2013.6.13 カテゴリー|トリガーポイント注射
骨盤輪不安定症とは?
女性が出産する際、赤ちゃんが賛同を通りやすいように、骨盤を支えている靭帯が一時的にゆるみます。
そのゆるみが元に戻らず、骨盤が不安定になり、それが原因で腰痛や臀部痛をきたす病気です。
私は、この骨盤輪不安定症という病気が本当に存在するのか疑問に思っています。
妊娠や出産を機に腰痛が出現した女性の患者さんをたくさん診てきましたが、ほぼ全員、両方の中臀筋にトリガーポイントを認めました。
骨盤輪不安定症と診断されている患者さんの多くは、きっと中臀筋の筋筋膜性疼痛症候群です。
おなかにいる赤ちゃんの重みや、育児などの負担によって中臀筋にトリガーポイントが出来てしまうのでしょう。
上の図で、水色の線は骨盤輪不安定症でゆるむ仙腸関節。赤い丸は中臀筋のトリガーポイントです。
非常に近くにあるので、中臀筋のトリガーポイントを仙腸関節のゆるみによる痛みと誤診してしまうのではないでしょうか?
骨盤輪不安定症という病気は本当はないんじゃないかな・・・と思います。
2013.6.12 カテゴリー|トリガーポイント注射
40代の男性
3年前から立ち仕事に就きました。
2年前から長く立っていると右臀部から太ももの裏側にかけて痛みが出るようになりました。
某大学付属病院を受診し、MRIなどの検査を受けましたが異常がなく、梨状筋症候群と診断され、手術を目的に別の大学付属病院に紹介されました。
しかし、そこでは手術の話は出ないで、薬をリリカからトラムセットに変更されただけでした。
薬が変わっても痛みがとれず、夜も眠れないほど痛むため、当院を受診しました。
触診した結果、右臀部の少し下の部分に強い圧痛点を認めました。
立ち仕事が原因で、ハムストリング筋にトリガーポイントが出来てしまったようです。
梨状筋症候群じゃありません!
梨状筋症候群とは、坐骨神経が臀部の深いところにある梨状筋に圧迫されて痛みが出る病気です。
でも、本当に梨状筋が坐骨神経を圧迫しているなら、手根管症候群や肘部管症候群なのどの他の絞扼性神経障害と同じように、痛みではなく運動麻痺や知覚障害が出るはずです。
私は、梨状筋症候群という病気は存在しないと思っています。
筋肉が原因で痛みが出る病気(筋筋膜性疼痛症候群)を知らない整形外科医が、坐骨神経痛を訴えていのに、MRIでヘルニアなどの異常がみつからない患者さんに対して、苦し紛れにつけている病名でしかないと思っています。
関連ブログ
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)とは
https://nishibori-seikei.com/blog/2013/05/mps.html
梨状筋症候群の手術を受けたけど・・・
https://nishibori-seikei.com/blog/2012/08/post-67.html
坐骨神経痛は病名じゃないよ
2013.6.11 カテゴリー|トリガーポイント注射
30代の女性
2週間前から、原因不明の背部痛が出現しました。
1週間前から、痛みが悪化し、夜眠れないほど痛むようになりました。
某総合病院を受診し、レントゲンなどの画像検査を受けた結果
ストレートネックが原因の痛みと診断され、痛み止めを処方されましたが、改善しないため当院を受診しました。
触診した結果、背筋にトリガーポイントを見つけました。
トリガーポイント注射とリボトリールの内服で症状はすぐに改善しました。
ストレートネックとは?
本来、首の骨は緩やかに前にカーブしています。そのカーブが失われ、首の骨がまっすぐに並んでいる状態をストレートネックと言います。
肩こりや首の痛みを訴えている人のレントゲンを撮ると、ストレートネックになっている人がたくさんいます。
そこで、ストレートネックが肩こりや首の痛みの原因なのではないかと考えれれるようになりました。
しかし、これは結果と原因をはき違えています。
肩こりは、文字通り、首から肩にかけての筋肉のこりが原因です。
筋肉がこると、筋肉のバランスが悪くなり、首の骨のカーブが失われ、結果としてストレートネックになるのです。
この患者さんも、背筋のこりが原因でストレートネックになっているだけです。
痛みがとれれば元に戻るでしょう。
そもそも、首の骨がまっすぐになっているだけで、なぜ背中が痛くなるのでしょう。わけわかりません。
筋肉が原因で痛みがあるということを知らないから、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)という病気を知らないから、このように原因と結果をはき違えたごじゃっぺな説明をしてしまうのです。
関連ブログ
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)とは
2013.6.10 カテゴリー|その他の治療について
80歳女性
2週間前に田植えをした後から右臀部が痛くなったと、当院を受診しました。
レントゲンには異常なく、症状と経過から、臀部の筋肉の筋筋膜性疼痛症候群(MPS)と診断しました。
トリガーポイント注射を打とうと、臀部の皮膚を露出したところ、2㎜くらいの小水疱が10個くらいありました。
痛みの部位と小水疱がある分節が一致したため、帯状疱疹と診断しました。
ただちに、抗ウイルス薬(バルトレックス)の内服を開始しました。
ついでに中臀筋のトリガーポイントにトリガーポイント注射もしました。
1週間後、痛みも小水疱も改善していました。
帯状疱疹は、早期に治療しないと帯状疱疹後神経痛が残ってしまいます。
今回の症例では、注射をするために臀部を露出しなければ、小水疱に気が付かづ、帯状疱疹を見逃すところでした。
高齢者の疼痛の診断においては、触診だけでなく視診も大切ですね。
患部を見もせず触りもせず、レントゲンやMRIの画像ばかり見ていると、見逃してしまいます。
帯状疱疹
http://www.med.or.jp/forest/check/taijo/index.html
2013.6.07 カテゴリー|トリガーポイント注射
50代男性
仕事中に、豚に引っ張られて、左膝をひねり受傷しました。
すぐに当院を受診しました。左膝の裏側の痛みのため歩行できない状態でした。
レントゲン上は異状ありませんでした。
膝関節の軽度の腫脹をみとめ、関節穿刺で透明な関節液を12ml吸引しました。
痛みが強いため、念のためMRIも行いました。
MRIでは内側半月板の後ろの部分に水平断裂を認めました。
(青丸の中)
私は、半月板損傷は、痛みの原因にならないと考えています。
なぜなら、半月板などの軟骨には神経がないからです。
神経がなければ痛みを感じることはできません。
触診で、膝の裏側に2か所圧痛点を認めました。
トリガーポイント注射をしたら7回程度で痛みが消えました。
半月板損傷ではなくMPS(筋筋膜性疼痛症候群)だったのです。
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