2015.5.22 カテゴリー|トリガーポイント注射
今日はこの記事の紹介
とにかくつらい坐骨神経痛・・・痛みを和らげる4つのストレッチ
中高年の方に多く見られる坐骨神経痛。お尻や太もも、すね、ふくらはぎ、足にかけて、鋭い痛みやしびれ、ふくらはぎの張り、冷感や灼熱感、締めつけ感などの症状があらわれるのが特徴です。ひどい場合は麻痺や痛みによる歩行障害にもつながるとされています。
とにかくつらい坐骨神経痛…ここでは、その痛みを少しでも和らげられる4つのストレッチ方法をご紹介します。
坐骨神経痛の痛みを、おしりの筋肉をストレッチしたりマッサージをしたりして治す方法が紹介されています。どの方法も効果的だと思います。しかし、なぜ神経痛が筋肉のストレッチやマッサージで良くなるのでしょう。神経痛なら神経に対して何か治療しないと良くならないはずです。
その答えは、坐骨神経痛は本当は神経痛ではなく、おしりの筋肉にできたトリガーポイントが原因だからです。おしりにある小殿筋や中殿筋、梨状筋などにトリガーポイントができると、上記の図のような範囲に痛みやしびれを感じます。その痛みを感じる範囲がちょうど坐骨神経が走っている領域と重なるので坐骨神経痛と間違って呼ばれているのです。
患者さんから「私の病名は坐骨神経痛ですか?」と聞かれたとき、私はこう答えます。「坐骨神経痛は病名ではなく、頭痛や腹痛などと同じ症状の名前です。坐骨神経があるあたりが痛むのを坐骨神経痛といいますが、神経が悪いのではなくおしりの筋肉にできたトリガーポイントが原因です。」
上記の記事もおしりにできたトリガーポイントをストレッチやマッサージで解除する方法が紹介されています。でもマッサージやストレッチより、トリガーポイント注射のほうが早く良くなりますよ。
2015.3.23 カテゴリー|トリガーポイント注射
40代の神奈川県在住の男性
昨年の夏、車から降りたとたんに右ふくらはぎに激痛が走り、踵がつけなくなりました。右ふくらはぎの肉離れだろうと考え、整形外科を受診しましたが、腰から来る神経痛だと診断されました。その後、右ふくらはぎだけではなく、右臀部や太もも後面にも痛みが出るようになり、あちこちの病院にかかり、腰椎だけではなく、頚椎や胸椎のMRIを行いましたが、どこにも異常が見つかりませんでした。
そんなとき、加茂先生の著書「腰痛はトリガーポイント注射で治る」と出会い、自分は筋筋膜性疼痛症候群じゃないかと考えました。しかし、どこの病院に行っても、筋筋膜性疼痛症候群ではないと言われました。困り果てて、当院を受診しました。
下図のごとく、腰や右臀部、両ふくらはぎにトリガーポイントを認めました。
典型的な筋筋膜性疼痛症候群でした。
最初は、右ふくらはぎの筋肉の痙攣だったのでしょう。右ふくらはぎをかばっているうちに、右臀部や腰、左ふくらはぎにまでトリガーポイントができてしまったのだと思います。
何を根拠に筋筋膜性疼痛症候群じゃないと診断されたのか?さっぱりわかりません。
2015.3.13 カテゴリー|その他
いつから痛いのか?いつからできものがあるのか?いつから皮膚炎があるのか?とても重要です。だから、新患の患者さんにはその点をしつこく聞きます。
たとえば、腰痛の場合、10年前からいたいときと、10日前から痛いときと、10時間前から痛いときでは、診断と治療と予後が全然違います。10年前からなら、すでに慢性疼痛なので、完全に痛みを消すのはなかなか難しいです。10日前からなら、慢性疼痛にまだなっていない可能性が高いので、うまくいけば腰痛を完全に消すことが可能です。10時間前なら急性疼痛ですから、トリガーポイント注射などですみやかに痛みを取れば、慢性疼痛になる可能性はほとんどありません。
皮下腫瘍もいつからあるのか重要です。10年前からあってほとんど大きくなっていない腫瘍は悪性の可能性が低いですが、10日前からあって、どんどん大きくなっているような腫瘍は要注意です。
そんなわけで、いつから症状があるのかしつこく聞きます。
ところが、たいていの人は、「ずっと前からだ」とか「しばらく前からだ」とか「最近だ」とか返事をします。これではよくわかりません。「ずっと前」とか言っていたのに実際は3日前だったり、「最近だ」と言っていたのに実は3ヶ月前だったりすることが良くあるからです。
なので、「それは何日前ですか、それとも何ヶ月前ですか、それとも何年前ですか」としつこく聞きます。
あまりしつこく聞くので、怒って帰ってしまう患者さんが、ごく希にいますが、それは仕方ないと思っています。
先日もこんな患者さんがいました。
「今日はどうしましたが?」
「背中に異物があるんです」
「異物?????????」
「異物じゃなくてできものじゃないですか?」
「ああそうですか」
「いつからあるんですか?」
「震災前からです。」
「じゃあ4年くらい前からですね。じゃあ背中を診せてください。」
「手術した痕がありまね。いつどこで手術をしましたか」
「震災前に○○医院で手術しました。」
「?????、ちょっと待ってください、手術が震災前なら、できものができたのはいつですか?」
「震災前です。」
「全部震災前では、わからないので、何年前にできものができて、何年前に手術をしたのですか?」
「だから震災前。」
「それじゃ全然わからない。最初にできものに気がついたのは何年前?」
「じゃあもういいです!」
と突然切れて、診察室の引き戸をバタンと激しく閉めて帰ってしまいました。
うまく答えられないことを、しつこく聞いたから切れたんだと思いますが、仕方ないですよ。いつから悪いのか正確にわからないと診断も治療もうまくいきませんから。
2015.3.02 カテゴリー|トリガーポイント注射
アスリートやダイエッターむけの雑誌「ターザン」の今月号は、トリガーポイントについてでした。
http://magazineworld.jp/tarzan/tarzan-667/
医学書より、詳しくて、かつわかりやすく解説していてびっくり。
トリガーポイント注射については何も書いてなかったのでがっかり。
でも、トリガーポイントの入門書としては最高でしょう。
値段も550円と医学書の10分の1くらいの値段だしね。
2015.1.09 カテゴリー|トリガーポイント注射
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150109-00000058-dal-spo
卓球女子のロンドン五輪団体銀メダリストの福原愛(ANA)が9日、腰椎椎間関節障害のため、来週開幕する全日本選手権を欠場すると発表した。全治は3週間で2月のワールドツアーからの復帰を目指す。
私は卓球の愛ちゃんの大ファンです。試合で負けると悔し泣きしていた小っちゃいころからずっと応援してきました。そんな愛ちゃんが、16年連続で出場していた全日本選手権を欠場するそうです。
愛ちゃんの病名は、腰椎椎間関節障害だそうです。腰椎にある小さな関節の炎症が痛みの原因ということだと思いますが、私はこの診断、誤診だと思います。このブログで何度か書いていますが、腰痛の95%は腰や臀部にある筋肉にできたトリガーポイントが原因です。愛ちゃんも疲れから腰の筋肉にトリガーポイントが出来てしまったのだと推測します。
愛ちゃんの主治医がどなたかは存じ上げませんが、おそらく「痛みの原因は骨や関節の構造的異常である」という古い間違った仮説を信じているお医者様なのでしょう。レントゲンやMRIをとったけど、たいした異常はなく、よく見ると椎間関節に少しだけ構造的な異常がみられるから、きっとこれが痛みの原因だろうと診断したんじゃないかなと思います。筋肉が原因の痛みがあるということを知らないので、こんなごじゃっぺな診断をしてしまうのです。
診断は間違っていますが、治療は間違っていません。愛ちゃんの腰痛は腰の筋肉の使い過ぎによるものでしょうから、安静にすればきっとよくなります。だから全日本選手権を欠場するという判断は間違っていないと思います。ただ、トリガーポイント注射をすれば、3週間もかからず1週間くらいで治ったかもしれませんけどね。