2018.8.21 カテゴリー|トリガーポイント注射
胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)は、腕神経叢と鎖骨下動脈、鎖骨下静脈が胸郭出口付近で頚肋、鎖骨、第一肋骨などや前斜角筋、中斜角筋、小胸筋などに圧迫・牽引されることで起きる症状の総称である。(ウィキペディアより)
要するに、肩の辺りで、鎖骨や筋肉が神経や血管を圧迫または牽引して、腕から手のしびれや浮腫などが出る病気です。
でも私は、こんな胸郭出口症候群なんてないと思っています。だって、鎖骨にしろ筋肉にしろ自分で動かせます。もし骨や筋肉が神経や血管を圧迫(または牽引)して、しびれや痛みが出たら自分で動かしてそれを解除するはずです。普通そうするでしょ。いつまでもしびれや痛みがあるかっこう続ける人いないでしょ。
他院で胸郭出口症候群と診断された患者さんがたまに来ますが、みんな棘下筋など肩甲骨周辺の筋肉の筋筋膜性疼痛症候群でした。トリガーポイント注射で良くなりました。
胸郭出口症候群なんてないよ。
2018.2.15 カテゴリー|その他の治療について
前回のブログからの続き
https://nishibori-seikei.com/blog/2018/02/post-736.html
患者さん「私、肉が嫌いなんです。」
2018.2.05 カテゴリー|医療に関する迷信
70代の女性
当院を初めて受診する患者さんです。
「足の裏がざらざらしていると寝たきりになるとテレビで言っていたから、心配になってきた。」そうです。
「そんな話聞いたことない。テレビの話は9割うそだよ。でも心配ならざらざらを治す薬を出します。」
と説明して、プロペトを処方しました。
そうは言っても、私が知らないだけで新しい知見が発見されたのかもしれないので、ググったら出てきました。
どうやら1月30日のNHK今日の健康で足裏のトラブルについて放送されているようです。
健康備忘録
https://eyaurban.com/health-information/before-being-taught-and-after/
でも、「足の裏がざらざらしていると寝たきりになる」とはどこにも書いてありませんね。
足の裏のカサカサは水虫の可能性がある
足の裏に固いタコがある人は将来寝たきりになる可能性がある
とは書いてあります。
さすがにNHKなんでこの2つの説は医学的事実です。嘘じゃありません。
だけど、テレビを見ていた患者さんの頭の中で2つの説がごっちゃになって、「足の裏がざらざらしていると寝たきりになる」なんてごじゃっぺな説になっちゃったんですね。
まあでも、糖尿病があったりすると、足の裏のカサカサからばい菌が入って壊疽になって寝たきりになることはあるかもね。
だから糖質の摂取を控えて糖尿病を予防しましょう。
足の裏のカサカサはプロペトが効きます。ヒルドイドクリームなんかを塗っていると一時的には良くなっても後からよけいひどくなるからね。
2018.2.02 カテゴリー|医療に関する迷信
6歳の男の子
今朝から右太ももとふくらはぎが痛いと言っているので、お母さんが連れてきました。
大腿四頭筋と腓腹筋に張りと圧痛を認め、話を良く聞くと保育園で縄跳びの練習を一生懸命やっているそうです。
「縄跳びのやり過ぎによる筋肉痛ですね。」と説明したら、お母さん
「え~~~、子供も筋肉痛になるんですか~~~。」だって、
子供だって筋肉痛になるよ。
筋肉がしなやかで回復力が高いから大人よりはずっとなりにくいけどね。
当院がある地域の保育園や幼稚園ではこの時期に縄跳び大会を行うので、園児たちは一生懸命練習をしてます。
寒い中で同じ筋肉をずっと使い続ければ子供だって筋肉痛になります。
だからこの時期に、筋肉痛の小さいこどもがたくさんきます。
子供たちにとっては生まれて初めての筋肉痛だから、びっくりして大騒ぎします。
それを見てお母さんたちは、まさか筋肉痛だとは思わないので、これまたびっくりして大騒ぎ。
あわてて当院に連れてきたら、筋肉痛と言われてまたびっくりして安心する。
というパターンがこの時期に外来で繰り広げられます(笑)。
子供の筋肉痛は数日安静にすれば治ります。
数日安静にしても治らないときは、骨腫瘍などの可能性もあるので念のためレントゲンを撮ります。
2017.11.30 カテゴリー|医療に関する迷信
40代の男性
8月に、野球でボールを投げると右肩が痛くなるということで、当院を受診しました。
レントゲン所見に異常なく、理学所見から右肩関節周囲炎(四十肩)と診断し、肩峰下滑液包内ブロックを行いました。
それからずっと通院がなく、3ヶ月以上すぎてから再来して、いきなり「痛みが取れないから、某総合病院に紹介して欲しい」と言われました。
『はああああ、何いってるの?治療してないんだから痛みとれないのは当たり前じゃないの?』と思いましたが、口には出さずに素直に紹介状を書いてあげました。
こういうよくわかってない系の患者さんとは議論をしても時間とエネルギーの浪費にしかならないことが多いからです。
この患者さんがなぜこのような行動に出たか推理してみました。
「四十肩」と診断された。→ 四十肩はほっとけば治ると誰かに言われた。→ ほっといたけど治らないから四十肩という診断は誤診でもっと違う重大な病気に違いない。→ 某総合病院で詳しく調べてもらわなきゃダメだ。→ 某総合病院にかかるには紹介状が必要だ。→ 誤診した医者に紹介状を書いてもらおう。
という流れじゃないかと思います。きっとそうだ。間違いない。
この流れでどこが間違っているかというと、「四十肩はほっとけば治る」というところです。
「四十肩(五十肩)はほっとけば治る」は迷信です。
四十肩はほっとくと肩周囲の筋肉や関節包が硬くなり動きが悪くなって痛みが慢性化してひどくなります。
早期にきちんと治療をして、慢性痛にならないようにするのが一番大事です。
関連ブログ 「五十肩はほっとけば治る」は迷信