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おばあちゃんたちが安静にできない理由

2013.8.13 カテゴリー|その他の治療について

前回のブログで紹介したおばあちゃんは、骨折があるので安静を指示されていたにもかかわらず、テリボン注射で痛みがとれたら、家の仕事(草むしりや買い物や家事)をいつも通りしてしまい痛みが悪化してしまいました。

 

このおばあちゃんだけでなく、治療のために安静が必要なおばあちゃんはたくさんいます。

でも、おばあちゃんたちに安静を指示すると、たいてい同じことを言われます。

「他にやる人がいねぇから仕方がねぇんだ。うちの若い人らも『あんま働かないで、おとなしくしてろ!』って言うんだけんど、口ばっかりで代わりにやってくんねぇんだ。」

 

こういわれちゃうと何も言い返せませんね。

代わりに草むしりしてあげるわけにもいかないし・・・

 

 前回のブログ

https://nishibori-seikei.com/blog/2013/08/post-313.html

怪我をしたら、最初に整形外科に行きましょう。

2013.7.11 カテゴリー|その他の治療について

30代の女性

 

車のドアに中指を挟んで受傷しました。

指先が少し切れて、爪の下が黒く出血しました。

ちょうど薬局の駐車場で受傷したので、薬局の薬剤師にどこに行ったらいいか尋ねたら、

「外科に行ったほうがいい」

と言われたので、近所の外科も標榜している内科医院(本当の専門は小児科)を受診しました。

創に対して、抗生剤入りの軟膏と抗正座の内服薬が処方されました。

 

翌日、受傷当日より痛くなってきたため、当院を受診しました。

爪の下に出血していて指先が著しく腫れていました。

これは爪下血腫といって、爪の下で出血した血が爪を押し上げて生爪を剥がすような感じになるため、ものすごく痛みます。

爪に穴を開けて、爪の下にある血を外に逃がしてあげれば痛みはすぐに消えます。

 

受傷後すぐに整形外科を受診して、血を抜いてもらっていれば、こんなに痛くならずに済んだはずです。

怪我をしたら、最初に整形外科に行くべきです。

 

例えば、怪我をした患者さんが救急外来を受診した際、内臓や脳に損傷があるような大怪我でなければ、最初に呼ばれるのは整形外科医です。

浅い切り傷は、外科系の医師ならだれでも縫うことができますが、深くて筋肉や腱や靭帯や神経を損傷している場合は整形外科医でなければ治療できません。

なので、怪我をして傷を負ったときは最初から整形外科に行ったほうがいいのです。

 

というか、キズを見て、外科に行けと言った薬剤師が無知すぎ。

車のドアに指を挟んだんだよ。骨が折れている可能性もあるでしょ。医学知識が少しでもあったら整形外科を勧めるでしょ。

ゼムクリップを使った巻き爪治療 その3

2013.7.07 カテゴリー|その他の治療について

当院で行っている事務用のゼムクリップを使った巻き爪の治療についてご紹介します。

 

 

60代女性

419a.jpg

① ヤスリを使って爪を少し薄くします。

② 事務用のクリップをニッパーで切り、曲がっている爪の間に挟み込みます。

  (この時、クリップは爪の湾曲より2~3㎜長く切ります。)

③ 瞬間接着剤でクリップを爪に固定します。

 419b.jpg

④ 2週間に1回くらい、ゼムクリップを徐々に長くしながら交換します。

419c.jpg

2か月後、患者本人がこのくらいで十分といったので治療終了

 

関連ブログ

ゼムクリップを使った巻き爪治療

https://nishibori-seikei.com/blog/2012/12/post-157.html

高齢者のこむら返りはダントリウムが効く

2013.6.28 カテゴリー|その他の治療について

こむら返りは専門的には「腓腹筋痙攣(ひふくきんけいれん)」と呼ばれているもので、ふくらはぎのひふく筋や神経が異常な緊張を起こし、筋肉が収縮したまま弛緩しない状態になり、激しい痛みを伴う症状です。

 

若い人の場合、長時間運動をして、ふくらはぎに疲労物質が蓄積した時などに、こむら返りを起こします。

サッカー選手が試合の後半になって、こむら返りを起こして治療を受ける場面を見たことがあると思います。

 

年齢とともに睡眠中などに急にこむら返りを起こすことが多くなってきます。

 

高齢者では慢性の運動不足のために常にひふく筋が緊張した状態にあり、少し足を伸ばしたりふくらはぎを打っただけでもこむら返りを起こしてしまうのです。

 

激痛とそれに伴う不安のため、睡眠を十分にとれなくなってしまう高齢者もいます。

 

この高齢者の夜中のこむら返りに対しては、筋弛緩薬のダントリウムが非常によく効きます。

 

1週間、寝る前にダントリウム(25㎎) 1錠を飲んでもらうだけで、ピタリとこむら返りが止まります。

MPSかと思ったら帯状疱疹だった一例

2013.6.10 カテゴリー|その他の治療について

80歳女性

 

2週間前に田植えをした後から右臀部が痛くなったと、当院を受診しました。

 

レントゲンには異常なく、症状と経過から、臀部の筋肉の筋筋膜性疼痛症候群(MPS)と診断しました。

 

トリガーポイント注射を打とうと、臀部の皮膚を露出したところ、2㎜くらいの小水疱が10個くらいありました。

 

痛みの部位と小水疱がある分節が一致したため、帯状疱疹と診断しました。

 

ただちに、抗ウイルス薬(バルトレックス)の内服を開始しました。

ついでに中臀筋のトリガーポイントにトリガーポイント注射もしました。

 

1週間後、痛みも小水疱も改善していました。

 

帯状疱疹は、早期に治療しないと帯状疱疹後神経痛が残ってしまいます。

 

今回の症例では、注射をするために臀部を露出しなければ、小水疱に気が付かづ、帯状疱疹を見逃すところでした。

 

高齢者の疼痛の診断においては、触診だけでなく視診も大切ですね。

 

患部を見もせず触りもせず、レントゲンやMRIの画像ばかり見ていると、見逃してしまいます。

 

帯状疱疹

http://www.med.or.jp/forest/check/taijo/index.html

 

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