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2013.8.30 カテゴリー|医療に関する迷信
「痛み止めは、痛みを抑えるだけで、痛みの原因がなくなるわけではありません」
と説明して、痛み止めを処方する整形外科医が未だにいるようです。
痛みの生理学について、何も勉強してないこと丸出しです。
患者さんの痛みをとることが、整形外科の仕事なのに・・・・・
痛みには痛みの悪循環という現象があります。
強い痛みを我慢していると、自律神経が狂い、患部の血流が悪くなり、痛みがますますひどくなる。
痛みがストレスになり、ストレスが自律神経を狂わせ、患部の血流が悪くなり、痛みがますますひどくなる。
痛みの悪循環に陥ると、痛みの原因そのもの(打撲や捻挫や骨折など)が治っても痛みが続きます。
痛み止めを飲むことで、痛みの悪循環が止まり、痛みそのものが治ります。(重度の慢性疼痛の場合は、それだけでは治らないこともありますが・・・)
実際の臨床でも、痛み止めを飲んだだけで痛みが消えてしまい、その後痛み止めを飲まなくても痛みが再発しない患者さんはたくさんいます。
痛み止めは、単に痛みを抑えているだけではなく、痛みそのものを治すのです。
関連ブログ
痛みの悪循環
https://nishibori-seikei.com/blog/2012/12/post-149.html
2013.8.29 カテゴリー|その他の治療について
6歳の女の子
ヒップホップダンスを習っていて、しゃがんだ状態から体をひねって立ち上がる時に、左膝がぽきっとなって痛みが出ました。
それ以来、ダンスで同じ動作をすると痛みが出るということで、某総合病院の整形外科を受診。
そこで円盤状半月板と診断され、手術を勧められました。
両親が手術をうけさせたほうがいいかどうか不安になり、当院を受診しました。
私の診断は、膝窩筋の筋筋膜性疼痛症候群でした。
そして、こう説明しました。
「円盤状半月板が痛みの原因ではないので、手術は必要ないと思います。ダンスの時だけ痛みがあり、日常生活では痛くないのであれば、ダンスを休ませれば治ると思います。」
そしてこう続けました。
「もし、自分の娘だったら、手術など受けずに、ダンスを止めさせます。」
しかし両親は、
「本人がダンスをやりたがっているから。」と言って、手術を選択しました。
手術を受けましたが、痛みがとれず。結局ダンスはやめたようです。
私には6歳の子供が、本当に自分に意志でダンスを続けたがっていたとは、到底思えません。
本当はダンスを止めたいのに、親の顔色を見て、親を落胆させないため「続けたい」といっていたのだと思います。
だからダンスの時だけしか痛みが出なかったのでしょう。
あの時ダンスを止めさせていれば、トリガーポイント注射も何もしなくても、自然と治った可能性が高いと思います。
2013.8.28 カテゴリー|糖質制限
糖質制限をはじめて1年で少しリバウンドした体重が、ロトリガ(EPA・DHA製剤)を飲み始めてからまた順調に下がり続けています。
サプリメントの世界では、EPAにダイエット効果があることを盛んに喧伝しています。
例⇒http://www.mylohas.net/2013/08/031717omegaoil.html
しかし、高脂血症でロトリガやエパデール(EPA製剤)を飲んでいる患者さんはたくさんいますが、それで痩せたという患者さんをあまり見たことがありません。
内科の先生に聞いたら、「EPAやDHAにダイエット効果はない!」と断言されてしまいました。
では、私はなぜ痩せたのでしょう。
その答えは、かくちゃん先生のブログに書いてありました。
http://ameblo.jp/jykdkk/theme-10035966776.html
低炭水化物食で、油脂の割り合いを増やせば
痩せるし、血糖値が下がるようです。
しかし、油脂には色々な種類があります。
で、かくちゃんは、一貫して推奨してますが
ω3系の不飽和脂肪酸は必須脂肪酸であり、
かつ色々な身体に良い作用を持つています。
健康になり、かつステキな体型をゲットするには
EPAを摂取しましょう。DHAでは動脈硬化は防げないみたいです。
そんなわけで、糖質制限中で、体重減少が停滞期やリバウンド期に入っている方は、EPAを摂取するといいようです。
関連ブログ
EPA・DHAのダイエット効果について
https://nishibori-seikei.com/blog/2013/06/epadha.html
2013.8.27 カテゴリー|トリガーポイント注射
80代男性
2か月くらい前に外因なく、両臀部痛が出現しました。
3日後に隣町の〇〇総合病院の整形外科を受診し、第12胸椎陳旧性圧迫骨折と診断され、物理療法(いわゆる電気治療)を勧められ、当院に紹介されました。
その2日後に当院を受診しました。
触診で両中臀筋に圧痛を認めました。
典型的な筋筋膜性疼痛(MPS)です。
「トリガーポイント注射をすればすぐに良くなりますよ!」
と注射を勧めましたが、
「〇〇総合病院の先生が、電気治療をしたほうがいいと言ったのだから、電気治療をする。」
といって、注射を拒否しました。
おそらく、一開業医である私よりも、大病院である〇〇総合病院の医師の見立てが正しいと思い込んでいるのでしょう。
しかし、〇〇総合病院の整形外科といっても、診察をしたのは、私よりずっと経験が浅い若手医師です。
おそらく、筋筋膜性疼痛症候群についても、トリガーポイント注射についても、まだよく知らないのでしょう。
以後2か月間、毎日のように電気治療に通っていますが、まだ痛みは続いているようです。
あの時注射していれば、1回で治った可能性もあるのになぁ。
関連ブログ
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)とは?
https://nishibori-seikei.com/blog/2013/05/mps.html
最初は開業医にかかったほうがいいですよ
2013.8.23 カテゴリー|湿潤療法
6歳の女の子
お風呂でお兄ちゃんと遊んでいて、右瞼の上を切りました。
すぐに水戸医療センターの救急外来を受診した。
その時、治療してくれた先生が、夏井先生の名前を出して、
「瞼などの顔の創は、縫うよりもテーピングで治療したほうがきれいに治るので、テーピングで治療します。」
と説明して、創をテーピングで固定してくれたそうです。
翌日、当院を受診しました。
創はテーピングできれいに寄せられていました。
3日ほどできれいにくっつくでしょう。
夏井先生のホームページには登録されていませんが、水戸医療センターにも湿潤療法が出来る先生がいるようです。
外傷を湿潤療法している医師リスト
http://www.wound-treatment.jp/dr/dr.htm
関連ブログ
県立〇〇病院にも湿潤療法ができる若手医師がいるようです