2016.4.01 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
14歳の男子中学生
バスケットボールの練習中に右足首を内側にひねって受傷しました。
最初は足首の外側が痛かったのですが、だんだん足首の内側が痛くなって歩けなくなり当院を受診しました。
足首の外くるぶしの少し下の部位が出っ張っていて、そこに強い圧痛を認めました。
レントゲン上、外脛骨を認めました。
矢印の先に、おにぎりのような形をした小さな骨があります。
これは外脛骨といって、日本人の5~6人に1人にしかない珍しい骨です。
外脛骨があると舟状骨(外脛骨がくっついている船のような形をした骨)との間に、一つ余計な関節があるので、捻挫したときにここが損傷して、通常の捻挫にはない痛みが出ることがあります。
治療としては、通常の捻挫と同じで、3日間くらいシーネで足首をしっかり固定すれば大丈夫です。
この男子中学生も、3日間のシーネ固定で痛みはきれいに消えました。
外脛骨は、捻挫しなくても、オーバーユーズ(使いすぎ)でも痛くなることがあります。
この場合は、トリガーポイント注射が有効です。
関連ブログ
足首の捻挫は早期にしっかり治療しましょう
https://nishibori-seikei.com/blog/2012/03/post-16.html
2016.2.15 カテゴリー|その他
今日はこの記事の紹介
医師から「一生歩けない」と宣告。武井壮が1ヶ月で自ら完治させた驚きの方法とは?
http://89323952.mastv.jp/archives/3997
2015.10.06 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
胸や背中をぶつけたりひねったりして肋骨に痛みが出て当院を受診する患者さんがたくさんいます。皆さん一様に肋骨が折れていないかどうか心配しますが、肋骨は折れていても折れていなくても治療法も治る期間もほとんど同じです。
患者さんが来たらまず、痛みがある部位を聞いて、押していたいところを探して、そこにクリップを貼ってマーキングをしてから肋骨のレントゲンを撮ります。肋骨は片方だけで12本もありまた細長くて湾曲している骨なので、マーキングをしないと折れているところを探すのが大変です。
レントゲンを診て、骨折の有無を確認しますが、3本以内の転位のない骨折だったら折れていても折れていなくても同じ治療をします。
痛みが強ければ肋骨バンドを巻きます。(肋骨バンドはシグマックス社のリブバンドが丈夫でゴムの弾力もあり肋骨全体を固定できるので効果的です。A社の肋骨バンドは、ゴムの弾力が弱すぎて使い物になりません。)肋骨バンドは痛いところに巻くのではなく、なるべく上の方、男性なら脇の下のすぐ下。女性なら、女性用のリブバンドを乳房のすぐ下に巻きます。きつく巻いた方が痛みが楽になります。
肋骨バンドを巻いても痛みが強い場合は、圧痛部にトリガーポイント注射をします。トリガーポイント注射が劇的に効くことがよくあります。
それから痛み止めの飲み薬と湿布を1週間分処方して、次のように説明します。
「肋骨をぶつけると、折れていても折れてなくても2週間くらいは痛みます。その間は痛みが出るような動作はなるべく避けてください。注意してほしいのは、肋骨が痛いと痛みが気になるものだから、ついつい痛いところを指で押して探してみたくなりますが、これをやると骨がずれたり、折れてない骨にヒビが入ったりして余計痛くなりますから絶対にやらないように気をつけてください。1週間たってもまだ痛みがあるときはまた来てください。」
痛みが続いている場合のみ再診時にレントゲンを撮り、骨折が転位していないか、血胸や気胸が発生していないかどうか確認します。痛みが取れている場合は、あまり意味がないのでレントゲンは撮りません。
息苦しさや呼吸苦がある場合は胸部レントゲンも撮り、血胸(骨折部からの出血が肺の中に貯まる状態)や気胸(肺に穴が開いて肺の外に空気が漏れる状態)の有無を確認します。軽度の気胸や血胸は、自然と治るので数日おきにレントゲンを撮って経過を見ますが、ひどい気胸や血胸は外科的処置が必要なので、呼吸器外科のある大きな病院に紹介します。
レントゲンでわからない程度の転位のない骨折だったら、折れていても折れていなくても治療法も治る期間もほとんど一緒なので、CTをとってまで肋骨骨折を探すことはあまり意味がなく医療費の無駄だと思います。
2015.8.04 カテゴリー|その他
昨日のブログで紹介した女の子のお母さんの話
https://nishibori-seikei.com/blog/2015/08/post-530.html
最初に受診した救急病院の若い医師の対応と説明に対して憤慨していました。
お母さん「すごく痛がっているので骨折じゃないですか?」
若い医師「子供は骨折しない」
お母さん「じゃあ、肉離れとかじゃないですか」
若い医師「肉離れなんて存在しない」
お母さん「・・・・・・・」
いやいやいやいや、そんなことないから。
子供の骨は柔らかいから折れやすいよ、不顕性骨折も多いから慎重に診察しないといけないよ。実際この女の子は骨折してたわけだしね。
肉離れだってちゃんと存在するよ。実際に、陸上部の中学生とかソフトボールしているおじさんとかの肉離れにをトリガーポイント注射したりして治療してるし。
憤慨しているお母さんに対して私が代わりに謝罪しました。
「私もそうでしたが、医師になって5年くらいすると、いろんなことが一人でできるようになるんで、妙に自信満々になっちゃうんですよね。ホントすみません。」
2015.8.03 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
2歳の女の子
ローラー滑り台をした後から左脚を痛がりだして歩けなくなったので、お母さんはすぐに近くの救急病院につれていきました。そこで骨折はないと言われましたが、翌日になっても歩かないので、当院につれてきました。まだうまくおしゃべりができないので、どこを痛がっているのかよくわからなかったのですが、触診をすると膝の下を押したときに一番痛がるようでした。そこで左膝のレントゲンを撮りました。
はっきりした骨折はありませんでしたが、矢印の部分にある白い線がちょっと怪しいです。不顕性骨折(レントゲンに写らない骨折)と診断しました。不安定性はなかったのでギプスは巻かず、無理に歩かせないようにして様子をみることにしました。
2週間後のレントゲンです。怪しかったところに仮骨ができています。
やっぱり折れてました。
仮骨はできたし、女の子も元気に歩けるようになっていたので治療は終了にしました。
子供の骨は柔らかいから、大人より折れやすいよ。柔らかいからぼっきり折れないで、ぐにゃっと折れる(若木骨折)からレントゲンに写りにくいよ。だからどこが折れているっぽいか慎重に診察して、丁寧にレントゲンをみないといけないよ。