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肉ばなれもトリガーポイント注射で良くなる

2012.4.10 カテゴリー|トリガーポイント注射

肉ばなれは、たいていの人が一生に何回かは経験しますし、スポーツの際によく起こるけがです。肉ばなれがよく起こる筋肉は、ももの裏側の筋肉(ハムストリング)、大腿[だいたい]前面の筋肉(大腿四頭筋)とふくらはぎの筋肉(腓腹筋[ひふくきん])です。肉ばなれというのは収縮している筋肉が急に無理に引き伸ばされたときに起こり、筋肉の一部が痙攣または断裂してしまうものです。

肉ばなれでも軽いものは、筋肉の小範囲(幅約1cm)に圧痛(押すと痛む)がある程度で、歩くことはほとんど不自由のないこともあります。重いときは、激痛と肉ばなれの部分に明らかな腫れがあり、指で触ると筋肉の断裂している部分がへこんでいることがあります。

筋肉が断裂しているかどうかは超音波(エコー)検査で診断できます。しかし、スポーツで筋肉を損傷して「肉ばなれ疑い」で受診する患者さんの中で実際に筋肉が断裂していることは稀です。ほとんどの患者さんは筋肉の一部が痙攣しているだけです。なので、痙攣している筋肉にトリガーポイント注射を打つだけで、筋肉の痙攣が止まり今までの痛みが嘘のように治ってしまうこともあります。

筋肉が断裂している場合でも、トリガーポイント注射を打つことで断裂部位周辺の筋肉の痙攣が止まり、筋肉の血流量が増加して、筋肉が早く修復されます。

受傷してからなるべく早い時期にトリガーポイント注射を打つことが大切です。時間がたってしまうと、痙攣が慢性化してしまい治療が難しくなってしまうからです。肉ばなれ以外のどんな怪我でも痛みを慢性化させないためには、痛みはなるべく早く取り除くことが重要です。怪我をして痛みが出たら我慢せず、なるべく早めに受診してください。 

テニス選手の手首痛もトリガーポイント注射で良くなりました。

2012.3.26 カテゴリー|トリガーポイント注射

3月11日のブログで紹介した。将来有望なテニス選手が、先日再診してくれたので経過を報告いたします。
http://bizmail.itp.ne.jp/blg/nishibori-seikei?year=2012&month=3&day=11


 右手首に痛みがあり、近くの整形外科からTFCC損傷と診断され、治療を受けていましたが、症状がよくならずに当院を受診しました。

 私の診断は、軽いTFCC損傷と前腕の筋筋膜性疼痛症候群でした。前腕から手首にかけて5か所の圧痛点にトリガーポイント注射を2回行いました。

 その結果、鉛筆が持てないほどひどかった痛みはほとんどなくなり、テニスができるようになり、海外遠征でも活躍できたそうです。

 また、23日に紹介した臀部の筋肉痛の患者さんも昨日受診しました。

http://bizmail.itp.ne.jp/blg/nishibori-seikei?year=2012&month=3&day=23
 

 3か月前から苦しんでいた歩行時の左臀部痛が、トリガーポイント注射1回でほとんどよくなったそうです。

 首や腰、腕や脚の痛みのほとんどが筋肉に出来たトリガーポイントが原因です。トリガーポイント注射でよくなります。
 

筋肉痛の治療法を知らない整形外科医

2012.3.23 カテゴリー|トリガーポイント注射

 80歳の元気なおじいちゃんが、3か月前にウォーキング中に急に左臀部が痛くなり、それ以後100mくらいしか歩けなくなりました。

 某総合病院の整形外科を受診し、腰部脊柱管狭窄症の疑いがあるといわれ腰椎MRIをとりましたが、MRIでは何も異常がなかったそうです。(80歳で腰椎MRIで何も異常がないということ自体ものすごく稀なことですが。)

 MRIで異常がないので、ただの筋肉痛だから、自然と治るのを待ちましょうと言われ、何も治療をしてもらえなかったそうです。

 様子を見ていても、痛みが引かないので当院を受診しました。触診の結果、左臀部の中臀筋に圧痛のあるしこり(トリガーポイント)を認めました。

 筋筋膜性疼痛症候群と診断し、トリガーポイント注射を行いました。

 この患者さんの場合、もしMRIで腰部脊柱管狭窄の所見があったらきっと手術を勧められていたことでしょう。よけいな手術を受けないで済んだことは患者さんにとっては幸いでした。

 筋肉痛だから何も治療をしないというのは、運動器疾患の専門家としてどうかと思われるかもしれませんが、このことでこの整形外科医を責めることはできません。

 なぜなら、ほとんどの整形外科医が筋肉痛の治療方法を知らないからです。 

 私自身も加茂淳先生の著書「腰痛はトリガーポイントブロックで治る」を読むまで、筋肉痛について何も知りませんでした。

 今の整形外科の研修は、画像診断と画像診断で分かった構造的異常を手術で治すことに重きを置いていて、筋肉痛などのありふれた疾患については何も教えてくれません。

 というか、研修医を教えている指導医自体が、慢性の筋肉痛の治療について何も知らないのです。

 筋肉に出来たトリガーポイントが原因で、痛みやしびれなどの症状が出る筋筋膜性疼痛症候群という病気があること、整形外科を受診する患者さんの多くが実は筋筋膜性疼痛症候群であることを、ほとんどの整形外科医は知らないのです。
 
 

腎臓摘出術後から続く左わき腹痛

2012.3.21 カテゴリー|トリガーポイント注射

 4年ほど前に左腎臓摘出術を受けてから、左わき腹に痛みがあり、泌尿器科や内科でさまざまな検査をしたけれど原因わからなかった患者さんが来院しました。

 痛いところを触診すると、左わき腹の2cmほどの手術痕(ドレーンを入れていた痕かな?)に圧痛を認めました。

 腹斜筋の筋筋膜性疼痛症候群と診断し、同部位にトリガーポイント注射を行ったところ、4年間悩まされていた左脇腹痛が10分の1以下に減りました。

 手術で筋肉を切開したことにより、筋肉にトリガーポイントが出来てしまったのです。

 手根管症候群の手術後に多い、手掌痛も手術によって母指球に出来たのトリガーポイントが原因だと考えています。実際に、母指球にトリガーポイント注射を打つことで、手掌痛が改善します。
 

痛み止めの正しい使い方

2012.3.19 カテゴリー|トリガーポイント注射

「痛み止めはなるべく使わないほうがいいから、どうしても我慢できなくなってから使ったほうがいい。」

と思っている方がけっこういるようです。

 これは大間違いです。

 痛み止めは、痛みが我慢できなくなるほどひどくなってから使用しても、ほとんど効きません。そのため、かえって何度も使用するようになり、結果的には痛み止めの副作用が出やすくなります。

 痛み止めは痛くなる前に使うのが一番効果的です。

 人間の感じる痛みには閾値(しきいち)というものがあり、閾値より弱い痛みは、痛みとして感じないようになっています。

 痛みを我慢してから痛み止めを使っても、痛みが閾値より弱くならないので、痛みは消えません。
 
 痛みが出る前や痛くなってすぐに痛み止めを使えば、痛みがすぐに閾値より弱くなるので、痛みは消えます。

 痛みの感じている時間が長いと、痛みの原因となっている炎症や血行不良が悪化し、痛みがさらにひどくなるという痛みの悪循環という現象が起きます。

 痛みというのは火事のようなもので、すぐに消せばボヤ程度で済みますが、ほっとくと大火事になってしまいます。大火事になってからでは消火がすごく難しくなります。

 痛み止めの薬だけでは痛みが消えないときは、躊躇することなくトリガーポイント注射など、あらゆる手段で痛みを消しましょう。 

 痛みは我慢しないで、すぐに消しましょう。

 

   いたみいたみ

 

 

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