2013.7.08 カテゴリー|トリガーポイント注射
シンスプリントは、下腿内側に位置する脛骨の下方1/3に痛みが発生する症状です。骨折した時のような激しい痛みではなく、鈍痛なのが特徴です。脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん)ともいいます。
中学生の長距離ランナーがかかることが多いです。
一般的に、ランニングのやりすぎによる脛骨の骨膜の炎症と考えられていますが、私は炎症ではなく、骨膜やその上にある筋肉に出来たトリガーポイントが原因だと考えています。
実際にトリガーポイント注射をすると痛みが改善します。
シンスプリントはランニングのやりすぎが原因なので、本来は休ませるべきなのですが、長期間休ませて一時的に痛みが消えても、また走り出すと痛みが再発することが良くあります。長期間休ませたからといって治る保証はないのです。
それなら、トリガーポイント注射を打ちながら、トレーニングを続けさせてあげたほうがいいんじゃないかなと思っています。
2013.7.04 カテゴリー|トリガーポイント注射
先日、以下のようなメールをいただきました。
診察していただいたお礼です。
昨日、〇〇市から受診に伺いました〇〇の姉です。お忙しいのに膝の注射をしていただいて、ありがとうございました。昨夜は痛みなく久しぶりに目が覚めずに眠れたと喜んでおります。本当にありがとうございました。今週また伺いますので、宜しくお願い致します。
患者さんは50代の女性です。
2か月ほど前から、両ひざ痛と両手のこわばりが出現しました。
近くの整形外科で、リウマチを疑い血液検査を行いましたが、異常がなく、痛み止めだけ処方されました。
両ひざの痛みがひどく、夜も眠れないため、トリガーポイント注射を希望して当院を受診しました。
内側広筋と外側広筋にトリガーポイント注射を行いました。
注射の結果、メールにあるように劇的に痛みが改善したようです。
1週間後に再診した際には、なぜか手のこわばりもよくなっていました。
膝の痛みがとれたことで、自律神経の働きがよくなり、手の浮腫みがなくなったのかもしれません。
患者さんが良くなって、喜んでもらえる。
こういう時は、「医師になって本当に良かった」とうれしくなります。
2013.7.03 カテゴリー|トリガーポイント注射
7月2日のNHKクローズアップ現在 で腰痛についての特集番組が放送されました。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3374.html
・腰痛の8割は原因不明
・急性腰痛に対し安静は有効な治療法とは言えない
・腰痛の原因は心理的・社会的ストレス
・心療内科医と整形外科医がチームを組んで集学的な治療が行われ始めている
これらが腰痛の新しい常識として紹介されていたようです。
しかし、これらの話は、私の所属していた福島県立医大整形外科学講座では15年前以上から常識でした。
当時の教授は、腰痛の研究で世界的権威の菊地臣一先生だったので、私が若手医師だったのころから、週に1回、心療内科の先生方と患者さんの心理状態をもとに今後の治療方針を決める「リエゾンカンファランス」を行っていました。
そんなわけで、福島県の整形外科医の中では「腰痛の原因はストレス」というのが常識でした。
6年前に茨城県に移ってきて際、茨城県の整形外科の先生方には、この常識がほとんど浸透していないことに、少なからず驚きました。
実は、私はこの番組を見ていなかったのですが、実際に見た患者さんの話では、
「筋肉の痛みについて、まったく触れていなかったので、がっかりした。」
とのことです。
8割の原因不明の腰痛のほとんどが筋筋膜性疼痛症候群です。
ストレスが原因で、自律神経の働きが狂い、筋肉にトリガーポイントが出来てしまうのです。
心療内科を受診する前に、トリガーポイント注射を受けてみてください。
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筋筋膜性疼痛症候群(MPS)とは?
2013.7.02 カテゴリー|トリガーポイント注射
オスグット病とは
脛骨結節(お皿の下の骨)が徐々に突出してきて、痛がります。時には、赤く腫れたり、熱を持ったりします。休んでいると痛みが無くなりますが、スポーツを始めると痛みが再発します。
発育期のスポーツ少年に起こりやすいのが特徴です。
http://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/osgood_schlatter.html
急性のオスグット病は、筋肉の牽引力により、脛骨結節の骨端線が損傷されることが原因です。
2週間ほど安静にすれば、痛みがとれます。
痛いのに我慢して運動を続けていると、痛みが慢性化します。
私は、慢性化したオスグット病は膝蓋腱の筋筋膜性疼痛症候群(MPS)だと思っています。
実際に、慢性化したオスグット病の子供の膝蓋腱の圧痛部にトリガーポイント注射をしてあげると、痛みが改善します。
スポーツを続けていると3か月後くらいにまた痛くなりますが、再度トリガーポイント注射をしてあげればまたよくなります。
注射などせずに、半年くらいスポーツを休んで完全に治したほうがいい、という考え方もあると思います。
しかし、中学校の部活は実質2年しかありません。
半年も休んだら、一緒に入った仲間から大きく遅れを取ってしまい、取り戻すことが出来なくなってしまいます。
オスグットの痛みはほとんどの場合、部活を引退したら治るのだから、それまでの間は注射をしながら、みんなと一緒に部活を楽しんだほうがいいと、私は思います。
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筋筋膜性疼痛症候群(MPS)とは?
2013.7.01 カテゴリー|トリガーポイント注射
30代男性
3か月前から、左臀部から左下腿にかけての痛みが出現しました。
某病院で、MRIを撮り、L4/5のヘルニアと診断され、ロキソニンとリリカを処方されましたが、痛みがとれませんでした。
手術を勧められ、不安になり当院を受診しました。
初診時、下図のように、小臀筋、中臀筋、腓腹筋にトリガーポイントを認めました。
1回目のトリガーポイント注射で、痛みは半減し、薬を飲まなくても済むようになりました。
2回目のトリガーポイント注射で、痛みはほとんど消えました。
痛みの原因はヘルニアじゃなくトリガーポイントだったのです。
ヘルニアはMRIにたまたま映っただけで、痛みとは無関係でした。
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筋筋膜性疼痛症候群(MPS)とは?
https://nishibori-seikei.com/blog/2013/05/mps.html