状がひどくなり、ご飯を抜いたときは症状が出なかったのか」
糖質制限を始めてから、機能性低血糖の症状がピタリとでなくなりました。
今は、朝は味噌汁一杯だけです。でも全然お腹はすきません。昼ご飯も肉系のおかずを少し食べれば十分です。
関連ブログ
「パニック障害」と「機能性低血糖」
2013.6.14 カテゴリー|医療に関する迷信
「ブルーベリーには、目にいいビタミンAがたくさん含まれているから、たくさん食べると目がよくなる」と巷では思われているようですが、これは迷信です。
確かに、ビタミンAが欠乏すると「夜盲症」といって、夜に目が見えにくくなる病気(いわゆる鳥目)になります。
ビタミンA欠乏性夜盲症の人にビタミンAを投与すると、症状が改善します。
しかし、日本のようなものが豊かな国で普通に食事をしていれば、ビタミンA欠乏症になることはありません。
なので、健康な人がビタミンAをたくさん摂取したからといって、目がよくなることはありません。
逆に、ビタミンAを過剰に摂取すると、脱毛や皮膚剥奪などの副作用が出ます。
まあでも、ブルーベリージャムやブルベリーヨーグルトを毎日食べたからといって、ビタミンA過剰にはなりません。(糖質の過剰摂取が気になりますが・・・)
問題は目がよくなると思い込んで「ブルーべりー〇イ」のようなサプリメントを大量に摂取してしまうことです。
「ブルーベリーを食べると目がよくなる」というのは迷信です。
2013.6.13 カテゴリー|トリガーポイント注射
骨盤輪不安定症とは?
女性が出産する際、赤ちゃんが賛同を通りやすいように、骨盤を支えている靭帯が一時的にゆるみます。
そのゆるみが元に戻らず、骨盤が不安定になり、それが原因で腰痛や臀部痛をきたす病気です。
私は、この骨盤輪不安定症という病気が本当に存在するのか疑問に思っています。
妊娠や出産を機に腰痛が出現した女性の患者さんをたくさん診てきましたが、ほぼ全員、両方の中臀筋にトリガーポイントを認めました。
骨盤輪不安定症と診断されている患者さんの多くは、きっと中臀筋の筋筋膜性疼痛症候群です。
おなかにいる赤ちゃんの重みや、育児などの負担によって中臀筋にトリガーポイントが出来てしまうのでしょう。
上の図で、水色の線は骨盤輪不安定症でゆるむ仙腸関節。赤い丸は中臀筋のトリガーポイントです。
非常に近くにあるので、中臀筋のトリガーポイントを仙腸関節のゆるみによる痛みと誤診してしまうのではないでしょうか?
骨盤輪不安定症という病気は本当はないんじゃないかな・・・と思います。
2013.6.12 カテゴリー|トリガーポイント注射
40代の男性
3年前から立ち仕事に就きました。
2年前から長く立っていると右臀部から太ももの裏側にかけて痛みが出るようになりました。
某大学付属病院を受診し、MRIなどの検査を受けましたが異常がなく、梨状筋症候群と診断され、手術を目的に別の大学付属病院に紹介されました。
しかし、そこでは手術の話は出ないで、薬をリリカからトラムセットに変更されただけでした。
薬が変わっても痛みがとれず、夜も眠れないほど痛むため、当院を受診しました。
触診した結果、右臀部の少し下の部分に強い圧痛点を認めました。
立ち仕事が原因で、ハムストリング筋にトリガーポイントが出来てしまったようです。
梨状筋症候群じゃありません!
梨状筋症候群とは、坐骨神経が臀部の深いところにある梨状筋に圧迫されて痛みが出る病気です。
でも、本当に梨状筋が坐骨神経を圧迫しているなら、手根管症候群や肘部管症候群なのどの他の絞扼性神経障害と同じように、痛みではなく運動麻痺や知覚障害が出るはずです。
私は、梨状筋症候群という病気は存在しないと思っています。
筋肉が原因で痛みが出る病気(筋筋膜性疼痛症候群)を知らない整形外科医が、坐骨神経痛を訴えていのに、MRIでヘルニアなどの異常がみつからない患者さんに対して、苦し紛れにつけている病名でしかないと思っています。
関連ブログ
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)とは
https://nishibori-seikei.com/blog/2013/05/mps.html
梨状筋症候群の手術を受けたけど・・・
https://nishibori-seikei.com/blog/2012/08/post-67.html
坐骨神経痛は病名じゃないよ
2013.6.11 カテゴリー|トリガーポイント注射
30代の女性
2週間前から、原因不明の背部痛が出現しました。
1週間前から、痛みが悪化し、夜眠れないほど痛むようになりました。
某総合病院を受診し、レントゲンなどの画像検査を受けた結果
ストレートネックが原因の痛みと診断され、痛み止めを処方されましたが、改善しないため当院を受診しました。
触診した結果、背筋にトリガーポイントを見つけました。
トリガーポイント注射とリボトリールの内服で症状はすぐに改善しました。
ストレートネックとは?
本来、首の骨は緩やかに前にカーブしています。そのカーブが失われ、首の骨がまっすぐに並んでいる状態をストレートネックと言います。
肩こりや首の痛みを訴えている人のレントゲンを撮ると、ストレートネックになっている人がたくさんいます。
そこで、ストレートネックが肩こりや首の痛みの原因なのではないかと考えれれるようになりました。
しかし、これは結果と原因をはき違えています。
肩こりは、文字通り、首から肩にかけての筋肉のこりが原因です。
筋肉がこると、筋肉のバランスが悪くなり、首の骨のカーブが失われ、結果としてストレートネックになるのです。
この患者さんも、背筋のこりが原因でストレートネックになっているだけです。
痛みがとれれば元に戻るでしょう。
そもそも、首の骨がまっすぐになっているだけで、なぜ背中が痛くなるのでしょう。わけわかりません。
筋肉が原因で痛みがあるということを知らないから、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)という病気を知らないから、このように原因と結果をはき違えたごじゃっぺな説明をしてしまうのです。
関連ブログ
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)とは