2012.12.20 カテゴリー|医療に関する迷信
頭皮の脂漏性湿疹や、フケ、痒みはシャンプーなし洗髪で治ります。
僕はもう、5年くらい洗髪時にシャンプーを使用していません。
シャワーのお湯で、1分間くらい髪をゆすぐだけです。
シャンプーを使っていたころより、フケ、痒みはなく、髪はサラサラだし、臭いは減ったし、抜け毛も減りました。
シャンプーに含まれる界面活性剤は、地肌の皮脂を奪い取り、皮脂を栄養素としている皮膚常在菌を減らします。皮膚常在菌は病原菌から地肌を守る大切な菌です。皮膚常在菌が減ることによって、地肌が不健康になり、フケ、痒み、ベトツキ、悪臭、抜け毛が増え、皮ひどい場合は、脂漏性湿疹などの皮膚疾患になります。
シャンプーをしていたころは、1日でも洗髪していないと、すぐにベタベタになって痒くなるので、毎日洗髪していました。
しかし、シャンプーをやめると、3日ぐらい洗わなくても、全然平気です。
小野小町も、お市さまも、ガラシャさまも、淀君も、シャンプーなんかしていません。これらの歴史に残る美女たちの髪の毛が、臭くてフケだらけだったとは思えません。シャンプーなんか必要ないのです。
ただ、急にシャンプーをやめると、一時的に髪がベトベトになるので、2週間くらいかけてシャンプーの使用量を少しずつ減らしていくといいと思います。
「洗髪にはシャンプーが必要」というのは、シャンプー会社がひろめた迷信です。
シャンプーを止めただけでは治らない、重症の脂漏性湿疹には、ステロイドのローションを使用する場合もあります。
2012.12.19 カテゴリー|湿潤療法
12月19日の「新しい創傷治療」の更新履歴に、僕の送ったメールが紹介されました。
http://www.wound-treatment.jp/title_new.htm
いつものにしぼり整形外科の西堀先生からはカチリについての疑問です。
と書かれていました。要するに、亜鉛華軟膏に、フェノールが混ぜてある軟膏と解釈しました。フェノールと言ったら、陥入爪の手術で、爪根を焼き殺す劇薬ですよ。亜鉛華軟膏も、創を乾燥させることで有名な軟膏です。
こんなもの塗ったら、かえって、傷が深くなって、痕が残りやすくなってしまうのではないでしょうか? 子供は痛くないのでしょうか?
その子は、元気もよかったし、水疱を痒がってもいなかったので、何も処方せず、自然に治るのを待ちましょうと言って、帰しました。
僕は、帯状疱疹の人には、フィルム剤を貼って、疱疹を保護して、水疱が破れた場合はハイドロコロイドで湿潤療法をしているのですが、水疱瘡も同じようなやり方でいいのでしょうか?でも水疱瘡の範囲は全身なので、全身にフィルム剤を貼るわけにはいかないですよね。
水疱瘡の子供には何を処方したらいいのでしょう。
小児科の先生をはじめ、皆さんのご意見を聞かせて頂ければ幸甚です。
ちなみに私は 「カチリ=乾燥剤」 だと思っています。小範囲の場合はプラスモイスト貼付,広い面積に多発している場合はワセリン基剤の軟膏の頻回塗布をしています。
なにかいい考えがありましたが,こちらまでお願いします。
カチリについておかだ小児科の岡田先生からのメール。
キズに対する消毒や、ヤケドに対するゲーベン軟膏などと同じで、本当は有害なのに、昔からやられているという理由だけで、使われている薬がたくさんあるようです。
2012.12.04 カテゴリー|医療に関する迷信
擦り傷や切り傷や、ヤケドなどの怪我をしたとき、化膿しないために赤チンなどで消毒している方が、今でもいるかもしれませんが、消毒しても化膿は防げません。それどころか、消毒はキズの治りを悪くするので、するべきではありません。
皮膚に傷があると、そこに化膿の原因になるばい菌(黄色ブドウ球菌など)が繁殖します。キズを消毒すると、一時的にばい菌が減りますが、1時間もすると元に数に戻ってしまいます。つまり、消毒してもばい菌の数を減らすことは出来ないので、化膿を防ぐことは出来ないのです。
消毒液は、ばい菌を殺す作用がありますが、それ以上に正常な皮膚の細胞を殺す作用があります。なので、消毒をするとキズの治りは悪くなります。場合によっては消毒することによって、キズがより深くなってしまうこともあります。消毒はするべきではありません。
では、どうすれば創の化膿を防ぐことができるのでしょうか?そもそも、キズが化膿するとはどういうことでしょう?
化膿とは、皮膚の下にばい菌が入り込んで大量に繁殖している状態です。
瘡蓋や壊死組織や皮膚の奥に血腫があると、それを餌にして、ばい菌が大量に繁殖します。なので、瘡蓋や壊死組織を除去し、また、皮膚の下にたまった血腫(血の塊)にはドレーンを入れて、血腫を除去すれば、化膿を防ぐことができます。
逆に言えば、瘡蓋や壊死組織や血腫をそのままにして、その上からいくら消毒をしても、化膿を防ぐことは出来ません。
「キズは消毒しないと化膿する」というのは迷信です。
消毒液と化膿の関係についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのHPをご覧ください。
新しい創傷治療「消毒について」
2012.12.04 カテゴリー|医療に関する迷信
「膝の水を抜くとくせになる」と思っている方がたくさんいるようですが、これは迷信です。
「膝の水を抜くとくせになる」というのは、要するに、「膝の水を抜くと、かえって、膝に水がたまりやすくなる」という意味だと思いますが、それは間違いです。
膝に水が溜まる理由は、膝の関節の中で炎症が起きているからです。確かに、膝の水を抜いても、また水が溜まってしまう人もいますが、それは、炎症がおさまらないからです。水を抜いたことで、炎症が悪化して、かえって、水がたまりやすくなった。ということではありません。
膝に水が溜まっていて、そのせいで膝に痛みがあるような場合は、水を抜いたほうがいいでしょう。水が溜まっていても、それが痛みの原因になっていなければ、痛い思いをしてまで水を抜く必要はありません。
「膝の水を抜くとくせになる」というのは迷信です。
2012.12.02 カテゴリー|医療に関する迷信
昨日かいたブログ「糖尿病の人は、痛みを我慢してもウォーキングをしたほうがいい」は迷信の続きです。
https://nishibori-seikei.com/blog/2012/12/post-137.html
現在、糖尿病専門医の間では、食後高血糖が大きな問題として注目されています。従来は空腹時血糖をコントロールしてきたのですが、それだけでは不十分で、食後血糖をできるだけ低く抑えることが大切だというのです。その理由は、食後高血糖が心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を引き起こす危険因子として確立されたからです。
ウォーキングで食後高血糖を抑えるには、食後すぐにウォーキングをする必要があります。それも、1日3回毎食後ウォーキングしなければ意味がありません。余程暇な人でなければ無理ですね。
江部先生によれば、30分のウォーキングで、血糖値が20~60㎎下がるそうです。糖尿病の方は、糖質を1g摂取すると、血糖値が3㎎上昇すると言われています。糖質の摂取を20g減らせば、食後高血糖は60㎎減ることになります。糖質20gは、お米のご飯にすると約50g分です。茶わん1杯が約150gなので、ご飯の量を3分の1に減らすだけで、ウォーキングを30分したのと同じだけ、食後高血糖を抑えることができます。
毎食後、ウォーキングするくらいなら、ご飯の量を少しだけ減らしたほうが、ずっと楽ですよね。